第8話
視界が明るくなってきた。
まだ生きている?
あのドラゴンはどうなったのだろう?
「大丈夫か?」
私の意識が戻ると同時に彼は言った。
とりあえず、答えられる程の体力は残っていたので答える。
「大丈夫・・・。じゃないね」
「だな。」
「で?貴方は大丈夫なの?まぁ、大丈夫そうには見えないけど。」
そう、彼は身体中に傷があった。
特に、腹部にある傷と左腕がすごい。
ぶっちゃけ、背中の傷のみの私よりひどい位だ。左腕はもう使い物にならないだろう。が、
「大丈夫だ。」
彼は落ち着いた声でそう言った。
大丈夫な訳がない。
「全然大丈夫に見えないけど?」
「まぁ、見ていろ。」
この説明では私が納得しないのが分かっていたのだろう。彼が言った。
彼がそう言うと同時に彼の周りに魔力が集まり始める。
魔力が集まり・・・・
「何!?この魔力の量!?」
集まった魔力の量は、私が把握する彼の魔力量を遥かに上回っていた。
だが、彼が平然としているところを見ると、いつもは空気中に分散させている魔力を集めついるだけのようだ。
つまり、これが本来の魔力量なのだろう。
魔力を集め終わった彼が自分の身体中に魔力を集中させると、左腕の傷が消えた。同じように腹部の傷もなくなっていった。
うん。大事なことだからもう一度言おう。
重傷だった傷がなおったのだ。
私以上に非常識だ。
そして、彼はゆっくりと口を開き、こう言った。
「俺と契約しないか?」
レント君が予定通りに契約を持ちかけました。
読んでくださりありがとうございます!
次回からは少しゆっくり投稿していこうと思います。
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