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1話千文字程度で1日五話以上投稿予定です。
最終話まで執筆完了してますので未完の心配なく安心して読んでいただけると思います。
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次話は18時頃更新予定です。
「そこのあなた」
「え? 俺?」
深夜。
毎日のサービス残業に疲れ果てて帰る道すがら。
俺は突然見知らぬ女性に声を掛けられた。
「そう。あなたです」
目深にフードを被ったその姿はいかにも胡散臭い。
普通なら相手にせず逃げ出すべき上場だ。
しかし俺はその姿に見覚えがあった。
この道で時々路肩で店を開いている占い師に違いない。
もちろんこちらから声を掛けたことはないし占って貰ったことも無いが。
しかし占い師が店を開いているのはいつもなら土日の昼間だったはず。
週のど真ん中水曜日。
こんな度平日の、しかも草木も眠る丑三つ時にまで営業してることは初めてだ。
「なんでしょうか?」
さすがに不審に思いつつ俺は何時でも逃げられるように心の準備をしつつ問い返す。
「あなたの運勢の向かう先に不思議な光が見えたので思わず声を掛けてしまいました」
目深に被ったフードの中から聞こえたのは予想外に若い女性の声で。
俺は僅かに警戒を緩めてしまう。
「不思議な光……ですか?」
「ええ。とても。この世のものとは思えないような」
占い師はそう応えると、続けてずいっと俺の近くまで寄って来て不吉な言葉を放つ。
「あなたの身にはこれから途方も無い出来事が起こるでしょう」
「ちょ、ちょっと。怖いこと言わないで下さいよ」
「聞いて下さい。私にはわかるのです」
俺は余りに馬鹿馬鹿しくなって、一々足を止めて話を聞いてしまったことに後悔した。
これはあれだ、よくある不安商法ってやつだ。
最もらしいことを言って人を不安にさせ、何かを売りつけるってやつだ。
「でも安心して下さい」
ほらきた。
身構える俺の目の前で占い師は懐から何かを取り出す。
お守りとか壺とか御札とかだろうか。
だったら直ぐに断って逃げよう。
「この宿り木の枝があなたを幸せに導いてくれるでしょう」
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