113.配信者、子犬達の名前を決める
流れてくる名前は知っているものもあれば、全く知らないものまで出てきた。
名無しの凡人 最近
フリッツ、コロッケ、ポテトサラダ
孤高の侍 最近
タロイモ、サツマイモ、こんにゃく芋
貴腐人様 最近
アルファ、ベータ、オメガ
鉄壁の聖女 最近
もふもふ、もふーん、もっふもふ
ハタケノカカシ 最近
カカシ、カラスヨケ、鳴子
幼女を見守る人 最近
ドリちゃんと同じでお願いします!
パパを見守る人 最近
男爵、きたひめ、メークイン
未婚の母 最近
キャルビー、グリコン、コイケ
畑の日記大好きさん 最近
私がデザインした会社も含まれているわね
貴婦人に関しては何を言っているのか、全くわからないし、聖奈に関しては考えるのを放棄している。
本当にドリにしか興味がないのだろう。
その中の候補としては、〝じゃがいも料理名〟、〝じゃがいもの品種〟、〝お菓子メーカー名〟だ。
ただ、お菓子メーカー名だと著作権問題とかも関わってきそうな気がする。
「案としてはじゃがいも料理名か品種にしようかと思います」
あとはドリが呼びやすいかどうかだな。
「ドリはどっちが言いやすいかな?」
俺はドリに一度復唱させてみた。
その間にアンケート機能を使って、視聴者の意見を集計する。
春樹に教えてもらってから、配信でアンケートも簡単に取れるようになったからな。
「フリッツ、コロッケ、ポテトサラダ」
「ふりちゅ! きょろけ! ぽてしゃ!」
なんとなくは聞き取りやすいから問題はなさそうだ。
「じゃあ、次はだんしゃく、きたひめ、メークイン」
「だんちゃっく! きたひメッ! めーくん!」
どちらも微笑ましくて捨てがたい。
それでもどこかじゃがいもの品種の方がしっくりくるような気がした。
それに今まで名付けた中では、まともな気がする。
料理名ばかりだとなんともいえないからな……。
ヌクヌクと丸まって球体になっているカラアゲを見ると、視線に気づいたのか、頭をポンっと飛び出した。
あいつは本当に鶏なんだろうか。
カカポ(仮)も怪しく感じる。
「おっ、アンケートの集計が終わったな」
俺はアンケートを見て名前の発表をしていく。
「ではこのもふもふしたわんちゃんの名前はー」
「にゃまえはー」
「だんしゃくです!」
「だんちゃっく!」
一番は初めに生まれた大きめの子犬が男爵になった。
見た目も一番大きいからちょうど良さそうな気もする。
自分の名前だと思っていないのか、マヌケ面で俺の方を見ている。
どこかボーッとしているのも性格なんだろう。
「次にこのビヨーンっとしたわんちゃんの名前はー」
「にゃまえはー」
ちなみに今も体がビヨーンっと伸びている。
まるで体がトロトロのチーズのようだ。
「きたひめ!」
「きたひメッ!」
ドリの呼び方が気になっていたが、怒られたと思って体がすぐに戻るから採用した。
「最後に……」
俺が呼ぼうとしたら、すでにスマホの前で立ってポーズを決めていた。
きっと独特な見た目と雰囲気に合っている気がする。
「メークインです!」
「めーくん!」
『フンッ!』
喜ぶこともなく、そのままポーズを変えていた。
どこかキザな性格が飼い主として、嫌われないかが心配だ。
見た目は俺が書いた絵にそっくりだからな。
自分で気づくまでは、あのままそっとしておいた方が良いだろう。
「これで我が家に住む犬はポテト、チップス、男爵、きたひめ、メークインの五匹になりましたが、今後ともよろしくお願いします!」
「しましゅ!」
俺達は視聴者に挨拶をして配信を終えた。
「よし、カラアゲ寝るよー」
『クウェ!』
カラアゲを呼んでベッドに向かおうとしたら、メークインが付いてきていた。
「お前はお母さんと寝た方が良いんじゃないのか?」
『フンッ!』
鼻で笑っている感じが、どこかムカついてくる。
きっと俺は親離れしていると言いたいのだろうか。
そのまま気にせずベッドに行くと、メークインは一緒に布団に入って丸まって寝ていた。
その数分後には泣きながらチップスの元へ戻って行った姿を見て、改めてまだ子どもなんだと思った。
「ブックマーク、★評価よろしくお願いいたします。ほら、ドリも」
「ほちちょーらい!」
ドリは両手を振って配信を終えた。
ぜひ、可愛いドリちゃんにたくさんの★をプレゼントしてください!
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新作お願いします(*´꒳`*)