22話
「まず、ちゃんと自己紹介しましょうか。私はフィーネ。元妖怪で今は人間やってます。で、あの人任せなお姉さまがエレナ。魔王の娘です。ここまでで質問はありますか?勇者カレンさん。」
「えっと、うん?理解できないけどとりあえず飲み込んだわ。」
勇者ってばれてるんだ私。それでさっきじっと見られてたんだ。
「それで、私たちを殺そうとかはないの?魔王の娘と勇者って敵対してないの?」
「んー。ややこしいなあ。……なんでお姉さまが説明しないんですか?」
「めんどくさいから。」
「はあ。カレンさん。1回しか言わないのでちゃんと聞いてくださいね。」
フィーネさんの話によると、まず私は魔王を倒すために勇者として選ばれたらしい。
やっぱりそうなんだ。
で、ややこしいのがここから。
私が倒す魔王はエレナさんのお父さんに成り代わった偽物魔王。
エレナさんのお父さんはその偽物に封印されてるらしい。
もしエレナさん達が今の魔王を倒してしまうとすると、歴史が変わってカレンさんのお父さんが私と戦うことになるかもしれない。
となると私とエレナさん達が戦うことになるのでそれを避けたいらしい。
そこで、陰から私を護衛して魔王討伐まで見守る計画だったとか。
問題が起きたのは今日。エレナさん達はアウロさん?って人とはぐれたらしい。
優先順位はアウロさんが全ての事柄において1位らしい。
正直、世界が滅びてもいいぐらいには最重要みたい。
それで見守るのが難しいから一緒にアウロさんを助けて魔王城に向かうらしい。
「こんなところですかね?カレンお姉さま補足ありますか。」
「あ、アウロは未来が見えるの。ちょっと違うけどそこもややこしいからそういうことにしといて。」
「なるほど。それで私が勇者だと分かったんですね。」
なんかアウロさんがすごい人なのは伝わった。
「それで、一緒にというのは?どこまで?」
「私達があなたたちと一緒に魔王を倒すわ。」
ええ!?いや、ありがたいけどいいのかな。
「でも、私が倒さないと駄目なんじゃ。」
「いろいろあったのよ。フィーネに出会っちゃったし。」
「あと、カレンさんが魔物を連れてるからですよ。」
「あ、スラのこと?」
「そうです。アウロの予知だと魔物パーティルートに入ってしまってるんです。」
魔物パーティ?ルートってなんだろう?
カレンは、ぽかーんとした顔をしてしまう。
「あ、えっと。お姉さま。なんて言ったら伝わりますかね?」
「うーん。こうかな? いろいろな可能性の未来を見たけど、今カレンさんが進んでいる道は仲間が魔物だけの茨の道なの。」
え、人間が1人も仲間にならないの!?
ちょっと期待してたのにな。恋愛的な。
「でも、これから向かうヤンの町で募集しようと思ってたんですけど。」
「スラが、人間を仲間にしても食べちゃいますよ?」
まじで!?
「え?私そんなことしないですよ!!」
「フィーネ。その言い方は誤解があるでしょう。」
「でも事実じゃないですか?カレンさんって女勇者なので魅了のスキルがあるんです。で仲間になった人間がみんな下心持っちゃうので、スラが激怒して食べます。きれいさっぱり。」
複雑だわ。
スラに怒れないし。
でも私のせいじゃないかなこれ。
なんとも言えない。
何、魅了のスキルって。
いらんでしょ。勇者に。
「もしスラがいなかった場合、ドロドロの恋愛バトルしながらの旅でしたけどね。カレンさんを取り合う男達の熱い戦いが……。」
「あ、もうその辺で大丈夫です。はい。」
いろいろとありすぎ。
なんか疲れたな。
情報量が多すぎる。
スラはなんかエレナさんに頭なでられて溶けてる。
さすが魔王の娘。魔物の扱いが上手い。
まだ聞きたいことしかないけど、今日は一旦いいかな。
もう頭に入らないや。
「えっと、それじゃあ魔王討伐に向けてよろしくお願いします。」
「こちらこそよろしくお願いします。」
フィーネさんがエレナさんの代わりに挨拶してくれた。
エレナさんはスラに夢中である。
スラ。お願いだから失礼なことしないでね。
殺されるよ?絶対勝てないからね。
私助けられないからね?
ほんとにお願いします。
こうして、勇者パーティにエレナとフィーネが加わった。




