14話
「あのー。会話出来ますか?」
「お主らは一体何なんじゃ?いきなり光の中から現れたと思ったら世界が終わったみたいな絶望した顔をして。女のほうはフラフラじゃし。」
みなさまどうも。アウロです。
今、命を懸けて幼女と対話中です。
幼女なのに「じゃ」とか「お主」とか言ってます。
とりあえず、会話は出来ているのでひと安心です。
「えっと、フィオ様ですか?」
「なぜ知っておる。我の名はフィオ・フィーネ。この地に封印された妖怪じゃ。」
あれ?そんな設定だったっけ?
いや、絶対違うな。
「アウロ。記憶の隠しボスじゃないです。アウロの記憶のフィオって龍でしたよね?今見えてるのはどう見ても幼女です。」
「ほう。その龍の姿というのは、我の一族の守護霊のことかもしれん。勇者が再びこの地に現れ、世界を救った際には手合わせしたいみたいな言い伝えを聞いたことがあるぞ。」
妖怪の守護霊って何。
あれ?……。フィーネ?
「エレナ。フィーネって没キャラの記憶見た覚えない?」
「あ!見ました!隠しボスの参考資料に書いてましたね。出そうと思ったけど容量不足で削られたやつ。」
「没キャラとか隠しボスとか一体何の話なんじゃ。我にも説明しろ。」
うーん。説明がめんどくさい。
あ、もう見てもらおうか。
どっちみち戦闘になったらエレナと一緒に殺される可能性大だし。
「フィーネ様。記憶を辿れる魔法が使えますか?説明が難しいので。」
「それがな。この場所に封印されていて魔法が何も使えんのじゃ。この数十メートルしか動けんし。」
あれ。なんか今のところ害なさそうじゃない?
うーんどうしよう。
でも助けてあげるしかないよね。
ここからエレナ抱えてレベル90の魔物から逃げながら帰れないし。絶対無理。
封印……あ。
岩壊すギミックの記憶がある。
ほんとは、龍のボスにたどり着くまでのギミックだったけど。
それのことかな。
「あの岩っぽいな」
「アウロ。腕に力を込めながら風をイメージして前に腕を出すと衝撃波が出せますよ。」
お、初めてエレナが魔法教えてくれた。嬉しい。
「えいっ。」
想像よりすごいパワーの衝撃波が出て岩は消滅した。
「う……動けるぞ!!やったー!お主達は我の恩人じゃ。」
めちゃくちゃ嬉しそうな幼女姿のフィーネ。
「じゃあ、見ますか?」
「わかった。…………なんかお主魔法の効きが悪いな。」
「あ、アウロは噛み付いて流し込んだほうがやりやすいですよ。右首は私専用なので左首なら噛んでもいいですよ。」
「ほぅ。わかった。」
「いや、え。何を流し込むの。え。エレナさん?ねえ……。」
「がぶっ。」
フィーネに噛み付かれた。痛い。
あれ?やっぱりエレナに噛まれた時だけゾクゾクする気が。
絶対、僕の体に変なことしたな。
それに、この前キスした時のエレナの反応もおかしかったし。
契約云々が怪しいな。
今度問い詰めよう。
「がぶりー。」
エレナに噛み付かれた。うん。こっちはゾクゾクするのよね。
で?何故、エレナが噛み付くの?
「エレナ?何してるのかな?ねえ。」
少しずつひりひりしてきた。
なんか麻痺みたいな症状でるんだよな。
エレナに噛まれると。
ひどいときは体が硬直してしゃべれないし。
あの。エレナさん?
えっと。
すみません。
血が足りません。
ふらふらしてきた。
女の子2人に噛み付かれながら死にそうになってます。
気分悪くなってきた。
無理だ。
おやすみなさい。
アウロは気絶するように倒れた。
「あ、ごめんねアウロ。つい嫉妬で血を吸っちゃった。しかも結構いっぱい……。でも、気を失ってるからもういいか。吸い尽くそう。」
謝りながらもう一回吸い始めるエレナ。
その横でフィーネはアウロの記憶を辿っていた。
「なるほどのう。……そういうことじゃったか。ふふ。おもしろい。」
こうしてフィーネもアウロの記憶を共有した。




