19話
宿屋を後にし勇者カレンは町のはずれにあるロー草原へ向かっていた。
「はあ。あんまり体力自信ないけどこれからずっと歩きっぱなしだよね。」
不安しかない。
たまに遭遇するスライムを倒しながら進む。
すごい弱い。私でも倒せる。
そんな中、1匹だけ変なスライムに遭遇した。
こちらに向かってくることなくジーと見ているだけ。
無視して通り過ぎると、それからずっとついてくるのだ。
「なんか好かれてるのかな?」
歩くのをやめるとスライムも止まる。
可愛いなこの子。
そんな時、前方の茂みから化け猿が現れた。
「!? やばいっ」
とっさに回避できたが、攻撃が素早い。
不意を突かれた為、魔法を撃つ時間が稼げない。
大きく振りかぶって拳で殴ってくる。
剣で押さえ込んでいるが、力の差がありすぎてもう押し切られそうだ。
……後ろから何かが飛んできた。
あのスライムだ!
スライムは化け猿の目にぶつかる。
カレンは化け猿が怯んだ隙に魔法を放つ。
「ホーリーフラッシュ!」
光の玉が化け猿に当たる。
化け猿は呻きながら背中から倒れて動かなくなった。
「ふう。ありがとう」
この子のおかげで助かった。死ぬかと思った。
スライムは化け猿を吸収してほんのちょっとだけ大きくなった。
じーっとこっちを見ている。
どうしようかなこの子。
あ。そうだ。光魔法に魔物と友達になる魔法が……。
本を取り出し魔法を唱えるカレン。スライムが光に包まれて……人間の姿になった。
「え。あれ。魔法間違えたかも。あ、途中から読むページ間違えてる。」
やってしまった。なんか2つの魔法を上半分と下半分繋げて読んじゃった。
そして、スライムだった何かは喋り出した。
「名前……くださ……。」
「え、名前?うーんと スラちゃんでどう?」
「あり……と……。」
スラはさらに光り出し、完全に人間の女の子の姿になった。
ちなみに服はちゃんと着ている。私の服とほぼ一緒だけど。
「私はスラ……。あなたの為……何でも……ます。」
「いややめて!そんなつもりじゃなかったのに。ごめんね。」
「あなた……私の親。私あなたについて……いく。」
なんか喋りがぎこちない。
でも人間の言語理解できてるのすごい。
まずは私の名前を覚えてもらって、他のことはその都度教えてあげよう。
なぜかわかんないけど、仲間が増えました。




