第166話
僕は皇族家探索者部隊見習いを断った。
当主様も、まあ今は仕方あるまいと言ってすんなり引いてくれた。
ただ探索者をしたくなったら、必ず声を掛けるよう言われた。
そして再度幼馴染みの皇族の姫から頭を下げられ謝罪された。
探索者の素質が無いから僕に学園をやめろって言った件を。
まあ今は本当に気にしてないから大丈夫って僕は笑顔で言ったし、そもそも、もうとっくの前に許している。
許すというか、元々は弱かった僕が原因だしね。
にしても僕の中での当主様はイメージがだいぶ変わった…
厳格で怖いイメージだったけど優しいし気さくだった。
僕を歓迎してくれてるのがよく分かって楽しかった。
権力で思いのまま出来る立場なのに相手を思いやれる当主様かあ…。
僕に、父親、いや家族すらいないが…
今日味わえた家族みたいな雰囲気はよかったな。
ああいう父親がいたらなあと思わずにはいられなかった。
と、手土産までもらい黒塗りの高級車で送ってもらい寮へと僕は帰宅したのだった。
こういう日常も悪くないな…
ずっと…
ずっと続けば…
なんて僕は思ってやまなかった。
「お父様…彼…ブタオさんは如何でしたか?」
「牢獄のブタオだったか…いや、素晴らしい精神力、胆力の持ち主だ!あれは傑物だ!
今はチカラこそないが、不撓不屈のスキル所持者であろう…。偉人、初代勇者が持っていたスキルだな」
不撓不屈のスキルは初代勇者しか持っていなかったとされている伝説のスキル。
それはどんな困難にも立ち向かい、諦めない、そしてその気持ちが強ければ強いほどチカラを増すスキル。
「ま、まさか?!そこまで?」
「ああ、試しにな…覇王気のスキルを使ったが、眉一つ動かさんかったわ!!ハッハッハッハ!!
スライムに苦戦する小童がだぞ!!」
娘と付き合っているのか?と聞いたときだ。
「そ、そうでしたか…だから皇族家探索者部隊にスカウトされたのですね」
「ああ、あれは磨けば間違いなく光る原石。
だが本人に戦う意思がなければ成長はすまい…
無理に権力で囲めば腐りかねん…
だからいい友人であり続けなさい。
本人はいずれ自分の意思と関係なく自ずと戦いの渦中に身を投じよう。
そういう運命であろう…あのスキルはな…」
「委細承知致しました。お父様。
わたし個人としてもブタオさんとは友人でありたいのです。」
わたしは頭を下げ畳につけそう言った。
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読者の皆様 初心者の拙い文章ですが
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