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55.配信者、名前を考える

 俺は玄関で配信の準備を始める。それを見ていたドリは不思議そうな顔をしていた。


「パパ?」


「ああ、せっかくだから新しい家族を紹介しようと思ってね!」


 視聴者にもミツメウルフを紹介することにした。これでこの配信を見ている人達も我が家には近づこうとしないだろう。


 阿保が起こした事件の時よりは頼れる探索者が四人もいる。それに魔物がいるって知っていたら入ってくる人もいないはず。


「みなさんこんばんは」


「ばんは!」


 動画配信を始めると次々とコメントが返ってくる。相変わらず我が家に泊まっている探索者達も部屋で視聴している。


「えっ……配信してるんですか!?」


 お風呂から出てきた聖奈も配信していることに気づいて、急いで部屋に戻って行った。そのまま近くで見ていても問題はないはずなのに……。


「今日は新しく我が家にミツメウルフの夫婦が家族になりました!」


 カメラを向けるとミツメウルフは立ち上がりポーズを決めている。サービス精神旺盛なんだろう。


==================


ハタケノカカシ 最近

このミツメウルフってあの事件の時の子ですか?

立ち上がっていますし……。

▶︎返信する


犬も歩けば電信柱に当たる 最近

そもそもミツメウルフなのかも気になるところですね

▶︎返信する


パパを見守る人 最近

きゃわいい!

▶︎返信する


畑の日記大好きさん 最近

次はワンちゃんが仲間入りですね。

私はいつ仲間入りできるのでしょうか。

▶︎返信する


野火之陽 最近

ミツメウルフは普通立たないぞ?

▶︎返信する


==================


「コメントにもあるように、この子達はあの時の事件の子を引き取ることになりました。テイムされた魔物もペットと同じで、引き取り手がいないと殺処分されるらしいです」


 ギルドマスターから聞いた話はテイムされた魔物の悲しい現状だった。


 魔物は犬や猫よりも簡単に殺処分されるのが現実らしい。


 人を襲うからって理由よりも、魔石の存在が大きかった。


 魔物は一般的に魔石を持っている。


 そのため、引き取り手がいなくても、簡単に処分すれば良いってことらしい。


 魔石を取り出すためだけに繁殖させるって一時期国が言っていたぐらい価値がある存在だと言われている。


 人間のエネルギー供給のために生まれた魔物達。


 同じ生産者である俺でも養殖に対しては理解している。


 ただ、魔物の繁殖は本当に正しいことなんだろうか。


 じゃあ、同じ魔物でもあるドリを増やすことができたとして、魔石を取り出すために差し出すことはできるだろうか。


「パパ?」


 そんな俺を見てドリは抱きついてきた。いつのまにか俺からハグしていたのに、最近はドリからするようになってきた。


「ありがとう」


 頭を撫でるとドリも嬉しそうにしていた。


==================


名無しの凡人 最近

尊死

▶︎返信する


孤高の侍 最近

尊死

▶︎返信する


貴腐人様 最近

尊死

▶︎返信する


鉄壁の聖女 最近

尊死

▶︎返信する


==================


 相変わらず二階では大きな物音が聞こえてきた。


「それでこの子達に名前をつけようと思って、それを配信することにしました」


 ミツメウルフ達は直角90度のお辞儀をしていた。どこでそんなお辞儀を覚えたのだろう。


「おすわり!」


 流石に妊娠しているのに、そんなことはさせられないと思いすぐに座らせた。本当に我が家の()は聞き分けが良い。


「ドリはどんな名前が良い?」


「タマ!」


「流石にそれは猫の方がいいかな?」


「んー、ヌコ!」


「それも猫っぽいかな?」


 出てくる名前はどれも猫につけるような名前ばかりだった。ミケやジジとか、ドリはひょっとして猫を飼いたかったのだろうか。


「もう少し犬っぽい名前ってあるかな……」


「ぽて!」


 ポチっぽい名前だが、どこからきているのだろうか。


「ポテ?」


「ちぷ!」


「ちぷ?」


 ひょっとして"ポテトチップス"のことを言っているのだろうか。


「ポテトとチップス?」


 俺の言葉にドリは大きく頷いていた。確かに美味しそうにポテトチップスを食べていたし、ドリが簡単に呼べる名前なら問題はない。


「じゃあ、ポテトとチップスにします!」


「ぽてちぷ!」


 父ミツメウルフをポテト、母ミツメウルフをチップスにした。どうやら好きな食べ物と同じ名前になって喜んでいるようだ。


==================


鉄壁の聖女 最近

私がダンジョンで猫を捕まえてこようか?

盾で押し込んで殴れば言うこと聞いてくれるよ。

▶︎返信する


名無しの凡人 最近

それってタイガー種の魔物じゃないか?

▶︎返信する


孤高の侍 最近

Bランクの魔物をペットとして買うのは流石にね……。

▶︎返信する


貴腐人様 最近

そもそもパパはネコよね?

▶︎返信する


オホモダチ 最近

私の出番かしら?

▶︎返信する


ハタケノカカシ 最近

パパさん逃げて!

お尻が危ない!

▶︎返信する


オシリスキー 最近

俺を呼んだか?

▶︎返信する


裸の奇行師 最近

俺も呼ばれたのか?

▶︎返信する


野火之陽 最近

だからお前らは追放だ!

▶︎返信する


オサレシェフ 最近

相変わらずここのコメントは荒れてるな……。

▶︎返信する


==================


 コメントが流れてくる頃、俺はドリとミツメウルフ達が仲良くなっていることに驚いていた。


「ブックマーク、★評価よろしくお願いいたします。ほら、ドリも」

「ほちちょーらい!」

 ドリは両手を振って配信を終えた。


ぜひ、可愛いドリちゃんにたくさんの★をプレゼントしてください!

他の作品も下のタグから飛べますので、ぜひ読んで頂けると嬉しいです。

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