27話
「お姉様。あの魔物おかしくないですか?ここまだ始めの町から次の町に向かう道中の洞窟ですよね。」
「あれ……。もしかしてあいつ、キャピスじゃないかな。魔王デデンの手下の1人じゃない?確か4人いたわよね。強いのが。」
「え、本来なら戦うの最後の魔王城じゃないですか。」
「確か回復無しで4連戦じゃなかったかしら。」
「そしたらここで潰しますか。楽になりますし。」
「あの、お二人?呑気に会話してすごい余裕ですわね。どちらから相手してもらえるのかしら?」
「初めまして!私こう見えて、魔王の1人娘なんですよね。あまり舐めない方がいいですよ。キャピスさん?」
「!?」
キャピスは驚愕する。
何故、勇者と一緒に魔王の娘がいるのか。
そもそも前魔王に娘がいたことさえ知らない。
が、確かに魔王の娘で間違いなさそうだ。
前魔王のオーラが感じられる。
「何故、あなたが生きているの?2年前に前魔王はデデン様により封印され、前魔王派の者は全員処分されたはず。」
「あ、やっぱりデデンの部下のキャピスだったわ。何で生きてるって言われてもなぁ。デデンの詰めが甘いよね。」
「まあいいわ。ここで勇者と一緒に……。いや、あなたの魂を取り込んだら私がもっと強くなれるわ。」
「よく勝てる気でいるわね。しかも、私、戦わないわよ。」
「え?」
「お姉様。面倒になると丸投げする癖は治しましょうね。」
「いや、今の魔力が足りない私じゃあれはしんどいわ。どうせ光魔法の結界を出すアイテム隠し持ってるから。」
「それであんなに余裕な感じなんだ。仕方ありませんね。じゃあ、サクッと終わらせますか。」
フィーネがキャピスの前に立つ。
「それでは。お手柔らかによろしくお願いします。」
キャピスは身構える。
魔王の娘のほうがきたら、光魔法の結界を出そうと思っていたことがバレていたことは正直驚いた。
しかし、こっちの女さえ倒してしまえばもう勝ちなのだ。
簡単すぎる。
魔王の娘が敵わない相手になぜ勝てると思うのか?
デデン様から頂いた力でこの辺りのエリアでは負け無し。敵無し。
勇者に気付かれず、麻酔バリを打って無力化することも容易な私。
こんな弱そうな人間に負けるわけがない。
フィーネは魔法を唱える。
その瞬間、辺一面に張ってあった蜘蛛の糸が全て消滅した。
「は?」
意味がわからない。
何が起きたのか。
その隙に、エレナが走り出す。
すごい速さでカレンとスラを回収する。
「さて、人質もいなくなりましたし、全力で潰しましょうか。」
「ちょっと待って。何なのあなた。このエリア張り巡らせた糸を全部消せる人間がいるわけないわ。」
「あら。自己紹介がまだでしたね。私、元妖怪で2000年の眠りから最近目覚めましたの。魔王より強いかも知れませんね?」
聞いてない。
こんな化け物。
まず、妖怪って何?
新しい種族か何かなの?
この世界で生きてきて初めて聞いた。
私は知らない。やばい。勝てないかも。
キャピスは勇者を捕らえる時に操っていた男3人組を魔法で呼び出した。
3人に命令し、フィーネに向かって突っ込ませる。
「こんな人間達じゃ相手にならないですよ。」
3人とも峰打ちで倒したフィーネ。
しかし、その間にキャピスは道を糸で塞いでいた。
そして、この場から全力で逃げ出したのだ。
「あ、やっちゃった。お姉様ごめんなさい。逃げられました。」
「まあ、勇者が無事だったしいいんじゃない?」
「でも、私達の情報あげちゃったのはミスですね。殺すつもりだったので喋りすぎちゃいました。」
「それにしてもフィーネって魔法結構使ってるけど魔力減らなさすぎじゃない?」
エレナはフィーネと魔力を共有しているので大体の魔力量がわかるが、初級魔法ぐらいの減りしかない。
「まあ、そこは秘密ですね。」
フィーネには、魔力消費量を10分の1にする固有スキルがある。
エレナには出会った時から内緒にしている。
バレたら絶対めんどくさいからである。
エレナの代わりに、私に魔法いっぱい使わせようとするもん。絶対。
「むぅ。まあ、いいや。ありがとうフィーネ。助かったわ。何かお礼しないとね。」
「じゃあ……。今日はエレナが抱き枕になって貰いましょうかね?」
「何?抱き枕って?……!?なんか凄い今ゾワっとしたわ。」
「思い出さない方がいいかも知れないですね。ふふ。」
こうしてカレンの救出に成功した。




