47話
次の日。
本当にサーフィさんが様子を見に来た。
魔道具ってすごい。
やっぱり、普通の人に見えるな。サーフィさん。
人は見かけによらないね。うん。
それで、お隣の女性はどちら様?
「久しぶりね?ルーシー。」
「元気そうでよかったわ。マリ。」
この人がこの国の王女か。
綺麗な人だなぁ。
でも、目が気になる。
真っ赤なんだよね。
寝不足かな?
やっぱ忙しいよね。王女って。
それにしても、何しに来たんだろう。
「2人で話せるかしら?」
「いいわ。私の部屋に来て。」
え、サーフィさんと一緒にされるの?
この危険人物と2人きりにしないでもらえる?
斬られるんです。この人に。
理由が分からないのが怖い。
あれ?もしかして。
斬られるのこのタイミングか?
今日の夜この王国から逃げる予定を立てている。
成功したら、もう会わないよね?
「アウロさんはいつまでこの城にいる予定ですか?」
「……。そうですね。記憶が戻るまではここにいようかなと。」
ランプが赤く光る。
「あれ、嘘みたいですけど?」
いきなり魔道具出さないでもらえますか?
それは卑怯じゃない?
友達いなくなるよ?
その魔道具使ってると。
いやー。失敗した。
どうするか。
「マリ姫の奴隷なので、勝手には出て行けませんから。」
ランプが青く光る。
ちょっと誤解される言い方になっちゃった。
私は奴隷です!に対して、魔道具が正解!みたいになった。
何か嫌だな。
「ということは、マリ姫次第だということですか?」
「出て行けと言われたら出て行きますよ。」
ランプは青く光る。
何とかなったか?
それっぽく誤魔化したけど。
「じゃあ、最後に。なぜ最初に嘘をついたんですか?」
はい終わったー。
めんどくさいこの人。
なんでここまで頑張って誤魔化したのにそういうことするの?
どう答えてもランプ赤くなるよね?
だって、明日出て行きますとは言えないじゃん?
アウロが必死に返答を考えていると、後ろから爆発が起こった。
「えっ!?何?」
マリの部屋からじゃない?
なんで?
ちなみに、サーフィさんもめちゃくちゃ驚いてる。
「アウロ。やりなさい!」
マリの声が聞こえた。
アウロは即座に窓から飛び出した。
なぜ、すぐに飛び出したか?
事前に打ち合わせをしていたからである。
~1時間前~
「アウロ。サーフィが来たときに襲われる可能性も0ではないわ。」
「魔道具で見た未来がいつ起きるのかはわからないから仕方ないね。」
「そこで!緊急時はこの魔道具を使います。」
「何これ?動物の羽?」
「何の羽かは知らないわ。これを使うと瞬間移動できるの。」
すごくね?
「どの場所に移動するかは指定できないけどね。」
「でも1人しか使えませんね。」
「と思うじゃない?」
「はい。」
「なんと2つで1セットの魔道具です。」
「……つまり?」
「別の人間が持ってても同じ場所に移動できるわ。」
これ使えるな。
逃走用アイテムじゃん。
すばらしい。
「もしやばい状況になったらアウロが相手の気を逸らしなさい。私が発動するから。」
「具体的にどう相手の視線を奪ったらいいの?」
「窓をぶち破ったらいいんじゃない?」
……。
時は進み、アウロが窓から飛び出した瞬間に戻る。
アウロとマリはその場から消滅した。
「……。ルーシー王女。使えませんね。時間を稼げとしか言ってないのにそれも出来ませんか。」
「……申し訳……ありません。」
先ほど爆発のあったマリの部屋から真っ赤な目のルーシー王女が出てくる。
「それにしても、あの2人。準備していましたね。ルーシー王女を操ればマリは油断すると思ったのですが。」
「……。」
「まあいいでしょう。ルーシー王女は私の支配下にあります。王女の命令ならあの2人を指名手配にすることなんて簡単なこと。」
サーフィは不気味に微笑む。
「マリ姫。君も、もうすぐ私の物になる。絶対に逃がしはしない。」
サーフィは割れた窓をじっと見つめていた。




