28話
カレンは、目が覚めるとあの屋敷の中にいた。
「あれ、どうして。」
「あ、やっと起きましたね。カレンさん。」
フィーネさんに声をかけられる。
なんと、私は誘拐されていたらしい。
え、いつの間に!?
確か、スラに槍を買ってあげて……。
その後の記憶が無い。
「それで、どうしてまたこの屋敷に?」
「今、私たちはカレンさん含め全員が魔王に命を狙われています。」
「う、うん。」
「なので、エレナお姉さまと相談しました。」
「うん。」
「この屋敷を持ち運んで要塞にして、夜を安全にします。」
「……ん?」
うん?
屋敷を持ち運ぶって言った?
この子説明下手よね。
え、私が理解力ないのかな?
「そこで、カレンにお願いがあります。」
この屋敷に向かって、この光魔法を唱えてと言われたので指示通りやってみる。
「……。これでいいの?」
「あ、成功です。さすが勇者ですね。」
戦闘系の魔法以外なら今の所練習無しで全部成功してる。やっぱ勇者っぽくないよね。私。
「これでどうなるの?」
「屋敷を自由に持ち運べるようになりました。あとは、収納した時に自動で小さくなります。」
「ほー。」
めっちゃ便利じゃん。凄い。
自分でやったのに、感動してる。
「注意点は中に誰かを取り残したまま収納しちゃうと収納から出すまで閉じ込められちゃうことですかね?死にはしませんけど。」
「逆に誰かが負傷したら中で休ませれるのね。全員が出来たらかなり便利ね。」
「収納魔法って光魔法なのでエレナとスラは使えませんけどね。」
さすがに無理か。あれ?
「ん?フィーネは使えるの?」
「あっ。」
フィーネはしまったと言う顔をする。
「エレナに内緒にしてくださいね?」
もしかして、エレナよりフィーネのほうが強いのかな?
光魔法って一応魔族キラーなんだよね?確か。
「ねえねえ。フィーネとエレナってどっちが強いの?」
「どっちだと思います?」
「光魔法使えるしフィーネなんじゃないの?」
「ここだけの話、エレナって光魔法の耐性あるんですよ。私との契約の一つでそうなったんですけどね。あ、このことは誰にも言わないで下さいね。さっき戦った相手も光魔法の結界が発生するアイテムを持ってたみたいなんです。でも、お姉さまが『それがあったら勝てないわ〜』って芝居してたので。ちょっと笑いそうになりましたけど。」
「なるほど……。」
「と、言うことで。お互い互角ということになってます。フルでやりあったら多分ぎりぎりお姉さまのような気がします。」
私、本当にこの2人と戦うことにならなくてよかったわ。
今後、もし戦うことになったら敵前逃亡しよう。
いのち大事にしよう。
仲間集めても勝てるビジョンが浮かびません。




