南ガザルア地区
門兵さんとの会話の続きからスタートです。
「ここはレミオーグ帝国の騎士団の軍部拠点の一つで南ガザルア基地だ...といっ
ても店などがそろってからは南ガザルア地区と言われるようになっておるがな、
娯楽なども一通りあると思う、今度見てみるといい。次は治安だな...。
正直治安はよくはないといったところだな、スラム街と裏路地は入らんほうが
いいじゃろうな、あとは…」『東2で喧嘩だ!手伝ってください!』
「そうかすぐにいく!」
町の方から走ってきた若い兵士の伝令に手際よく荷物をまとめて立ち上がり
「そういうはなしだ、すまんがこの話はまた明日ということで、明日もこの門にい
るはずだまた訪ねてほしい。では!」
そういっておっちゃん達は走り去っていく…また名前聞くの忘れた…
学習能力ねぇな俺と心の中で苦笑しつつ、あたりを見回す、誰もいない…
誰もいない!門番いなくて大丈夫なのか!そこまで危険はないのかわからないが
いろいろと心配になる国である。
取り敢えずおっちゃん達も居なくなったので南ガザルア地区の探索に入る、
メインストリートには石でできた建物がずらりと並んでいる。酒の看板や剣の看
板などその店が何を売っているかがすぐにわかるようにできている。うちの世界
でもこういう風にしてくれたら店を探すのに困らないのになーと思う彰。
一本中の住宅街のようなところを見てみると木造の建物が多く目立った。
(見たところ石造りなのはお店とかちょっと裕福な家だけっぽいな)
再びメインストリートに戻り、ある問題を再確認する、
(まずい実にまずい事態だ)
店の看板にはその店の掲げる商品の絵とよくわからない記号のようなものが並
んでいる。多分この世界の文字だろう、普通に読めない。
(ほぼ間違いなく文字を覚え直さなければならないだろうな...ファンタジーの
世界に来ても勉強か...なんか帰りたくなってきたな)
違う世界に来てしまったと感じてまだ2時間と経っていないが早くもどこに行っ
ても勉強しなきゃいけないという世界に絶望し始める。
(とりあえずいつ帰れるかわからないから覚えるしかないけど...はぁ。取り敢
えず、物価の確認が大切だな、今持ってる硬貨がどれほどの価値持ってるか知ら
ないとすぐなくなるだろうしな。)
5分ほど歩いていると鍋の前に羽ペンというよくわからないマークの雑貨屋を見
つけた、中にはいろんなものが所狭しと並んでいる。奥の座敷でうつらうつらと
している店員に声をかける。
「すいません、メモ紙と何か書くものください!」
びくっ!となった店員はゆっくりと立ち上がり紙束と羽ペン、インクのツボを
差し出し「銀2枚」とだけつぶやく。残りの銀貨全額である金がないのでは宿
には泊まれない、かなり切実にまずい。
「高いなぁもう少し負けてくれないか?」
少し考えて銀一枚銅8枚と告げられるが、もう少し食い下がる
「古くてもいいからもっと安いのはないか?手持ちあんま多くないんだ」
何も言わずに奥の方に戻り使い込まれたペンと古紙を出して
「銀1枚」
「買った」
即答である。さっそく買ったペンを使って知ってるものに書かれている文字に
振り仮名を振っていく。銀と銅は小物を見てなんとなくわかった文字はわかる気が
しないが地道に行くしかなさそうだ。
「ここの町って他と比べてモノの値段とかどうですか?」
「お酒と娯楽は安い、ほかは2割増し…お客さん、文字読めない?」
紙に名前書いてあちこち確認しているのを眺めてた店員さんが恐る恐る確認してくる
「そうなんですよね、なにか...「まってて」
半ば声を遮って一枚のチラシを突き出した。ずらずらっとならんだ文字の下に申し訳
程度に教会と本、それと地図が載っている。
「これは教会で字を教えてるってこと?」
「そう」
「字のわからない人にこの文字だらけのチラシじゃわからないと思うが...」
「盲点!」
今日一番の反応だ、まじで気が付かなかったのか、多分丁寧に書きすぎたんだろうな。
「絵の部分を大きくして文字教えています文字わからない人に勧めてあげてください
位でいいんじゃないかな?」
「作り直す」
「情報ありがとう、またくるよ」
そういって外に出ようとすると後ろから
「明日の朝から一日おきでやってる」
「ありがとう」
そういって店を出る。
(ここでかなり有益な情報ももらったな、贔屓にしよう)
「あっ、宿のこと聞いてねぇ...」
今更戻りにくい…。結局宿屋については謎肉(店主はかたくなに教えてくれなかった)
の串焼きを買い、仲良くなった店主に地図と名前を書いてもらった、聞いたところ
綺麗でご飯もおいしいらしい。値段も一日銅8枚で二日だと銅一枚安い銀1枚銅5枚
らしい。ここで銀1枚=銅10枚というのが確定した。
長話をしているうちに辺りには薄夕闇が漂っていた。
やっとの更新。隔週ぐらいであげられるようにスピードアップしようかなと思っている...思っている!(強調)




