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92.配信者、頭のネジが外れそうで怖いです

 熊はドリ達と遊ぶと俺とも相撲をしたいのか襲ってきた。


 ただ、力の弱い俺は一瞬にして押し倒されていた。


 どうやら俺はカラアゲより弱いらしい。


 泥だらけになった俺は家に帰ると、すでに祖父とポテトは帰っていた。


「ただいまー」


「おかえりー!」


「こんなところで何をしているんですか?」


「あー、ポテチの新居をどうするか聞いていた」


 玄関では紙に図面を引いている凡人がいた。


 この間のお詫びにポテチの新居を作ることになったが、その相談をしていたらしい。


 直接床に紙を置いて、ペンで簡単にメモをしている。


「大きさ的にはみんなで寝れるぐらいならいいのか?」


『うん!』


「じゃあ、子ども達が大きくなった時のことを考えるとプレハブ小屋ぐらいは欲しいか」


 基本的には家の中にいることが多いポテチは今も玄関で寝ている。


 さすがに玄関でみんな寝るには狭い。


 それを考えると大きな小屋を作るのは俺も賛成だ。


 ポテトならじゃがいも畑に何かあったら、すぐに出動してくれるしな。


「トイレとキッチンはどうする?」


『ううん』


 首を横に振っていらないと言っていた。


「そういえば、チップスはどこでトイレをしているんだ?」


 ポテトは祖父と散歩に行くが、チップスは妊犬のため寝ていることが多い。


 二足歩行で散歩するのって犬にとって大変だろう。


 そもそも祖父と散歩に行くのも疲れるレベルだ。


 あれは山の中をハイキングしているのに近い。


 それにしても暑すぎて、ポテトが普通に返事をしている気がする。


 ついに俺の頭のネジも取れたのだろうか。


「ん? チップスどうした?」


 一方チップスは話しかけてくることもなく、俺の服を引っ張っている。


 そのままついて行くとトイレの前に着いた。


「ここでしていたのか?」


 チップスは頷いていた。


 普通に扉を開けて、そのまま便座の上に立つとしゃがみ込んだ。


 中に落ちないように、必死に足をピクピクさせて耐えている姿がどこか可愛らしい。


 ただ、妊犬にそんなことをさせていたのかと罪悪感が押し寄せてくる。


「トイレは今すぐに用意してもらおうか? 子ども用のやつでもいいけど」


 おまるの方がしやすいと思い、スマホで画像を見せるがどうやらおまるは嫌らしい。


 そもそもしゃがみ込んでトイレをしていたなら、洋式より和式の方が慣れているのだろう。


「あー、それなら子ども用便座を付けたらどうだ? ドリもそれなら安心するんじゃないか?」


 ドリはトイレに行く時は必ず誰かを呼びに来る。昔はトイレの場所をよく間違える祖父に付いて行き、ついでに落ちないか見てもらっていた。


 今は聖奈や貴婦人もいるため、女性陣と行くことが多いのだろう。


「ならそれもお願いしても良いかな?」


「任せとけ!」


 本当に彼は凡人なのかと思うほど有能だ。


 探索者はきっとみんな有能なんだろう。


「それにしてもパパさんなんで泥だらけなんだ?」


「さっき熊に襲われてたからね」


 きっとそんなことを言われたら驚くだろう。


 そう思っていたのに、凡人は平然としている。


「あー、シャンシャンか」


「シャンシャン?」


「熊のシャンシャンだ」


 たしかにドリは熊のことを"しゃんしゃん"と呼んでいた。


 くまさんの"さん"からとったのだろう。


 名前はパンダのように可愛いが、ただの野生の熊に変わりない。


「凡人さんも知ってるんですか?」


「ああ、よく聖女達と力比べをしているぞ」


 畑の作業以外でどこかに行く時には、ドリを聖奈達に預けて出かける時がある。


 いつも鬼ごっことかかけっこをしたと聞いていたが、まさか熊と遊んでいたとは知らなかった。


 高位ランクの探索者がいたら、熊は可愛い動物に見えるのだろう。


 一度ドリに何が危ないのか教える必要がありそうだ。


 ドリがどうやって遊んでいるのか知るためにも、カメラを付けるのは良いことだろう。


 いつ頃設置できるのか、改めて貴婦人に聞くことにした。


「ブックマーク、★評価よろしくお願いいたします。ほら、ドリも」

「ほちちょーらい!」

 ドリは両手を振って配信を終えた。


ぜひ、可愛いドリちゃんにたくさんの★をプレゼントしてください!

他の作品も下のタグから飛べますので、ぜひ読んで頂けると嬉しいです。

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