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50.配信者、家の周りを配信する

「パパ!」


 掃除がひと段落済んだ頃には、ドリと一緒に遊んでいた探索者達が帰ってきた。


 玄関に降りていくとドリは満面な笑みで玄関にいた。きっと遊んでもらえて楽しかったのだろう。


「みなさんお疲れ様です」


 家に上がるように伝えると、探索者の三人はどこか疲れ切っていた。体力がある探索者でも、子どもの面倒を見るのは大変なんだろう。


「拙者、ドリちゃんを舐めてたでござる」


「ひょっとしたらパパさんってとんでもない実力の持ち主じゃないのか?」


 ドリと遊んでいる時に何かあったのだろうか。俺も一緒に遊ぶことはあるが、基本的に畑で一緒に土いじりをしていることが多い。


「子どもの体力って底なし沼のようですね。永遠と繰り返される推しとの戦いに、私もいろんな意味で疲れました」


 どうやらドリが元気過ぎたのだろう。今まで遊ぶ人が俺しかいなかったから、よほど楽しかったのかずっとニコニコしている。


「みなさんには助かりました。昼食もあるので良かったら食べてってください」


「ニーニ、うどん!」


 ドリはうどんをゆっくりと運んでいる。春樹が作った余り物と祖母が手打ちうどんを用意していた。


「おい、聞いたか?」


「聞いたでござる」


 ドリに"ニーニ"と呼ばれて嬉しいのだろう。鼻の下が伸びている。そんな男達は早いうちに遠ざけておく必要がある。


「うちのドリは渡さないからな」


 俺のドリはまだまだ幼い。見た目もはっきり言って幼女だ。そんなドリを嫁がせるにはまだまだ早い。


「その前にパパさんが嫁がないとダメですわ」


 そんな様子を見て貴婦人は笑っていた。この家もだいぶ賑やかになっていた。そろそろ本当に民泊についての話を進めないといけないのだろう。



 ♢



 午後からは畑の作業と生配信をするつもりだ。市長から届いたメールには、いくつか出店したいと企業から声がかかってきたらしい。


 そのため、周辺の環境と土地を生配信しながら動画を送るつもりだ。


 見ている企業がいたらすぐに情報が届いて、今後のどうするべきなのか配信を通して、情報が得られるだろう。


「皆さんこんにちは!」


「ちは!」


 いつものように挨拶をするとたくさんのコメントが流れてくる。


「今日はダンジョン周辺を紹介したいと思います!」


==================


名無しの凡人 最近

ダンジョンから配信見てます!

▶︎返信する


孤高の侍 最近

同じくダンジョンからの視聴者です。

▶︎返信する


オシリスキー 最近

これでパパさんに夜這いが……

▶︎返信する


裸の奇行師 最近

パパさんのお尻を守るんだ!

▶︎返信する


野火之陽 最近

まずはお前が服を着ろよ!

▶︎返信する


==================


 どうやら今日もコメントは盛り上がっているようだ。それにしても探索者はダンジョンにいても配信を見ているようだ。


 今回は畑側と反対側の企業に提供される土地を撮影する予定で進める。


「って言ってもここら辺何もないんですよね。あるのは畑と遠く離れたあそこにこの間卵をもらった養鶏場があるだけなんです」


 本当に家の周りは自然豊かで何もない。田舎でもかなりの田舎なのだ。実際にあまりにも田舎過ぎてコメントが来ない。


 探索者の人達にも聞いた時は、本当に人が住んでいるとは思わなかったと言われた。


 車に乗ってさらに企業側の土地を撮影すると、さらにコメントは来なくなった。


 あるのはただの広大な更地とたくさん生えた雑草。少し見方を変えたら草原にも見えなくはない。


「こんなところにお店を出店しても経営的に大丈夫なんですかね?」


 ついつい今後のダンジョン都市プロジェクトに疑問を感じてしまう。


 いくらダンジョンに人が集まるからって、そこまで人が増える気がしない。


==================


畑の日記大好きさん 最近

本当に周辺に何もないんですね。

ここが都市になるって思うと感動です。

▶︎返信する


名無しの凡人 最近

そっちは何もないのか。

▶︎返信する


鉄壁の聖女 最近

ドリちゃんが遊ぶ公園を作ったらどうでしょうか?

資金は私達が出しますよ?

▶︎返信する


ハタケノカカシ 最近

そこにカカシは置けますか?

▶︎返信する


犬も歩けば電信柱に当たる 最近

電柱も置けますか?

▶︎返信する


オシリスキー 最近

俺も移住を考えようかな。

子どももちょうど小学生になるタイミングだしな。

▶︎返信する


裸の奇行師

おいおい、子どもがいるならその名前はあかんだろ。

ちなみに俺には成人した娘がいる。

▶︎返信する


野火之陽

どっちもどっちだぞ?

▶︎返信する


==================


 計画次第ではひょっとしたら移住者が増えるのだろう。ドリに友達ができるのはいいことだ。


 それにしてもドリは学校に通った方が良いのだろうか。


 魔物も通える学校があるのかギルドマスターに聞いてみよう。


 撮影を終えた俺はダンジョン近くにあるギルドに向かった。

「ブックマーク、★評価よろしくお願いいたします。ほら、ドリも」

「ほちちょーらい!」

 ドリは両手を振って配信を終えた。


ぜひ、可愛いドリちゃんにたくさんの★をプレゼントしてください!


記念すべき50話にどうかお星様おおお!_(:3 」∠)_


他の作品も下のタグから飛べますので、ぜひ読んで頂けると嬉しいです。

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