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2話

アウロは、装備品を確認した。


そこらへんの木の棒。

水が入った水筒みたいな入れ物。

この2つである。


服装は普通の村人の服装。

動きやすいよね。それくらいしかないかな。

小屋の中には、ほんとに何にも無かった。

いや、そりゃアウロの魂も天に帰るわ。

そもそも食べ物無いじゃん。料理する道具も無い。

なんか、RPGゲームの最初の家みたいに何も無い。

生活感が無い。

まあ、ベットあるだけいいかな。

ただの小屋だしね。うん。


小屋から出発したアウロは周りに人がいないことを確認する。

付近で狙われているかもと思ったが幸いにも今は誰もいなかった。

右側と左側は歩くのに困らず進めそうな場所があるが、あえて草木が生い茂った前の方向に進んでいく。

道無き道を草を掻き分けて進む。

虫が気持ち悪いが仕方がない。

絶対に自分は狙われているのだから少しでも生き残れるよう我慢しよう。

虫、嫌だなあ。しんどい。つらい。



2時間ほど歩いただろうか。

やっと森を抜けた。


目の前には村らしきものが小さく見えた。

近づくにつれて、それはもう人が住める場所ではないことが分かる。


「誰か、いませんかー?」


アウロは一応声を出してみる。

声が返ってきても自分を狙う魔物だったら終わりなのだが。

ほんの少しだけ被害が抑えられた家らしきものはあるが人の影は見えない。

村の畑に見たこと無い果実があった。

試しに食べてみたらそこそこ美味しかった。


それからも探し回ったが結局、村があった場所にはもう誰もいなかった。

そんななか、いいことが2つあった。


食べ物が手に入ったこと。

もうひとつは、この世界の地図を見つけたのだ。


家に掛けてあったものが燃えたりせず奇跡的に残っていた。

その地図を見て、あることに気づく。


「なんか見たことがある……」


この地図に見覚えがあるのだ。前世の記憶で。


「これ好きだったゲームの世界の地図とまったく一緒だ。」


前世で高校性の頃、RPGゲームが流行していた。

誰かと一緒に、発売日の当日並んで買った記憶を薄っすらと思い出していた。

あれ、前世の死のときも同じ人間が隣にいたような……。思い出せない。

仕方ないので、ゲームのことを思い出そうとする。


このゲームは珍しく現実世界からスタートする。

確か、敵から逃げている最中に崖からおち……て。あれ?

いや、たぶん気のせいだろう。

前世の死と状況が似ている。

崖から落ちて死んだ後、この世界に転生した少女は勇者となり仲間達と世界を旅して魔王との戦いに望む。みたいなゲームだったはず。


ん?間違えて連れて来られました?

アウロというキャラクターは知らない。

仲間キャラでもない。やっぱり、モブキャラかな?


地図をもう一度見る。

勇者達の冒険が始まるのは、始まりの町ルーン。

そして今自分がいる場所はオース王国の近く。

地図の端と端である。

あ、もう勇者と会うことはないわ。


オース王国という名前にあんまりピンとこなかった理由が、ストーリーとほとんど関係ない国だったからだ。

ゲーム画面からはいけない場所だった。

MAP上にあるけど入れない場所みたいなイメージかな?

ここから一番近くて、安全な場所を考えた。

が……そんなものはない。


はじまりの町ルーンと正反対の位置にあるこの場所は、物語では最後に訪れるエリアである。

今いる村を進んでオース王国の反対側にいくと魔王城にたどり着いてしまうのだ。

魔王城の周りは森。

その外側は円状の湖。

さらにその外側は砂漠。

草原が少しだけあってあとは全部海。

ちなみにオース王国の後ろ側も海である。

船とかあるんかな?


魔王城にたどり着くには草原にあるダンジョンの中の転移装置を使って向こう側の大陸から来るしかない。

逆もそれしかない。


この大陸にはオース王国、小さな村が数箇所、そして魔王城という構成になっている。


魔王が復活したらオース王国滅ぶんだろうな。

逃げ場所無いじゃんこの大陸。

海も魔物がいっぱいで渡れないとかでしょ。

きっと。


まあ、どうせ一度死んで転生したんだから最後まで足掻いてみよう。


記憶の片隅にある最後の希望に賭けて、アウロは村があった場所から魔王城の方向に向かって歩き出した。

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