10話
夜になりました。
晩ご飯はお昼の残りです。
明日、転移魔法で始まりの町ルーンへ旅立ちます。
勇者を手助けする旅の始まりです。
モブに助けられる勇者ってどうかなと思います。
まあ、勇者が優秀だったら見てるだけなので問題ないかな。
「そういえば、エレナ。デデンを自分で倒さなくてもいいの?」
育ての母親を殺されたとか言ってなかった?
「ここでの2年間は復讐したくてずっと修行していました。死ぬほど殺したかったのは事実です。」
「そうだよね。」
「でも、デデンを殺すと、勇者は私の父と私と戦うことになる可能性があります。」
「そうなるのか。」
「だから、勇者にデデンを殺してもらわないといけません。アウロの記憶でデデンが苦しみながら死ぬ姿を確認できたので、私が殺さなくても最終的に死ぬなら問題ありません。」
「なるほどね。ちなみに、光魔法とか光属性の結界がある状態でデデンに今勝てるの?」
「勇者以外なら私のスペック的に負ける気はしませんね。勝てるんじゃないですか?攻略法わかりましたし。」
「ただでさえ強いエレナを強化してしまった気がする。」
「ただ……。」
「え、なんか不安なことでも?」
「あの……。アウロを人質にとられると、相手が雑魚でもいいなりになっちゃいます♪」
やめて!言い方がよくない。
なんか前世の記憶思い出しちゃうから。
恥ずかしいやつね。
「えっと、そんな簡単にエレナ捕まらないし。雑魚相手にいいなりになったりしたら嫌いになるからね?絶対にやめてね。」
「えー。雑魚じゃなかったらいいんですか?」
エレナ、わざと言ってるよね?
ちょっと嬉しそうに聞いてくるし。
何?どの記憶の何のシーン?
もしかして、誘ってる?
「駄目!そんなこと言うんだったら、もう今後一切エレナは抱きつき禁止です。」
「な ん で そ う な る ん で す か ! ! 」
エレナが泣きそうな顔で怒ってる。
でも言うときは言ったほうがいいよね。
調子に乗ると困るからね。うん。
「エレナは僕と結婚したんだよね?なんで他のやつのいいなりになるわけ?」
「だから、もし人質にされたらっていったじゃないですか?」
「もしでも駄目でしょ。じゃあ、逆だったらいいの?エレナが人質になったら他の人に血飲まれるかもしれないけど。」
いや、言ってみたけど。
誰も欲しくないでしょ。血。
でもエレナには致命傷だったみたいで。
「ぜ っ た い に 駄 目 で す。」
即答だった。目が怖い。
「でしょ。はい。もうこの話終わりね。」
そう言いながらエレナから距離をとる。
「アウロ。許してください。」
「もう怒ってないって。」
「怒ってます。近づいたら離れるじゃないですか。」
「それは、罰だから。」
「罰ってなんですか!!」
「理由によっては、他の誰とでも変なことするんでしょ。」
「し ま せ ん ! あ、アウロそれで怒ってたんですね。アウロ以外と私が変なことする所を考えちゃったんですね。あれ、でも寝取られもの好きじゃなかったですか?」
やばい。墓穴掘った。エレナがものすごくニヤニヤしてる。どうしよ。
あと、さりげなく爆弾を投下しないで。この世界にも寝取られ文化はあるのか?
「ふっふっふ。心配しなくても、私はアウロ以外興味ない……!?」
うるさいので口を塞いでやった。唇で。
エレナの顔が真っ赤になる。
え、なんか目がトロトロしてるけど大丈夫これ?
嫌だったかな?
え、エレナの変身解けちゃった。
この魔族モードのエレナエロいよね。
それから……。
エレナが完全に置物になりました。
ちょっと心配だな。
あ、尻尾。
今しか触る機会ないよね。
めっちゃ触りたい。
えいっ。
触り心地めっちゃいい。
触るたびに、エレナがビクッて反応する。
おもろい。
楽しい。
つん。つんつん。
「エレナ~。大丈夫??」
「……。」
喋りかけても返事がない。
仕方ないので、寝る場所に横にしといた。
呼吸してるかなこれ。不安。
でもエレナが悪いよね?
そうだよね?
そう。そうです。
ちょっとだけ罪悪感があるので、ごめんなさいと口に出して謝りました。
謝れてえらい自分。
次の日、エレナに朝から虐められないように、アウロはかなり離れた場所で眠りについた。




