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彼を知りて己を知れば、百戦して危うからず、っす。

 あ、そうそう。

 突然ですけど、北斗七星の()の方の端っこから二番目の星の横っちょに、ちょこっと、ちっちゃい星がくっついてるの、ご存じっすか?


 そう、()(チョウ)(セイ)……って、違ぁう! いや、一部の人達の間ではそーとも言いますけど、今日はの話では違うンですって!


 あのお星様には「()(せい)」っていう名前が付いてるんですわ。

 この「()」ってのは、荷車(トラック)の荷台の(あおり)のことっすね。荷物が落っこちないように荷台の四方を囲ってるアレです。

 中華な星座の世界では、北斗七星ってのは、お空で一番偉い天帝(カミサマ)のお(クルマ)ってことになってます。その天帝(カミサマ)の横っちょでそっと輝いている小さな星だから、あのコ「輔星(ほせい)」って名前で呼ばれてるんですよ。

 偉い人が車から落っこちないように、付き添って支えてるお星様、ってことですねー。結構重要な役目のお星さまデスヨ、このコは。

 いやぁ、昔の人は面白いことを考えるもんだ。


 あ、この星の話そのものは、今日の兵法(ハナシ)とはあんま(カン)(ケー)ないです。

 ただの説明、予備知識、ってヤツ? みたいな。


 で、(カン)()(キュー)(ダイ)して本題に戻りますよ。


 将軍(リーダー)っていうのは、国や王様にとっての「()」みたいなもンだと思って下さい。

 国が滅びちゃわないように、王様が座ってるトコから落っこちないように、体を張ってヘルプするのが、将軍(リーダー)のお仕事ですからネ。


 この「()」である人を、車に乗ってる人……つまり国で一番偉い王様が、ガッツリ信頼していて、どんなときにも仲良しな国、これもうめちゃくちゃ強い。

 逆に「()」と王様の間に(スキ)(マッ)(カゼ)がピューピューしてるようだと、ハッキリ言っちゃってゲロ弱い。


 それで、ですね。

 王様は「信頼している将軍(リーダー)」が取り仕切ってる「軍隊(チーム)方針(ホーシン)」に余計な口出ししちゃいけないンです。だって、信頼してるんでしょ? だったら任せとけば良いんですよ。

 現場から離れた所にいる王様が、戦場のことを考えないで適当な命令なんか出しちゃったら、(ロク)な事になンないですよ。むしろ、大惨事発生しちゃう、みたいな?


 特に、これから言う三つの余計な口出しだけはホントにダメ。ダメ、絶対。


 一つ目。

 チームが前へ行っちゃ駄目なタイミングってときに「ドンドン行け」って言っちゃうのと、逆に、下がっちゃ駄目なタイミングで「帰ってこい」って言っちゃうの。

 こういうのを、軍隊(チーム)に首輪付けて(リード)で縛り付けちゃってる、っていうんですよ。

 縛られてたら動けなくなっちゃうでしょ?


 二つ目。

 現場のシフト決めたり、兵隊(メンバー)さんを個別に褒めたり叱ったりってのは、実際に現場を見てて、それぞれの人のコトがよくわかってる将軍(リーダー)のお仕事。それなのに、遠くにいてチームの事情や状態がワカンナイ王様がしゃしゃり出てやっちゃう。

 こういうコトすると、兵隊(メンバー)さんたちが誰の言うことを聞いたら良いのかわかんなくなって、混乱しちゃいますよ。


 三つ目。

 現場を見てる将軍(リーダー)が、現場の状況に応じて(リン)()(オー)(ヘン)に考えて出さなきゃいけない(メー)(レー)を、チームの指揮系統も戦況もまるっと無視して、現状がこれっぽっちも判ってない王様が自分勝手に出しちゃう。

 コレやられると、兵隊(メンバー)さんたちは、

「ウチの将軍様(リーダー)、もしかして王様に信頼されてななくなくない? 将軍(リーダー)の資格、ないンじゃね?」

 ってなっちゃいますよ。

 味方のことを疑うようになっちゃうのは、ゲロマズイっしょ。


 こんな風に、縛られちゃって身動き取れないーの、命令系統ぐちゃぐちゃになって混乱しーの、仲間を疑って弱気になっちゃいーので、もうチーム内がぐっちゃぐちゃになってるってー時に、他の国から、


「お、アイツんとこ、今ラリってンじゃん? ちょっと突いたら簡単にやっつけられるんじゃね?」


 って、カジュアルに攻め込まれたら、どうなるか判りますヨネー?

 自分が種蒔いた炎上案件でド派手に自爆。

 おかしいったらありゃしない。


 そんなこんなで、結局、勝つためのポイントってのは、五つぐらいにまとめられるんじゃないないかって思う訳ですよ。


 第一に、

「ゴーゴー、ガンガン行っちゃえ!」

 って時と、

「ステイ、ステイ、ダメダメ」

 って時の区別か付ついた方が勝っちゃう。


 第二に、メンツが多いときと少ないときでやり方違うって事をちゃーんと理解して、且つ(アンド)、それぞれの時にそれぞれの方法で対処できちゃえば、勝てちゃう。


 第三に、上の人と実際動く人が、おンなじ目標を目指してがっちり団結していられれば勝っちゃう。


 第四に、相手さんチームがまだ全然準備出来てないうちに、こっちがは全部きっちり整えちゃって、ヘイヘイ、カモーンなんちって待ち構えちゃっていれば、勝ち確定。


 第五に、とびっきり優秀(ユーシュー)将軍(リーダー)がいて、その人を王様が圧倒的に信頼する。そして現場のコトはぜーんぶ将軍(リーダー)に任せておいて、王様は余計なコトに口出ししない。そうすれば勝つ。


 この五つがビクトリーロードの案内板(キロポスト)っすね。



 故に曰く、彼を知りて己を知れば、百戦して(あや)うからず。


 あ、まーたオレ良いこと言っちゃったかも。


 ざっくり言うと、ですね。

 相手チームの状態や内情をよーく知った上で、自分達の状況もよく理解していれば、たとえ、(ヒャッ)(ペン)喧嘩(バトル)になっっちゃったりしても、絶対ヤバいことにならないンで、全然心配することないです。


 もしこれが、相手チームの実情はよくわからなないけど、自分達のことはバッチリわきまえてる、ってことなら……そうですね、まあ勝ったり負けたり五分五分(フィフティフィフティ)のトントン、ってとこですかね。

 そーゆー状態で戦争を始めちゃうのは、あんま、お薦めしませんけどね、俺は。


 え? 相手チームのことは全然知らない、自分達の能力もこれっぽっちも解ってない?

 そりゃ何度やっても無駄ですよ。

 断言しちゃいますよ。

 何度やっても勝てません。何回やっても負けます。

 マジでそういう無駄なことやっちゃ絶対ダメです。


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