第141話
わたしはしがない平民…
名前はあったけど名前は無いに等しい。
平民の名に価値は無い…
わたしは神様の神託により男装しながら戦場の最前線に立ち剣一つで武功をあげ続けた。
それによりわたしは褒美として王様から、
神により神託をうけた英雄騎士として取りなされた。
そして戦果をあげ続けそれは留まることを知らず民達から絶大な支持をわたしは得る。
わたしが平民出身で名乗らないことから、親しみやすさもあり平民からの求心力を得る。
そしてそれに乗じて平民達は自分達を不当に虐げる貴族制の廃止、増税をやめる運動などを勝手に始めていた。
わたしの平民英雄騎士としての名を勝手に使い…
平民英雄騎士は貴族制に反対している!
平民英雄騎士は増税に反対している!
と、旗を掲げ連日王城前で抗議していたらしい。
けどわたしは別にそれで良かった。
戦争も無くなり、いまは平和な国となった。
わたしはきっと神様の神託はもう果たせた…。
次は民達がみんな幸せに暮らせるようにか…
それは全国民でなければならないけど、まだまだ不当な差別はある…。
平民はずっと貧しいまま。
別にそう神様に神託で言われた訳ではないけど、平民達には好きにさせた。
わたしはただこの国が脅かされないよう防衛するために今後チカラを振るうだけ…。
剣を取り戦うようにと神託で言われているから。
これからもずっと…
そのハズだったのに…
王城にて
「王よ、今やあの平民…英雄騎士はもう見過ごせませぬ…」
と大臣達が王に直談判していた…
「余の耳にも届いておる…。
よもや…平民達を率いて反乱を企てておるやもしれぬな…まさか彼奴が玉座を狙ろうとるとは…」
「そうでございまする!王よ!あやつは貴族制の廃止、増税を取りやるようにと平民の旗頭になっておりまする。このままでは国が滅びまする!!」
貴族制は絶対に必要なのだから。
ある意味みんな平等というのは国が滅びの道を辿るのは正解だった。
みんな甘い汁を吸い続けたいからそのときだけ頑張る。
そしてそれを子へと継がせる。
そうやって一族のチカラと権威を保ち続け、数が多い平民が反乱しないよう抑止力となる。
みんな平等になってしまえばみんな怠惰となる。
頑張っても意味が無いのだから…
それは歴史が証明している。
「至極もっともだな…。なんとかせねば…だが…彼奴は英雄…罪も無く処断しようものなら国が割れよう…」
「ならば罪を被せましょう!」
「うむ…だが一筋縄ではいくまい…
死刑か国外追放…それを下等な民達の納得がいく罪を被せなければ…か…」
「お任せ下さい!我が総力をあげ必ずや!!」
「うむ…頼むぞ!!この国の命運がかかっておる!」
そして国の重鎮達からわたしに密偵が放たれ、冤罪を着せる工作や裁判長の買収へと奔走しわたしを嵌めるための画策されていたとは…
英雄と祭り上げられ神様の神託を盲信していた、わたしはこんなことになるとは思ってもいなかった…
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魔力0 残念王子の黒騎士 異世界より地球に転移しどちらも無自覚最強無双
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