無責任な神と兎
人の言葉を話した化け物?に話しかけられて驚いたが
よくみると凛々しさと可愛さを掛け合わせて二で割ったような雰囲気がある
とりあえずこちらから会話を試みてみた
「あ、あのどちら様でしょうか~?それとここはどこですか?」
「はい、私こういう者です」
するとラビットマンと名乗ったうさぎ顔の男?はカードをみせてきた
「なんだこりゃ・・・人材サポートセンターゴッドカンパニー営業1課所属:ラビットマン3世」
八重樫さんが訝しみながら提示されたカードを読み上げる
「えっと、ゴッドカンパニーですか・・・?」
「えぇ、ゴッドカンパニーは世界の危機に立ち向かうべくして作られた非営利組織です。
その組織の実態は世間では謎と言われていますが実際に活動しております」
うさ耳をピョコピョコと動かしながらラビットマンは話していく
「主な活動内容としてはこの世界の維持活動及び世界へ介入された方の道案内もしくは道標をつくる事なのです」
「なるほど、それで今回どのような目的で俺達の前に現れたのですか?」
「おや、主様に説明すら受けていないのですか?」
「話の途中でいきなりここにいたんですけど」
「ふむふむ、この世界を救ってくれと言われませんでしたかな?」
「それと似たような事は言われました邪心のかけらがどうとか・・・」
「それならば問題ありませんね」
「どーでもいいけどよぉ!こんな森の中にずっといたくねぇんだどな!」
八重樫さんがラビットマンを睨みつける・・・ケンカになりませんように・・・
「おっと申し訳ないですなこんなところで、ですが移動する前に教えておきたい事がございます。
オープンステートと声に出すか念じるかしてもらえないでしょうか」
二人して少し沈黙したが、いきなり八重樫さんがビックリしたような声をあげた
「うぉ!なんだこりゃ!リン・ヤエガシ・・・職業魔剣士・・・種族ヒューマ・・・んだこりゃ」
その呟きを聞いて俺もオープンステートと念じた
名前:ユウマ・カサイ
職業:魔法士
年齢:18 種族:ヒューマ
Lv1 HP120 MP150
魔法:ファイア(小)
個人スキル:鑑定眼
称号:異世界人 オタ男
「これは・・・凄い!本当に異世界?というかゲームみたいですね」
「ご理解頂けたならこちらとしても嬉しいですね」
ラビットマンがウサギ顔で微笑む
「この鑑定眼というのはどういうスキルなんでしょうか?」
気になっている事をまず聞くことにした
「鑑定眼とは物や人物の詳細を知る事ができるスキルですねただ人に使う時は注意してください探られていると感づかれる人もいるでしょう」
「なるほど」ふむふむと頷きながら八重樫 凛の方を見ると
眉間に皺をよせて唸っていた
「おい!ウサギ野郎!この個人スキル欄の高速循環ってのはなんだ!わけわかんねぇぞ」
確かに聞くだけでは何が何だかわからないスキルだ
「はい、それは体内にある魔力を高速で体に循環させて身体能力を飛躍的に向上させるスキルですね」
八重樫さんはさらに眉間の皺が深くなり腕を組み
「わからん!」と叫んだ
俺の予想ではかなりチートなスキルではないかと思うだけど
特に身体能力の向上のところ使いようによっては無敵のスキルではないか?
「しかしながらその能力にも制限はあります今のままでは最大効果時間は2分で
発動と同時に魔力が常時消費されていきますので万能ではございません」
なるほどと一人納得していると八重樫さんが喋りだす
「おい、アタシのMPか?20しかないぞ全然ないんじゃないか?ん?」
「つ・・・使いどころ次第って事だね・・・」
「・・・(笑顔) 」
ラビットマンの笑顔で締めくくられた
「え~それでは本日はこの変で御暇させてもらいます、近くに街がありますので
そこでまたお話しできる事楽しみにしています。ではまた後日お会いしましょう」
そういうがはやいラビットマンは頭上へピョンと跳びだしてさっていった
「あ!まってくれ!!!街はどの方角なんですかー!?」
と叫んだら目の前に少し重そうな袋が落ちてきた
袋には1週間分の食料ですと書かれていた
「くそウサギがあああああ!!!」
八重樫さんの叫びが響き渡るのだった
ゆっくりやっていきます よろしくお願いします