4話
魔王城周りを囲う森の中に、ぴよぽんの里の入り口がある。
これが、意外とすぐに見つけられた。
里の中に入ると、ぴよぽんがいっぱいでてきた。
ぴよぽんはマスコットキャラ的な妖精だ。
イメージとしてはひよこを犬ぐらいの大きさにした感じ。
めっちゃ癒される。
しかも、近づくと治癒してくれる。
1家に1匹欲しい。
このキャラクターだけひらがな表記だったのはゲームスタッフのこだわりなのだろうか?
ここまで一睡もしていないアウロは体力が限界だった。
横になれる場所で休ませてもらうことにした。
この隠しエリア内は魔物が発生しない場所……のはず。
たぶん、ぴよぽん以外のキャラはいなかったと思うけど。
限界だったアウロはそこで意識が途切れた。
……。
目が覚めると周りにはぴよぽん達が輪になるように一緒に寝ていた。
それはあまり気にならなかった。
問題は今、真横ですやすや眠っている女の子についてだ。
しかも何故か腕を完全に掴まれて寝ている。
同い年ぐらいだろうか?。
そういえば、このゲームにはタイムアタック機能がついていた。
ゲーム開始から15時間以内にこの場所に辿り着いたら隠しキャラが仲間に……なるんだっけ?
記憶があやふやだなぁ。
でも隠しキャラの情報は攻略サイトにも載ってなかった気がする。
このゲーム結構ボリュームあって、クリアするのに初見だと100時間は余裕でかかる。
序盤の魔物は経験値が全く入らない割に倒しにくい。
中盤のボスは回復薬ドーピング野郎がひたすら回復し続け、受けループしてくる。
後半のダンジョンは完全ランダム生成で運が悪いと魔王城よりも攻略が難しくなる鬼畜仕様。
製作スタッフのブログかなにかに書いてあった情報を元に攻略民達が頑張った結果、発売から半年後にやっとキャラクターの画像だけ出回ってた記憶が。
あれ、なんで画像だけだったんだっけ?
普通、キャラクターのステータスとか、そのキャラクターの紹介とか載ってるよね。
うーん。思い出せない。
そんなことを考えていると、横の女の子が目を覚ました。