表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/49

7話


アウロはエレナに起こされた。

体が動かせない。

なぜか、エレナに捕獲されていた。

 

「あれ?え?」

 

頭がぼーっとする。

なんか今日寝てばかりじゃない?

いや、寝るのは好きだけれども。


それで、動けません。はい。

手足を縛られていて動かせない。


体の上にエレナが座っていた。

 

「やっと起きた。まあ、私の魔法のせいで寝てたんだけどね。」


「エレナ?何で上に乗ってるの?なんで縛られてるの?」

 

このあとどうなるんだろうか。

何が起きてるんだろう。


「あなたが異世界から来たことは知ってるよ?」


「ええ!?」


もしかしてエレナも転生者なのか!?

 

「魔法であなたの記憶は全て見させてもらったわ。」

 

あ、転生者じゃないんだ。

え?記憶を見られたって言った?

どこからどこまで……。

全部って言わなかった!?


やばくない?

エレナのこと見て可愛いとか思ってるのも全部バレてる。

いや、恥ずかしいな。


それに、好意のない人間から向けられる好意はそりゃ気持ち悪いよね。

そんなやつ縛りたくなるよね。

殺したくなるよね。


しかも前世の頃の性癖とかまでバレてるよね。

ちなみに今世でも性癖はそのままなわけで。

うん、死にたい。

早く殺してもらいたい。


女の子に性癖がばれるのってこんなに恥ずかしいのね。

勉強になります。



「ねぇ、聞いてる?」


「あ、ごめんなさい。」

 

「私は魔王の1人娘なの。これはあなたの記憶にはなかったわ。」

 

「娘?え。魔王に娘?」

 

確かに、記憶にない。

そもそもの話、エレナって人間にしか見えないけど。

魔族ってことだよね。


待って!?

魔王の娘に記憶見られたの?

勇者についても知られたよね。

いや、って言うかこの世界のこと大体全部だよね。


異世界転生したら自分がS級戦犯でした。

この世界の民には悪いことをしたと思っています。

でも謝りません!

私は被害者側です。

この世界に来てからいいこと1つもないし!



「アウロには、特別に見せてあげるね。」

 

エレナの体が光りはじめた。


体が少女から、完全に大人サイズに変わる。

服大丈夫なの?とか思ってると服のサイズも変わった。

原理知りたい。何それ。ちょっと残念。


あ、尻尾が出てきた。

ズボンに入りきらないのか、背中の方から見えた。触りたいあれ。

 

「どう?大人の姿は??」

 

「あ、はい。えっと、すごいですね。」

 

変な返事をしてしまった。

今の状況が理解できなさすぎて脳が思考を放棄してます。


なんて答えたら正解なのそれ?


強そうですね?女性が言われて嬉しいかなぁ。


エロいですね?不敬罪で殺されそう。


あれか。

この姿でお前を殺してやるぞ的な意味で変身したのでは。


正解は謝罪だったかも。

殺さないでーっていうべきところだった。

間違えたわこれ。

だって魔物であることを人間に言う必要ないよね。

何のために?

あ、知識を貰ったお礼的な?

もうあなたに価値は無いわ。で殺される流れだ。


短い異世界人生でした。

来世は恋愛系のゲームに転生したいな。

理不尽な死の危険性が低い世界がいい。




「アウロ。私じゃ不満??」


「は?」


思いもよらない返答がきた。



「え?えっと。どういう意味でしょうか。」


「私のこと可愛いんだよね?」


ん?え?

何?この展開?


「か、可愛いです。すごく。」

 

「記憶で見たけど、ここにいたら危ないから一緒に逃げようとしてくれたんだよね?」


「あ。はい。」


確かに。それは間違ってない。


「私と結婚したいって思ったよね?」


「あ。はい。」


確かに。それも間違ってない。


「じゃあ、私が結婚したいって言ったら両思いだから結婚できるよね?」


何が起きているのか、理解できないアウロ。


「え?」


「私と結婚して。」


「え?」

アウロは完全に思考が停止した。


「ねえ。アウロ?……あれ。完全に固まっちゃった。」


……まあ、いいや。

もうアウロに伝えたし。

拒否権は無いわけだし。

嫌っていってもするし。

私は魔王の1人娘なのです。

1度決めたらやり遂げます。


「かぷりー。」


慣れた動きで、右首に噛みつくエレナ。

アウロは完全に無抵抗でまた眠りについた。

ちょっと心配。

まあ自分がそうしたんですが。



さてと、じゃあ、はじめますか。


えっとまず、アウロは縛り上げて眠らせてるから大丈夫。

儀式のためには、祭壇がいるんだよね。

魔法で作ろう。


一瞬で、祭壇が土から出来上がる。


まあ、土で出来てても問題ないでしょ。

形だけで。


で、アウロをここに置いて。

えー。

私の血を飲ませます。

ほんとは一滴でいいけどドバドバ飲ませた。

愛だね。うん。

アウロの顔色めっちゃ悪いけどまあいいや。


最後に私の魔力を流し込みながらアウロと一生を添い遂げる契約を結んで……。

あとこの契約とこの契約も……。

あ、この世界が終わったあとも契約継続できるのかな?

アウロと一緒だと転生できる可能性もあるよね。

それかアウロの元の世界に行けたりするかも。楽しそう。

めちゃめちゃ濃い魔力にして契約しとこう。 


……。


よし。契約終わり!


相変わらず、アウロは死にそうな顔でうなされている。

魔物の血をドバドバ飲まされ、アウロには異物である魔力を体内に入れられたのだ。

普通死ぬ。

今日はもう起きないだろう。


「明日から楽しくなるね。アウロ。」


エレナはめちゃめちゃ上機嫌である。


こうしてアウロは、寝ているうちに契約を結ばれ、魔王の1人娘のエレナと結婚した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ