表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

夢の矛先

作者: オリジナル

ジェイルは黄泉へと続く長い川の岸にいた。




[お客さん。もうすぐ船が出るでよ。今日の最終だがね][良いんだ。待ち人がいる][んだか?なら出港するでよ]




最終便の船が出る。[何を黄昏てる。らしくないな。ジェイル][エラルド。たまには見送る旅も良いなとな][付き合おうか?丁度、酒もある。一杯やらんか?][オオ。久々だな。お前と一杯なんて][どうだったね?ホムンクルスは][ナア、あの船、沈まねーかな?あんな乗せて][ヨッコラショッと。沈むな。間違いない][造った奴がいけないのか乗る奴がいけないのか判らんな][いずれ沈むさ。人間もホムンクルスも。問題は沈んだ後さ。また何者かが天下を納める。で、繰り返す][エラルド。解らん事が1つ。何故、お前はあの日、俺を落としてアイシャを選択した?][軍事機密だったはず。人造人間は。変えてくれると信じていた。アイシャに初めて会った15年前。それを感じていた。いずれその人造人間ホムンクルスが天下を納めると。その日の為の貯金だ][俺はあの後、残党に改造された。人の心も、姿形も全て。既に軍配は下っていたな][ジェイル。俺と共に来い。この夢の矛先を見届けよう][どうせ暇だ。好きにしろ]ジェイルは岸で寝転がった。[酒が回ったか?][イヤ。足りない。満たされない。天下と似てるな]二人は笑った。




その後二人は来る日も来る日も船を見送った。





[船長さん。何をしてるんだ?あいつら][知らん。前任からずっとあんな具合だ][なら、知らんだろうな]






ミサは亡くなったホムンクルスを集めて、教会を開いていた。[主よ。我々の御霊を救いたまえ。天下の生け贄になった御霊を]




[ミサ様。教えて下さい。我々の行く道に何があるのですか?][絶望と挫折しかございません。だから悔いを改めるのです。改めても絶望と挫折しかございませんから。それは人間も変わりません。だからリセットして生まれ変わるのです][それが輪廻ですか?]ミサは笑顔を浮かべた。





アイシャとカゲツは銀座をホムンクルスの制圧から解放した。




エラルドの墓に花を供えるアイシャ。




[やはりここにいたか。早いもんだな。あれから1年か?][アラ。カゲツ。傷は癒えたの?][いつまでもくたばってる俺様じゃ無いぜ!ホラ。もう完治してらあ][そうかしらね]ポーンと肩を叩くアイシャ。[イデデデッ。そこは古傷が………][ホラ。休んでなさい]銀座の国民が走ってくる。[アイシャ様!カゲツ様!大変です!また反乱が!][場所は?]カゲツが身を乗り出す。[六本木です。お急ぎ下さい!][行くわよ!カゲツ!][オオヨ!なぶり殺しにしてやらあ。ホムンクルスの野郎!]二人はバイクに股がり走り去った。彼等の戦いはまだ続くのだった。





ネクスト リザーバー。完結。





次回、孤高の深海

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ