プロローグ
ある日の夕暮れ時
とある公立高校の教室に一人の男がいた
絶賛睡眠中であるこの男、名を河西 悠真という
毎夜毎夜アニメ・ゲーム・人には言えないようなゲームなどを
嗜むごく普通の『オタク』である
なぜこの男が教室で寝ているかというと
単純な話授業中に寝てそのままの状態だという事である
「...zzZ」
バァン!!!
勢いよく教室の扉が開かれた
その音でビクりと跳ね上がる悠真
「はぁ!?なんだなんだ!!」
寝ぼけ眼できょろきょろしていると教室だと思い出し
教室を見回すと一人の女子が何やら机の中を探っている
「何でねぇんだよ!クソが!!」
怒気を含んだ声で近くにある机を蹴るこの女子こそ
この教室で不良と呼ばれている八重樫 凛だった
悠真の黒髪とは違い少し茶色が入ったようなセミロングの綺麗な髪を振り乱して
あたりをひとしきり蹴る
「くそ、イライラする」
ブツブツいいながら周囲を確認してやっと悠真の存在に気がついたようだ
「おい、オタ男よぉあたしの携帯しらねぇか?」
鋭い目つきで悠真を睨みつける
「し、しらないよ!ほら俺寝てたみたいだし!帰るの遅れたみたいだし!」
その目つきに耐えられなかったのか、悠真は自分は知らないと主張する
「何動揺してんだよ、あたしは普通に聞いただけだろうが」
イライラを隠そうともしない凛をみつつ悠真は蛇に睨まれた蛙の気分を味わう
数秒の沈黙
「ちっ、しゃあねぇな帰るか」
そう呟き凛が歩きだした瞬間
教室の中央付近から突如光が溢れ出した
「うわわ!眩しい!!なんだこれぇ!」
悠真が突然の光に動揺を隠せない
凛もまたその眩しさに目を細め何が起こったのか驚きを隠せない
二人が何もできぬまま
光は二人を白い世界へと誘ったのであった
ゆっくりやっていきたいと思います