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転生勇者と黒龍少女~戦死エンドから逃れるために黒龍の少女と添い遂げようとしたら、いつの間にかゲームには無かったルートに進んでしまいました~  作者: 遠野紫
第二章 現れしメインヒロイン

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25/39

25 メインヒロイン見参!

 どうして……。

 どうして彼女が……ここにいるの……?


「急にごめんね。えっと……私はソニアって言うんだけど、私……ううん、私たちを貴方たちのパーティに入れて欲しいの」


 ソニアと名乗る彼女はぐいぐいと距離を詰めてくる。


 忘れるはずもない、この押しの強さ。

 そして誰とでも分け隔てなく接するそのキャラクター性。

 とどめに奇麗な茶髪の目立つ端正な顔立ち。


 ……紛れも無く、アルストのヒロインの一人であるソニアだ。

 アルストにおける魔法アタッカーにして、魔王戦の前にはこのゲーム最強の魔法をいくつも習得できるあのソニアだった。


 否定したかったけど、これだけ一致してしまうともう否定できないよ。


 でも、だとしたらやっぱりおかしい。 

 だって本来彼女は別の街で仲間になるキャラだもん。

 ここ王都で合流するはずが無い。


「駄目……かな?」


「えっと……」


 どうしよう。

 ここで彼女と一緒にパーティを組んでしまったらそのままソニアルートに入って戦死エンドへと向かってしまうかもしれない。


 よし、まずは慎重に情報を手に入れよう。


「貴方は、どうして王都に……?」


「そりゃ勿論、強くなるためだよ! 魔王ディアスと戦うために、私たちは強くならなきゃいけないの!」


 場所とタイミングはともかく、目的はゲーム内と同じみたい。

 メインヒロインの4人は皆、魔王ディアスを倒すために冒険者になっているからね。

 

 ……ん?

 待って?

 私()()……?


「あっ! ソニアの奴こんなところにいやがった!」


「全く、勝手に行動するなとあれほど……」


「まあまあ、ソニアさんも悪気があった訳では無いと思いますよ?」


 向こうから3人の少女が歩いてくる。 

 その行き先は間違いなく……目の前のソニアだった。

 名前を呼んでいるくらいだもんね。


 って、そうじゃないよ!

 どうしてあの3人もここにいるの……!?


「あははっ、なんだか強そうな人を見つけたからさ。仲間にしてもらおうかと思ってね」


 ソニアはそう言いながら3人の元に向かっていく。


 ……その3人がね。問題なんだよ。


「はぁ……お前はそうやっていっつも勝手に行動しやがるから……」


「けど、彼女が強そうなのは確かだと思うよ」


 弓を背負った緑髪のエルフの少女が私の全身を見ながらそう言って来る。

 どうやら見ただけで私の実力を瞬時に測ったみたい。


 でも、それが出来るのも当然だよね。

 彼女は弓使いのガラムだもん。

 とにかく目が良いんだよ。

 

 まあ……それはそれとして何故か強力な短剣スキルを多く持っているから、弓を使わせるよりも短剣で戦わせた方が強いって言う謎の調整のキャラだったけど。


「そうかー? 確かに筋肉は凄いみたいだけどよぉ」


 ガラムに続き、大剣を背負った赤髪褐色ケモミミの少女がそう言いつつ、私の肌……いや筋肉を見てくる。


 彼女の名はビスカ。 

 見た目と発言通り、パワー系の脳筋アタッカーなキャラだった。

 獣人特有の高い身体能力もあって、最終的にはアルカを超えるレベルの高火力を放つようになる。


 ……んだけど、そう言う高火力スキルは消費魔力が多すぎて結局はあまり使われなかったっけ。

 それこそ魔王戦みたいな、ここぞと言う時以外はほぼアタッカーとしては使わずタンクで使っていた気がする。


 ダンジョン探索で使おうものならあっという間に魔力切れしちゃうからね。


「……でもあの筋肉、少し憧れますね。私は……非力ですから」


 最後に、神官服を着た金髪の少女が私に視線を向けてきた。


 そんな気弱そうな彼女はローリエって言う神官。

 回復魔法を使うのが主な役割だけど、最終的には強力な聖属性魔法を使えるようになるからソニアに続く優秀な魔法アタッカーのキャラだ。


「でしょ? ローリエもそう思うよね? だからさ、あの人たちと一緒に冒険したら私たち絶対に強くなれると思うんだよ!」


「けどなぁ……信用しても良いのか? 会ったばかりなんだろ?」


「それに、私たちはあくまで修行の身。他人を巻き込むわけにはいかないよ」


「そんなー……あ、そうだ!」


 ソニアは何かを思いついたのか、嬉しそうに飛び跳ねてる。


 凄く、嫌な予感がする。

 ゲームでもソニアの思い付きでとんでも展開になることは多々あったんだよね……。

 ああいう時のソニアは大抵とんでもないことを言うんだよ。


「逆にさ! あの人たちに私たちのパーティに入ってもらおうよ!」

 

「……は?」


「君、正気かい?」


「ふぇぇ、それは流石に……」


 ……うん、やっぱり。

 想像の斜め上を行くのが、ソニアと言うキャラなのだった。

本作をお読みいただき、誠にありがとうございます。

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