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68.配信者、モテモテです

「パパ!」

「パパ起きてー!」


 あれから俺を揺らす衝撃は二倍になった。毎朝ドリと百合が起こしに来るようになったのだ。


 たまに桜付きで起こしに来るが、それは心臓に悪いからとやめさせた。毎回俺を起こさずに連写機能を使ってスマホで寝顔を撮っている。


 たまに春樹も混ざって、夫婦で何がしたいのだろうか。


 寝起きでブサイクな顔を撮って何が楽しいのかさっぱりわからない。


「もう少し寝かせてくれー」


「起きないと百合がちゅちゅするよ?」


「ちゅちゅ!」


「わかった! 起きるからそんなにチューしないでくれ」


 頬にキスをすることを覚えてから、二人は何かあるごとに俺にキスをするようになった。最近はやりすぎて頬がよだれでベトベトになるぐらいだ。


 ミツメウルフでもそこまで舐めない。むしろあいつらは俺にだけ甘噛みしてくる。


「あー、おはよう」


「相変わらず寝癖がすごいな」


 いつものように起きると、今日も春樹は台所でお弁当を作っていた。一方、桜を含む女性陣は楽しそうに女子会をしている。


 視線が俺達二人に当たってついつい気になってしまう。


「やっぱりあの二人の絡みは良いわよね。奥さんの前なのにごめんなさいね」


「気にしなくていいですよ。最近流行りのゴリラ系男子とかクマ系男子ばかりで、癒しになる男が少ないですからね」


 ゴリラ系やクマ系ってのが何かわからないが、探索者ブームで男らしく鍛える人が増えているのは俺も知っている。


 都会にいる時は周囲の人がジムに毎日通っている話や鶏肉やプロテインばかり気にしていてつまらなかった。


 俺が唐揚げを食べていると、脂質が多いってよく言われていたな。


「しかも、朝って無防備だから良いのよね」


「聖奈さんはどっちが好みですか?」


「私はドリちゃんと百合ちゃんが大好きです。毎日食べたいと思うほど――」


「それはダメです」


 俺はドリと百合を隠すようにテーブルに座る。そういえば、いつもいる凡人と侍がいないようだ。


 テーブルには先に朝食を食べた形跡がある。


「男性陣はどこに行ったんですか?」


「今日はダンジョン周囲のお手伝いに行ってますよ」


 どうやらダンジョン周囲に様々な施設がプレハブ小屋だができたらしい。ちゃんとした建物ができるまでは、そこがギルドとして機能する。


「探索者ってこういう時も駆り出されるんですね」


「あの二人に関してはカマちゃんから逃れられないですからね」


 カマちゃんとは誰のことを言っているのだろうか。一度ドリを連れてギルドに遊びに行っても良いのかもしれない。


「直樹、ポテトの散歩に行ってくる。そのまま畑に向かうから弁当を持ってきてくれ」


「じいちゃんも気をつけてね」


 腰を痛めていた祖父も回復して、リハビリとしてポテトの散歩をしている。一緒に散歩すると良い運動になるらしい。


 この間ドリと共について行ったが、俺だけついていけなくてびっくりした。


 長生きする秘訣は散歩と言っても過言ではない。


 なるべくダンジョンには近づかないように声はかけておいた。


 二足歩行で歩く犬とおじいちゃんの散歩って、側からしたら結構衝撃的だろう。


「今日百合も畑に行っても良い?」


「手伝ってくれるの?」


「うん! ドリと一緒にのびのびするの」


 百合はドリと畑でおまじないをする約束をしていた。


「少しの間、百合をお願いします。私と春樹はお店の準備があるので……」


「百合ちゃん大人しいので大丈夫ですよ。ドリと仲良くしてもらっていますし」


 桜と春樹は養鶏場の近くにお店を建てることが決まった。畑が見えるカフェがコンセプトらしい。


 同じ経営者である貴婦人も絶対に成功すると言っていた。


 畑を見て何が楽しいのかは、経営者ではない俺にはわからない。


 俺も急いで朝食を食べて準備を始める。


 いつものようにつなぎを着て準備完了だ。


「ドリと百合ちゃんも準備できた?」


「できました!」

「うん!」


 二人はオーバーオールに長靴を履いて玄関で待っていた。


「今日も可愛いわ」


 そんな二人を聖奈はスマホで写真を撮っていた。


「じゃあ、畑に行ってきます」

「嫁に行ってきます」

「いってきましゅ」


 少しだけ百合は言っていることが違うが、俺達は畑に向かった。

「ブックマーク★評価よろしくお願いいたします」

「百合も人気になりたいな!」

「なりたいな!」


 ドリと百合は胸の前で手を組んで可愛くおねだりをしている。

 ぜひ、可愛い二人にたくさんの★をプレゼントしてください!

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