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23.配信者、晩酌配信をする ※一部阿保視点

 俺はそのまま居間で配信を続けながら、一人で酒を飲んでいる。完全に俺が一人で悩みを打ち明けているだけだ。


「今後育てる野菜についてなんだけど、ドリを頼ってもいいのかな」


 野菜が明らかにおかしな成長速度をしていることや魔力を含んでいるのは、ドリのおかげなのはすでに気づいている。


 ずっとドリと一緒に過ごすことができたら良いが、生産者として一定の生産量のキープができなければすぐに職を失ってしまうだろう。


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名無しの凡人 最近

パパも凡人だったのか。

▶︎返信する


貴腐人様 最近

弱っているパパ最高!

誰か良い人いないかしらね。

▶︎返信する


鉄壁の聖女 最近

二人で"畑の日記"です!

少しずつ畑を大きくして、分けてはどうでしょうか?

▶︎返信する


ハタケノカカシ 最近

そろそろ俺を置いてくれないかい?

▶︎返信する


畑の日記大好きさん 最近

私も鉄壁の聖女さんと同意見です。

ドリちゃんがいなくても良いように、普通の野菜も作って良いと思います。

▶︎返信する


==================


 様々な意見がある中、普通の畑とドリと育てる畑を作るのはどうかとの意見があった。確かに、魔力を含んだ野菜ばかりではなく、普通の野菜を作ってこそ立派な生産者になれるだろう。


「やっぱり悩むとあまり良いことがないですね」


 考えれば考えるほどどうしたら良いのかわからなくなる。


 もちろんドリがいなくなることは考えていない。ただ、魔物がどれだけ生きるのかも俺は知らない。


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幼女を見守る人 最近

パパさん元気出して!

▶︎返信する


パパを見守る人 最近

いつでもみんなが支えますよ。

みんなパパさんの味方です

▶︎返信する


オホモダチ 最近

ウホッ!

▶︎返信する


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 ドリ目的の視聴者が多い中、前からコメントをくれる人は俺の応援もしてくれる。


 どこか変わった人が多いのは、配信にはよくあることなんだろう。


「はぁー、眠たくなってきたな」


 今日もたくさん働いて体は疲れ切っていた。ずっと飲んでいたのもあり、段々と眠気が襲ってくる。


「今日の配信はここで終わりますね。皆さんありがとうございました。おやすみなさい」


 視聴者に挨拶をしてスマホの画面に触れる。


 ああ、今日は眠気が強いな。俺はそのままテーブルに顔を伏せて力尽きるように眠ってしまった。


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鉄壁の聖女 最近

今日も忙しかったですよね

たくさん休んでくださいね

▶︎返信する


名無しの凡人 最近

おやすみ!

▶︎返信する


貴腐人様 最近

おやすみ……?

パパさーん!

配信消し忘れてますよー!

▶︎返信する


パパを見守る人 最近

パパさーん!

配信そのままですよー!

▶︎返信する


オホモダチ 最近

これはそういうプレイでしょうか笑

▶︎返信する


未婚の母 最近

もう少しで寝顔が見えるわ!

▶︎返信する


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 俺は動画配信のボタンを押したはずが、何かの不手際で押せなかったのだろう。





「阿保さんここの窓なら入れそうです」


 窓をゆっくり動かすと鍵が開いていた。ちょうど風通しが良い季節だから締め忘れたのだろう。


「流石に俺でも誘拐はできないぞ」


「なら、私がドリアードを捕まえて来るので、利益の七割はくださいよ」


 そう言って男は家の中に侵入していく。探索者ギルドに勤める男はドリアードを誘拐して、その力を使って新しい農作物を作ると言っていた。


 まぁ、あのバカな奴隷ができたなら、探索者ギルドのスタッフなら有意義にドリアードを扱えるだろう。


「阿保さんどうぞ!」


 玄関の鍵が開けられたところで、ゆっくりと家の中に入っていく。


「うっ!?」


 居間ではあいつが寝ていた。疲れてぐっすり寝ているのだろう。


 ゆっくりドリアードがどこにいるか探していく。


 一階は概ね生活スペースしかないため、軋む階段をゆっくり登っていく。


 一番近い部屋を一つずつ確認していくと、手前の部屋には老夫婦が寝ていた。


 俺に文句を言ってきた老人だとわかると無性に殴りたくなる。


「いきますよ!」


 見つかっては意味がないと思い、ゆっくりと扉を閉める。


 俺は男に引っ張られながら、次の部屋に入るとドリアードが一人で寝ていた。


 やつは何か道具を取り出すと、ドリアードの口に押し当てる。紐で身動きが取れないように縛り上げる姿は何度も同じことをしているやつに見えた。


「おい、何やったんだ?」


「魔道具でスキルを封じました。睡眠魔法も付いているので便利なんですよね。暴れても困りますし」


 どうやら口に押し当てたものはスキルというものを封じる物らしい。探索者や魔物と関わることがなかったため、俺にはいまいちわからない。


「へへへ、君のために用意した特注のチョーカーだよ」


 眠っているドリアードに綺麗なチョーカーを着けていく。ひょっとしたら幼女が好きなんだろうか。


「早く行くぞ!」


 俺達は暴れないようにドリアードを布団に包む。そして、そのまま抱えて玄関から出ていく。


 探索者ギルドの男は玄関の鍵を閉めて、これでバレることなくドリアードを誘拐することができた。


 ただ思ったのは目の前にいるこの男が、思ったよりも危ないやつだった。


 幼女好きなのかドリアードを見て興奮していた。


「お前静かにしろよ」


 眠っていると聞いていたが、布に包まれたドリアードは暴れていた。力の強さからして、本当に人間ではなく魔物なんだろう。


 大人の俺でも、暴れられると倒れそうになる。


 俺達は準備していた車に乗り込むと、男が用意した畑に向かった。

報告です。

日間1位になりました(*´꒳`*)

皆さんのおかげです!

これからも宜しくお願いします!


ブックマーク、⭐︎評価よろしくお願いいたします。

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畑で迷子の幼女を保護したらドリアードだった。2〜野菜づくりと動画配信でスローライフを目指します〜

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