16話
「エレナは体調大丈夫なの?」
「フィーネの魔力のおかげで大丈夫です!」
契約のおかげで枯渇していた魔力も戻ったみたい。
「でも、あんまり無理しないでね。今後は転移魔法はやめとこうか。」
「そうですね。アウロが言うなら。」
エレナが珍しく素直だ。
まあ、死にかけたわけだし。
フィーネとじゃなかったら死んでたよね。
「ところで、お兄様。ここからどうやって出ます?」
「ん?普通にこの部屋から出て入口を目指したらいいんじゃないの。」
「えっとですね。残念ながらここは入口と出口がありません。」
「なんで?一応道はあるみたいだけど。」
「没マップなんです。お兄様が私の封印を解いてくれた岩あるじゃないですか?あれって本来は隠しボスのフィオ・フィーネって龍が出てくるはずなんですよね?お兄様の記憶によると。」
「あ、没にしたフィーネのイベントをもとにして隠しボスのフィオのイベントが作られてるってことか。」
「いらなくなったエリアのデータと没の私だけ変なところに残ったんでしょうね。私いらない子です。」
悲しくなるなぁ。
ここに来てなかったら一生封印されてたのか。
「フィーネは可愛いからこの世界に必要です。」
「お兄様。あなたの妹になれて幸せです。」
いや、無許可だけどね。
勝手になってたけど。
それで、隙を見て背中に胸を押しつけるな。
本当の妹だったらそんな色仕掛けしないからね。
って言いたいんだけど、妹じゃないもんな。
すごい、困る。
それにしても、エレナの転移魔法で飛んだ場所が奇跡すぎる。
そんなうまいこと没エリアに飛ぶかな?
「アウロ。どうするの?」
エレナがアウロに問いかける。
「エレナ。転移魔法の使用を許可します。」
「さっきと言ってること真逆なんだけど。」
仕方ないじゃん。
だって詰みエリアじゃん。
食料問題でみんな死にます。
「緊急事態だし、仕方なくない?」
「ちなみに、契約でお姉様と私の魔力は共有されています。なので、転移した後はアウロお兄様頼りですよ?」
「え、まって。もしかして、近場に移動するだけで動けなくなったりするの。」
「3人っていうのが問題ですね。使用者だけなら全然余裕ですよ。」
「はい。ごめんなさい。」
このパーティには1人転移魔法が使えない無能がいます。
ぼ く で す 。
「まあ、ここにいても仕方ないですし。お姉様やりますか。」
「そうね。はい。アウロ。抱きついて?」
無能なので文句言わず抱きつきます。はい。
「フィーネはアウロの……背中にくっついてね。」
「はい!えへへ。アウロの匂い好きー。」
なんか、フィーネもエレナに似てきてない?
喜びが隠し切れてないよ?
それと、匂いがどうとか口に出して言い出したらもうおしまいだよ?
「あれ。そういえば。もともとはフィーネの魔力を使うのにエレナがやるの?」
「人間が使うと副作用ありますよ。腕がもげたりとか。」
こっわ。絶対覚えないわそんな魔法。
「私、微妙に妖怪残ってるので大丈夫だとは思うんですけどね。でもお姉様が優しいので甘えさせて頂きます。ふふ。」
フィーネが怖い。
後ろから服の下に手を入れてきてる。
これ男女が逆だったら、前世だったら犯罪だからね?
異世界はどうか知らないけど。
エレナ早くして。お願い。
「じゃあ、行きます!」
3人は光に消えていった。




