負けず嫌いのA子さん
ああ、今日もだ。と
震える指先で触れた文字
広がるページ
顔の見えない誰かの世界
感想欄は賞賛の嵐
私の欲しかったもの
私の欲しかった評価が
当たり前みたいに
あの子も私も同じ
条件は悲しいくらいに一緒
けれどこの差は圧倒的で
言い訳すら出来ない現実
どれだけ偽ってみても
どれだけ真似てみても
「お気に入り」
その数が増えることはない。
「何がそんなに違うんだろうね？」
勿論わかっているけれど。
届かない順位
憧れた場所
見上げているだけは苦しいね
あの子は私を見下ろしているのかな
「いやいやありえませんて」
君の目に映る場所に私はいる？
手を伸ばす
触れられない
喚き散らす
聞こえない
ただもっと高くにいきたくて
何が必要かな。
いつだって考えてる。
「足掻けばいい」って？
嘘つき。
評価は０
この上ない事実
努力？なんて
飽きるくらいしたんだけれど。
すかさず目標を下方修正
やっと居心地いい世界
「更新しました！」
ちょっと邪魔しないでよ。
なんて呟いてみて。
震える指先で触れた文字
広がるページ
顔の見えないあの子の世界
感想欄は賞賛の嵐
私の欲しかったもの
私の欲しかった評価が
当たり前みたいに
見えない見えない聞こえない
手ごたえのない成果
目に見えない成果
でもせめて少しくらいは
この手で掴めるものを頂戴よ
暇つぶしで漁るブックマーク
知らない誰かの声を聞いた
「誰か見てますか」
「どうすればいいですか」
答えも知らないまま答えを打った
「大丈夫」
私も同じだよ
君の隣にいるんだよ
夢。
最後に語ったのはいつだろう
もう思い出せないけれど
でも君だけに聞かせてあげよう
私と一緒の君にだけ。
私の今の目標
「あの子の処まで行ってみたいの」
苦しいと思う？
苦しいだけだと思うかな。
でもわかるよ
いつかわかる日がくるよ
届かない順位
憧れた居場所
「評価ありがとうございます（≧∇≦）」
あの子は相変わらず遠いけれど
でもね、空虚なだけじゃないんだよ
哀れなんかじゃないんだよ
知ってるかな？
憧れ羨んで見上げた空は
そんなに悪くもないってさ。
感じたことはありますか？
