42話
「それで、どうしたら死刑にならずに済みますかね?」
アウロはマリ姫に問いかける。
「そうね……。そうだわ!この城で奴隷として働いて貰うわ。死刑じゃないだけありがたいと思いなさい!」
「はぁ。わかりました。」
「アウロさん!?よろしいんですか?」
サーフィさんにめちゃめちゃ驚かれた。
「記憶もないし、帰る場所も分からないので、一旦はそれでもいいかなと。」
「一旦じゃないわよ!永遠に奴隷よ!!」
サーフィさんが呆れた様子でマリ姫を見つめている。
「まあ、その辺はまた考えましょう。」
「またなんかないわ!!」
「アウロさん。空き部屋に案内しますね。」
サーフィさんに案内してもらう。
「ちょっと?まだ話の途中なんだけど!ねえー……。」
追っては来なかった。
「何でマリ姫さんはあんな感じなんですか?」
サーフィさんに聞いてみた。
何かしら理由があるよね。
「もともと、マリ姫はこの国の王女候補でした。ですが5年前に両親を魔物に殺されてからずっとこの城に引きこもっている状態で……。外の人間とは誰とも仲良くしません。マリ姫は男性が昔から苦手だったのですが、魔物の事件以来それが悪化しまして。私以外の男性が自分に関わると死刑にしたがります。」
「サーフィさんには普通なのは?」
「一応、幼い頃からの友人ですので。でも、意外だったのが何故かあなたをこの城に住ませようとしてることなんですよね。」
「確かに。男性嫌いならわざわざ自分の住む城に留まらせようとしませんよね。」
謎である。
まあ、自分にとっては住む場所を提供して貰えるのはありがたいのでそこだけは感謝しよう。
「着きました。この部屋です。」
え、なんか超豪華な部屋。
「私はこの後も仕事がありますので。また何かあれば気軽に声かけて下さいね。」
そう言うとサーフィさんは去っていった。
「はぁ。自分は一体何者なんだろうか?」
記憶が全くないので元の性格すら分からない。
知り合いがいなくて逆によかったかな?
部屋に置いてある本を読んでみる。
「読める。文字はわかるみたい。」
普通に生活するだけなら支障はなさそう。
でも書いてある単語の意味が分からなかったりする。
「伝説の勇者が魔王を討伐し……。勇者?」
何だろう。勇者って。
なんか、一部の単語の意味がわかんないんだよな。
魔王も何なのかわかんないし。
もういいや。
わからんものはわからん。
しばらくして、部屋のドアを叩く音が聞こえた。
「はい。……えっ。マリ姫!?」
「奴隷。話があるわ。」
奴隷呼びなんですねー。
何の相談なんだろ。
あれ?
マリ姫って男性嫌いで部外者嫌いじゃなかった?
なんで部屋に……?
アウロは状況が全く飲み込めない。
仕方なくマリ姫が話すのを待った。




