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062:地下9階3

ハーピーのエリアは階段を上ったところにあり、エリアに踏み入った最初の場所からすでに地面は土に代わり、少し先で途切れてその向こうには暗闇ばかりが広がっている。右斜め前方に進むための橋がかかっているが、板材は木でできているように見え、そして手すりはない。この環境で火を使うことは避けなければならないだろうし、手すりがないのだから移動にも十分な注意が必要だった。

地面は橋の先にもあるのだが、その先も橋と地面の連続で、中には上がっていくもの下がっていくものもあって、ここからでは望遠鏡を使ったところで全てを確認することはできなかった。少なくともスタート地点から右方向、だいぶ離れてはいるが見えている地面は5メートル程度は上にあるのではないだろうか。恐ろしいことにその地面は下部分が中央に向かってすぼまっていて、細い1本の柱で真っ暗闇の広がる底の方へと建っているのだった。

このエリアの魔物であるハーピーはすでにあちこちを舞う姿が見えている。時に上空から降下し、時に地面よりも下から上昇していく。地面の上で羽を休めているものは数体がまとまっているようだが、舞っているものは単独が多い。

「さあて、ここはとにかく立ち位置注意ってことだな。端には近寄らない。火や風の使用は控える。まあそんなところだろう。ハーピーはできるだけ釣り出して地面の上だ」

すでに目の前の橋の脇にもハーピーがいる。今まさに下から上がってきて橋の脇に留まっているのだ。まずはあれが小手調べということになるだろう。フリアが前進してダーツを取りだし、そのハーピー目掛けて投げつけるとピーッという甲高い声を上げて舞い上がり、そして背を向けて走り出したフリア目掛けて鋭い爪のある足を伸ばして蹴ろうとする。

「フロストバイト!」

フェリクスとカリーナが同じ魔法でこれを迎撃。ダメージを受けてフリアに伸ばしていた足が空振りし、そのまま背後にもんどり打つようにして落下した。あとは駆けつけたエディとクリスト、さらに逃げ切ったフリアも参加して攻撃を重ねて撃破する。

「まあハーピーはハーピーだな。防御が薄い。特に抵抗らしい抵抗もない。歌がなかったのはたまたまか?」

「ハーピーといえば歌のイメージだったけど、ここでは声はするのに歌声って感じではないね。そういう特徴があるっていうことかな」

旅人を誘い惑わす歌声が有名なのだがもしかしたらここのハーピーは違う可能性もある。それもこの先戦闘を繰り返していけば分かるだろう。


橋を渡りその先の地面の上へ。入ってすぐの地面よりも広いだろうそこでは左斜めと右斜め2本の橋がかかっていて、ちょうどその手前に2体のハーピーがいた。クリストたちが地面に入ると1体が翼を広げて上昇し始め、もう1体も立ち上がる。

「エディ、上を見ていてくれ。カリーナは支援。俺が下のやつをやる。フェリクス、フリア、援護してくれ」

そういうとクリストが剣を構えて突撃、フリアもダーツを投げながら前進する。そしてフェリクスはフロストバイトを放ってそれを援護だ。翼をばたつかせダーツを弾くが魔法の直撃は避けられず、さらにクリストの接近を許すとそのまま右の羽の付け根をバッサリと切り裂かれる。それでも足を上げて蹴りつけようという姿勢は見せたが、横から接近していたフリアのナイフで左の羽にも切りつけられ、一歩飛び下がるだけに終わる。

頭上に舞い上がっていた1体がクリストを上から襲おうとするものの、その先に差し出されたエディの斧から逃げたことで距離ができる。さらにそこにカリーナのフロストバイトが襲いかかり命中した。

羽を切られた1体はそのままクリストとフリアの攻撃、フェリクスの魔法にさらされて撃破され、もう1体もエディの斧に足を引っかけられるようにして上昇を止められたところをカリーナのチル・ハンドで捕まったところだった。そこからは同じように集中して攻撃を受けることになって撃破だ。

「まあ地面の上ならこんなもんだな。ジャイアント・バットよりは強いがやることはそう違いがない」

見た目の違いや耐久力の違いはあったがその程度で、ハーピーだからという特徴はそれほど感じられない。地面という環境の問題はあったがそれくらいだ。その地面はこの先の橋のうち右方向は下へ下がっていて、その先の地面が今までで一番小さいように見える。その周囲をハーピーが4体ほど舞っているので多少難易度が高いかもしれない。左方向は上下の移動はないようだが、やはりこちらもその先の地面が小さく、その周囲に3体のハーピーが見えていた。

「フリア、フェリクス、狙えるか?」

できれば橋の手前、地面の上で戦いたい。3体いるのならそのうち1体程度は削っておきたいところだった。

「ちょっとやってみる」

フリアがダーツを用意して橋を渡り始めたところで足を止め、一度戻ってくる。

「風が吹いてる。弱いけれど、ずっとそうかは分からないよ」

「あー、言っていたとおりか。こういう地形で想像されることはやってくるってことだよなあ。風が吹いているとなるとよけに橋の上は避けたいよな。届きそうか? よし、とにかく1体釣ってくれ」

手すりもない橋の上で風にさらされながらの戦闘などやっていられない。釣り出せるだけのハーピーを撃破してから移動が無難だった。フリアがもう一度前進して風を考えながらダーツを投てき、うまく当たったようで悲鳴のような甲高い声を上げたハーピーがフリアを追って近づいてきた。奥の方にいる他のハーピーはこちらに気がついてはいるようだが近づいてくるような動きは見せない。ならば今は目の前の1体を全力で倒せるということで、そのまま地面の上で集中砲火を浴びせて撃破した。

他のハーピーは釣るよりも次の地面まで移動してからの方が近そうだったため、橋を渡り始める。橋の上に踏み入った段階で風が感じられるようになったが、多少の強弱はあるもののそれ以上強くなるという気配もなく、そのままハーピーのいる側にエディとクリストが入る隊列で前進、次の地面まで到達できた。ここでも風が止む気配はない。

すでに上空にいる2体のハーピーに対してフロストバイトで先制、近づいてきたところをエディとクリストで1体ずつ引き取り、まずはクリストの側のハーピーに攻撃を集中させる。ハーピーの防御が薄いということもあってフリアも参戦できるだけに撃破する速度は早くなる。そのまま2体目に移行してこちらも問題なく撃破。ここまでは地形以外に特に問題になるような要素はなかった。


その先の橋は右斜め方向、上へと上る形になっていてその先の様子が見ることができない。ちょうどその中間辺りにハーピーがいるのだが、明らかに現在地よりも風が強いことが見ただけで分かる。羽が左から右へとなびき、体も時折右に流れるのだ。あれと橋を上に向かって斜めに上りながら戦うとなるとやっかいだといっていいだろう。フリアの投てきでは難易度が高いということでフェリクスが魔法で攻撃して釣ることに決め、フロストバイトを使用、羽で払うようにして受けたハーピーが高度を落としてきたところでフェリクスは後退、あとはいつもどおりだ。

撃破したところで風を受けながら橋を渡り、次の地面へと到達する。かなり広くなっていてその先への橋は2本あった。ハーピーは1体が立ち上がり手に剣を持っている。ほかの2体はしゃがむようにしていて、1体は手にこん棒を持っているのが見えていた。

「ねえ、何か聞こえない? 楽器の音のような気がするんだけど」

「するなあ、かすかだが聞こえる。なんだ? 楽器持ちがどこかにいるってことか?」

「さすがにここでは分からないね。とにかく目の前のあれを何とかしよう」

風が強まったこと、どこかから音が聞こえることは変化ではあったが、やること自体は変わらない。ハーピー3体が固まっているそこにフェリクスがライトニング・ボルトを放ち先制、さらにカリーナがスローを入れ行動を阻害、そこからエディとクリスト、フリアも突撃し接近戦に持ち込む。まずは近い1体を撃破してそこからいつもどおりに、ということでエディの斧とクリストの剣、フリアのナイフが一番手前にいた1体にまとめて襲いかかりこれを撃破。その後ろにいた2体は舞い上がっていてそのまま撃破というわけにはいかなかったが、エディとクリストが1体ずつを引き取り、エディは斧を突き上げ、クリストは爪と斬り合う形を作る。

クリストの頭上を舞うハーピーにフェリクスのフロストバイトが迫るが、これは羽で払われ、さらにフリアの投げつけたダーツももう片方の羽に払われる。さっと下降してクリストに向かってこん棒を振り、また上昇する。エディの頭上のハーピーは剣で斧を切り払うと足を伸ばして爪を盾に打ち付けた。問題ありと判断したフェリクスがマジック・ミサイルをまとめて1体に命中させ、さすがにこれに耐えられずに降下してきたところをクリストとフリアが攻撃をしかけて撃破、そのままエディと戦闘を繰り返す最後の1体にとりかかり、カリーナの魔法を含めて集中して攻撃、ようやくこれも撃破することができた。

「なんだ? スローが入っていた割には強かったな?」

「そうね、入った手応えはあったのに、効果が見られなかったっていう印象ね」

「何かの強化が入っていたのかな。ちょっと分からないけれど、そうするとこの音が気になるよね」

「とはいえどうしようもないのがな、この音はどこから聞こえているんだ?」

弱体化が入ったというのに動きが良く、こちらの攻撃に対処してきたということはハーピーがより強い個体に変わったのか、それとも何かしらの強化が入っていたのか。今の段階では結論は出ない。

その地面からの通路は上がっている正面と真っすぐな左斜め方向の2本。望遠鏡をのぞいて前方の様子を見ていたフリアが正面が上がって下がって、その先の地面に宝箱があることを確認。左斜めの橋はその先で上がっていて上の確認はできず。ただどちらも一番奥の地面から先はつながっていないように見えるということだった。そうなると上で見えない地面がボスの可能性があるということになり、今はそちらへ向かうことに決める。宝箱の回収はボスを撃破したあとでも良いのだ。ミノタウロスのエリアのことを考えればボス撃破後は他の魔物が消えるという可能性があったのだ。


左斜め方向の橋を渡った先の地面にはハーピーが2体。そしうて先ほどよりも少し大きく何かの楽器の音が聞こえている。ただやることは何も変わらない。エディとクリストが1体ずつ引きつける形に持っていき、まずはクリストの側に攻撃を集中。先ほどよりも攻撃を回避したり耐えたりといった抵抗は見せるものの問題になるほどでもなく順番に撃破することはできた。

「確定だろうな。この音で何かの強化が入っている」

「そういう印象だな。全体に能力が底上げされている」

「で、この上が恐らくボスってことになるが、音への対応と他のハーピーへの対応が問題になるか」

「ブレスをかけておいて、サイレンスね。決まればいいけれど、あとは状況しだいかしら」

「僕はとにかくハーピーを落とす方向かな。基本的にはマジック・ミサイルだろうね」

「フリアは手当たり次第に毒を狙ってくれ。ハーピー相手なら通りさえすればそれで落とせるだろう」

「うん、釣れちゃったら逃げ回るかもしれないけど」

エディがボスに当たる、他にハーピーがいればクリスト、フェリクス、フリアがそれを倒す。カリーナは支援、そういう方向性だ。あとはボス次第ということになる。橋を上り始めると次第に楽器の音がはっきりと聞こえてくる。上りきる手前でブレスをかけ、そして後衛2人は自分たちにメイジ・アーマーとシールドをかける。そうして地面の上へと到達すると、前方やや左に岩があり、それに腰掛けるようにした1体のハーピーが楽器を抱えてそれをかき鳴らしていた。他のハーピーは白や灰色の羽をしているのだが、そのハーピーだけは黒く、そして羽そのものも大きかった。周囲には他のハーピーも全部で5体舞っている。さあ戦闘開始、そういうタイミングだった。ちょうど橋を渡りきったその場所で激しい音がさく裂した。エディとクリストは身をすくめ、フェリクスやカリーナ、フリアは思わず耳を押さえる。その音が静まったときにはキャハハハというハーピーの甲高い笑い声が残っていた。

黒いハーピーが笑いながら楽器をかき鳴らし、その音に乗るようにしてハーピーが殺到する。完全に先手を取られていた。エディが大きく斧を振り回しハーピーをけん制するが、上空の相手にはそこまでの効果がない。回り込んだ1体が後ろからフェリクスを狙って蹴りを入れ、蹴飛ばされた格好になったフェリクスがその場に倒れる。その蹴った足を狙ってフリアがナイフを振り追い払う。クリストも剣を振り回してハーピーを追い払うことに専念していた。その場をしのいだら次は反撃に移りたいのだが、フェリクスが身を起こしている最中でフリアはそれを助けている。

「サイレンス!」

ようやく立ち直ったカリーナが静寂をもたらす魔法を使うが、黒いハーピーはその範囲から逃れるようにして舞い上がる。クリストがようやく1体の羽を切り裂くことに成功して地面に落としたが、それでもまだ手に持ったこん棒を振り回す。他の4体も舞い上がり降下し、動きが素早くてとらえ切れていない。

「動いて逃げることなんて分かっていたわよ、アース・バインド!」

カリーナが次に取った手は空を飛ぶ魔物を地面に縛り付ける魔法だ。これを受けた黒いハーピーが地面に下りてきてサイレンスの範囲に入ると、楽器の音が聞こえなくなる。強化が消えたのだろう、一瞬驚いた表情を見せた周囲のハーピーがエディの斧にかけられ、クリストの剣に切られ、さらにフェリクスがマジック・ミサイルを放ち迎撃する。届く位置に下りてきたところでフリアが毒を塗ったダーツを投げつけて状態異常を付けて回った。これでようやく優勢な状況を作れただろう。

地面に下りてサイレンスの範囲に入ってしまっていた黒いハーピーが移動を始める。他のハーピーのうち比較的自由のあった1体がその近くに寄り、そして範囲を出たのか再び楽器の音が聞こえ始める。この時点で1体は撃破済み、もう3体もまもなくというところでそれも毒を受けているのか動きが悪い。このまま放置しておいても力尽きるだろうと分かっていた。

ハーピーは放置して倒すべきボスへとエディとクリストが突撃、さらにフェリクスがマジック・ミサイルを支援のために放つ。だがその魔法の矢は自分たちを守るように大きく広げた黒い翼に命中するだけに終わる。正面から迫ったエディの斧が剣を振り上げたハーピーの胴をえぐるがそのまま振り下ろされた剣がエディの肩に当たる。踏み込んだクリストがそのハーピーの首を切り落としたことでようやくボスのみが正面に残った。

そのボス、黒いハーピーが演奏しながら笑うように口をゆがめると、羽ばたいて後退し、最初に座っていた岩まで戻る。まだサイレンスの効果は残っていて楽器の音は消えた。エディとクリストはさらにそれに追撃する。だが岩のすぐ近くまで踏み込んだところで突然地面が爆発し、2人をその場から弾き飛ばした。盾を持っていたエディはまだいいがクリストはそれをまともに受けてしまい、そのまま地面を転がった。

起き上がったエディが斧を構えてもう一度突撃し強撃を発動してダメージを積む。フェリクスがマジック・ミサイルを束ねて命中させ、さらにカリーナのファイアー・ボルト、フリアの投げナイフと攻撃がまとめて殺到したことでようやくその黒いハーピーも楽器を奏でる手を止めて岩の上に崩れ落ちた。


「ちょっと! 大丈夫!?」

転がったところからようやく身を起こしたクリストに駆け寄り回復魔法をかける。自分たちも相応に殴られ蹴られ切りつけられ、ダメージを受けていた。さらに重ねて全員に対する回復魔法をかける。周囲のハーピーも全て倒しきっている。これでようやく一息付けるだろう。

「最後のはなんだ? どうやったんだ?」

「たぶんよ? たぶんだけど、グリフ・オブ・ウォーディングだと思うわ。設置型の魔法よ。前に出て味方を盾にして魔法を仕込んでそこへ戻った、そういうことだと思うわ」

「マジか、そこまで考えて動くのかよ。最初の一発といい、やってくれるぜ」

「最初のもシャターでしょうね。完全に先手を打たれた。事前にブレスと防御魔法がかけていなかったら危なかったかもね」

「最後もな、他のハーピーが倒せていたからうまくいったが、残っていれば持ちこたえられたかもしれん」

サイレンスの範囲に入ったことでいけると判断しての突撃だったがそこを狙われたということだ。あれで他にハーピーが残っていれば追撃はそちらが受け持てばいい。そういう状況を作られてしまっていたということだった。毒の効果で他のハーピーを倒し切れていたから良かったようなものの、危ない場面だった。

「ね、風がやんで、他のハーピーはいなくなっているよ。クリアしたっていうことでいいみたい」

「ああ、それはありがたい。帰りの心配をしなくていいってのはいいもんだ」

「宝箱見てくるね」

「分かった、気をつけろよ」

休憩の後始末をしている間にフリアがこのエリア内の宝箱を見て回ることにしたようで、橋を渡って地面を移動してと繰り返して回収に動く。後始末を終えてしばらくしたところで戻ってきた手にはポーションが1つ、直径2センチほどの白い球体が1つと黒い球体が8つあった。それに加えてボスの使っていた楽器がその場に残り、これが今回の報酬の全てということになる。それらをバッグにしまい、そしてまた橋を渡って休憩場所へと戻っていくのだ。


階段を下りて休憩場所へ戻ると荷物を広げ、しっかりとした休憩時間を確保するための準備に入る。その間にクリストは中央の扉の先を見に行き、そして並んでいたアニメイテッド・アーマーの数が8体まで減っていることを確認した。やはりクリアしたことで中央の難易度が引き下げられたということだろう。これでさらに突破が容易になったのだ。

さらに今回入手した報酬の鑑定を進める。

ポーションは黒光りする粘り気のある液体が入っていて、結果はインヴァルナラビリティ、1分間全てのダメージに対する抵抗を得るというものだった。状況次第ではかなりの有効性があるだろう。

白い球体はパワー・パール。使用済みの3レベルまでの魔法を1つ、再使用可能になるというもので、使用制限は1日1回、再使用には夜明けを待たなければならないという。これも状況次第だが有効なものだ。

黒い球体はフォース・ビード。投げつけると爆発して力場ダメージを与えた上で半径3メートルの球形の力場が1分間作り出され、その壁は空気以外の全てが通過できないのだという。強力な魔物でもその中に閉じ込めてしまえば安全だということで、これも使い道がいろいろと出て来るだろう。全部で8つあるのだ、極端な話ではあるが8体のアニメイテッド・アーマーを閉じ込めながら進むという使い方も思いつく。

最後にボスの使っていた楽器だ。クリ・ライアという名称でバードが使うことによって演奏や魔法の使用にボーナスを得られ、さらに専用の魔法も使えるようになるという。

「バードってのはあれだろう? 吟遊詩人のクラスの」

「演奏の効果はハーピーが強化されていたあれだろうけれど、バードがそんなことをできるって聞いたことがないんだけど。それに魔法を使うっていうのもね」

「聞いたことがないわね。演奏が上手にできる、歌が上手にうたえる、そういうクラスだっていう認識だったんだけど、これはもうあれよね、ドルイドと同じことよね」

「行ってみればどこかで聞けるのかもな。バードってクラスの能力を」

すでに地上にはなく地下世界にあるだろうクラスについてはいろいろと見つかっているのだ。いまさらバードというクラスの真の能力がと言われてもそういうものなのだろうと思うしかない。残念ながら自分たちが使える道具ではなかったが、これも地下世界の楽しみの一つだと思っておけば良いだろう。

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