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9話

こんにちは、アウロです。


いろいろありましたが、これから昼飯の時間です。

見たことの無い肉をエレナが持ってきました。


エレナって、料理とかしたことなさそうです。

ナイフの使い方がえぐい。

お肉がかわいそう。

グロい。

やめて!

お肉が泣いてるよ!!


怖すぎるので、一緒に作ることになりました。

めっちゃデレデレしながらナイフで肉をばっさばっさしてます。

やっぱりグロいなぁ。


そんなにナイフ振り回す?

料理だよ?

戦闘じゃないよ?

前世の記憶にそんな記憶は絶対ないぞ。

ないよな?


なんかの拍子で刺されそうなので無心で料理してほしい。

真顔で料理してほしい。

やっぱり怖いわ。

笑顔でもいいから振り回さないで欲しい。


できれば今後、刃物使う料理はやめて欲しい。


それか、料理のやり方ちゃんと教える。

だから洗脳魔法教えて欲しい。

普通に教えて良くなる気がしないから。


そのあと……。


肉を切り終わった後は抱きついてきました。

ナイフ持ったまま。

やめて。死にたくない。

刺さる!いやぁぁぁ。



何とか出来上がった料理は思ったより美味しかった。

肉が食べたこと無い食感だった。

何の肉だったかは絶対聞かない。

100%魔物じゃん。

共食いじゃね?

気分悪くなってきた。


「これからは毎日料理作りますね!記憶から楽しそうなアウロ見ましたから!いいお嫁さんになりますね♪」


これ、どの記憶のせいでこうなったかなぁ。

前世でそんな楽しそうな記憶あったかな?

絶対フィクションだと思う。

何かのアニメかドラマの話を勘違いしてない?



「そういえば。エレナについて聞きたいんだけど。」


「はい。」


「エレナって何者なの?隠しキャラだと思ってるんだけど。」


「私が隠しキャラというのがそもそも間違いですね。それに、仲間になるイベントみたいなこともないです。個人的にアウロの記憶覗いてから恋に目覚めました!てへっ。」


そうなんだ。

えっ。記憶見られて今のマックス状態なの?

最初から好感度が高かったわけではなく?


もしかして、都合の悪い記憶は見えないとかなのかもしれない。

お気に入りの同人誌の記憶とか見えてないな。

よし。耐えた。


「えーと。好きな同人誌は人妻に無理やり誘わ……」


終わった。さよなら。


「言うな!ほんとやめて!ごめんなさい許して。あと頭の中読むのやめて!」


「アウロって考え事してるとき、全部顔に出てますよ?アウロのことは記憶見て全部知ってますし。性癖だと、おねショタが好きとか。あとは……。」


「ごめんなさい。ごめんなさい。ほんと、ごめんなさい。いじめよくない。」


はやく話を戻そう。

顔真っ赤だわ。やだやだ。


「隠しキャラじゃないっていうのは?」


「アウロは記憶を思い出したり出さなかったりみたいな感じですよね?」


「ふとした瞬間に思い出したりはあるかな。」


「それなんですけど。アウロより私が見た記憶のほうが鮮明で情報が細かいみたいです。アウロが思い出せない記憶も見れたみたいですね。」


なるほど、もうエレナは自分より自分に詳しいと。

うん。複雑。

最大の理解者は自分自身ではなく妻であると。


「それで?」


「私って隠しキャラじゃなくてエープリルフールであってます?の嘘キャラらしいんですよ。」


「あ。思い出した!それで開発者のブログでキャラクターの写真を見た記憶しかないんだ。」


「なので、私はこの世界ではあなたと一緒のモブキャラみたいなものなんですよ。」


なぜか、エレナがまたやばいぐらいデレデレし始める。

どこで!?

今の話のどこにその要素があった?


また血を飲みたいのかな。

体がおかしくなり始めているので極力控えてほしい。


「そっか。結局、僕もエレナもゲームのストーリーには関係ないか。」


「そうですね。ずっと2人でいれますね。にっこり。」


にっこりって口に出す人見たこと無いよ!

エレナが怖いよ!!


「でも、物語的には魔王の討伐でクリアだからお父さんが危なくない?」


「それが、おかしい点がありまして。」


エレナがおかしいと思っている点。

今エレナの父、魔王は側近のデデンという魔物のせいで壺に封印されてしまっていること。

デデンはオース王国付近で魂を抜いた人間の体を生贄用に集めているということ。

僕が小屋で狙われたやつね。

最後に、アウロの記憶に出てくる魔王はデデンの顔そっくりということ。


「つまり、デデンってやつが儀式かなんかで力をつけて魔王に成り変わってるってことかな。」


「そうだと思います。」


「なんかややこしいなぁ。」


「ちなみに父は助けなくて大丈夫です。」


「なんで?」


「この世界、続編があるみたいで。続編は父を封じられた壺から勇者が救い出します。そのあと協力して未確認生命体と宇宙で戦うらしいです。」


「あ、そうなんですか。」


すごく大変そうですね。

勇者様、頑張ってください。

魔王討伐で終わらないの可哀想。



「これからどうしようか?この世界の出来事には干渉しないほうがいいのかな?」


「うーん。どうなんでしょうか。私達みたいなイレギュラーがいる可能性はありますよね。」


「基本的にはストーリー通り進む気がするけど。」


「問題は勇者ですね。この世界はたぶん時間が戻ってやり直しとかはないと思うんです。ゲームと違って。」


「ってことは勇者が死ぬとストーリーが変わっちゃうんだ。」


「はい。なので、影から勇者を助けながらデデンを討伐してもらいましょう。2人でラブラブ旅しながら助けて行きましょう。」


「でも、はじまりの町ルーンてめちゃくちゃ遠いけど。この大陸から出るのも一苦労だし。」


「あ、私、転移魔法でいけますよ。この2年間で魔力も増えましたし。たぶん問題ありません。」


そう言って、エレナはニコリと笑う。


さすが魔王の娘。

もしかして私の妻、この世界で最強?

アウロは驚きで苦笑いしかできなかった。

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