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 ぶんっ。


 勢いよく振り回される腕に少しでも当たっていればそれだけで致命傷だったろう。

 だが短剣をオークの腹に残したまま、既に俺はヤツの間合いから離れた場所にいる。


「ミストルティン、モードチェンジだ!」


 そして暴れるオークに注視しつつ、俺は左手の小枝(ミストルティン)を右手に握り直してから短剣の姿へ変えた。


『グモォォォォ』


 横腹に突き刺さった短剣を抜こうとその柄を掴んだオークだったが、無駄に力を込めすぎたのだろう。

 ボロボロに使い古された短剣がその力に耐えきれず、腹の中に錆びた刃の部分だけ残して折れてしまった。


「無理矢理引き抜こうとしなくてよかった」


 もし突き刺した後引き抜こうとしていたら同じように柄だけのこして外れ、勢い俺はひっくり返っていたかも知れない。 

 そうなっていたらオークの反撃で今頃挽肉にされていたに違いない。


「でもこれでアイツはもうさびてギザギザになった短剣を抜く手段は無くなったってことだな」


 考えるだけでオークにとって最悪な状況だろう。

 魔物に人間のような医学があるとは思えない。


「あの状態の刃を抜き出すのは難しいだろうなぁ」


 もしかするとこの世界には治癒魔法みたいなのはあるかも知れないが。

 それでもオークに出来るのは自然治癒くらいだろう。


「たぶんこのまま放置していてもアイツはもう助からないだろうけど、ここまで来たら倒して素材は回収しておきたいな」


 俺の中に流れ込んできた知識(・・)が告げる。

 少し前の俺なら生き物を倒して、さらにその体から素材を取ろうなんてことは思いもしなかったろう。

 なんせ現代日本で普通に生きてきた俺にとって、捌いたことのある生き物なんて魚くらいのものだ。

 猟師でもなんでもない以上、獣を捌くなんて経験を持っている人なんているわけがないせかいで生きてきたのである。


「なのに今なら普通にあのオークを倒した後にどうすればいいかもわかっちゃうんだよな」


 しかもそれに対する忌避感も消えている。

 四足歩行動物でもためらうのに二足歩行の化け物ですら今の俺なら普通に切り刻めるとわかってしまう。


「苦しみから解放してやる」


 それどころか、脇腹の激痛に耐えながら迫り来るオークに憐憫すら感じてしまう。

 俺がやったことなのに。


『グガアアアアアアアアアアッ』


 オークはふらつきながらも俺の目の前までやってくると、その凶悪な両腕を高く掲げた。

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本当にありがとうございます。


更新を止めずに50位以内を目指して頑張りたいと思っております。

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