火を使うときには必ず「大人の人」が監督しないといけないっす。
で。
実際、火計を仕掛けた後の状況に関する注意事項って、これも大体五パターンぐらいあるんですよ。
現場では、その五パターンの組み合わせとか変化とかに応じて、――これ「またかよ」って突っ込まれちゃうのを承知で言いますけど――臨機応変に対処しちゃってください。
先ず、敵の陣地やお城の内側から発火させて燃やしちゃうパターン。
決死隊送り込んで火を付けるとか、敵さんチームの中にいる誰かにちょっと【お願い】して放火して頂いちゃうとか、そういう感じで「中から火の手が上がった」ときの事後処理の方法ですね。
ズバリ、早めに外側から攻撃を仕掛けちゃいましょう。
火が付いて、相手が慌てている所を、ガツンと叩いちゃって下さい。
何度も言ってますけど、戦争は基本「先手必勝」なんすからね。
あ、でも、火の手が上がったって言うのに、敵さんチームの皆さんがものすごく冷静に対応してる……なんてときは、絶対に攻撃しちゃダメです。
こういうときは多分……敵さんチームの統率がバッチリ取れてて、いつ攻め込まれても大丈夫な状態でいるとか、こっちが攻め込むのを待ち構えてるか……まあなんにせよ、こういうときはしばらく待った方が良いです。っていうか、待って下さい。
つまり、いつも以上に情報収集と判断をスピーィディーに行う必要があるって事ですヨ。火を付けてからしばらく待って、火が大きくなって来たな、ってのを見極めてから、更に敵さんチームの動きも確認して、イけそうだったら攻め込む……この判断を超迅速で下して、がーっと仕掛けるんです。
超迅速で判断して、こりゃダメだな、と思ったら、即撤収ですよ。
もしかしたら、火を付ける作戦を実行する前でも、
「今、チャンスじゃね? わざわざ中に入り込んだり、中の人に頼んだりしなくても、外から火を付けても行けちゃうんじゃね?」
って判断できちゃうときってありますよね?
そーゆーときは、迷わずバシッと外から点火しちゃってください。
ほら、タイミングってやつは絶対逃がしちゃダメですもん。
もし中の人と火を付ける約束してたとしても、はたまた突入部隊が絶賛準備中でも、そっちは待たなくて良いです。
イけるときにイっちゃいましょう。ドンドン行っちゃえ、行っちゃえ!
んで、実際に火を付けたとき、点火場所とか風向きとかの都合で、自分達チームの陣地から見て風上の方から燃え広がっちゃうこともアリアリですよねぇ。つまり自分達チームが風下になっちゃったってパターン。
こういうときは、そのまま風下の方から攻め込んでっちゃダメです。
だって、ほらぁ。炎も煙も熱も風に乗って風下に来ちゃうもの。火に向かって突っ込んでくことになりますよ。
そしたら、敵陣だけじゃなくて自分も燃えちゃうってことじゃないですか。それ全然おいしくないでしょ? ってかむしろ大損じゃないですか。
だからそういうときは、マッハで避難してください。んで、スピーディーに風上に回り込むんです。攻め込むのは、それからですよ。
そうそう。これお天気あるあるになるンですけどね。
お日様が出てる間はめっちゃ「いい風」が吹きっぱなしだったのに、夜になるとぱったり止じゃうっての。……ね、あるでしょ? でしょ?
だから、
「いつまで燃えてて欲しい」
とか、
「どの辺まで燃え広がって欲しい」
とか、
「突入のタイミングを計りたい」
みたいなご希望があるときは、風の吹き方もよく注意してください。これ大切ですよ。
思ったように燃えなかったとか、考えてたのと違う燃え広がり方をしたとか、そうなったら、いくら緻密に練り上げた作戦でもオジャンになりますからね。
ま、こんな感じに五パターンぐらいの「火攻めの注意事項」を説明したんですけど、これよーおっく覚えておいて下さい。
……って言っても、火って人間様の思った通りには動いてくれないじゃないっすか。火だけじゃありませんよ。敵さんチームの人達だって、こっちの考えたとおりには動いてくれっこない。
だから、火の燃え方とか、敵さんチームの反応とかを、よく観察するのがマジで大事なんですよね。
持てる知識と技術を全部駆使して、現場で臨機応変にあたっちゃいましょ。
実際の話、火を戦争の補助として使うのは、頭の良いチームのやり口なんです。
んで、火の反対の力である、水の力を戦力にできるのは、強くて大きいチームのやり方です。
ほら、水攻めって言うのは、水で囲んで、さらにこっちチームの人員で囲んじゃって、敵さんチームが「打って出られない&逃げられない」って状態にしちゃう作戦でしょ?
基本的には相手の進路とか補給路とか、それとかやる気とかを分断したり封じ込めちゃったりするための戦略ってことになりますよね。
つまり、目的は物資や相手チームの兵隊さんをその場から動けなくすることで、それを相手から奪い取っちゃうことを目指した作戦じゃない……でしょ?
大体、水攻めを実行するためには、でっかい堤防とか作っちゃって、川筋とか変えちゃわないとイケなくないですか? それやるためには、大土木工事のための作業員さんとか資材とか機材とかが、そりゃもの凄い数必要になっちゃう。
その準備だけで、まずお金が掛かっちゃって大変だってのが、判っちゃいますよね?
んで、工事が終っても作戦終了にならないでしょ?
工事が終って、水を引き込んで、それから水浸しになったお城とか陣地とかをぐるっと取り囲んで、ちょいちょい軽めに攻撃したり、言葉合戦したりする。
そうやってゆるゆる攻撃しながら、相手がゴメンナサイしてくるまで、気長に腰を据えて待たなきゃいけない。
長陣を維持するのって、やっぱりお金が掛かっちゃって大変じゃないですか。
つまり水攻めってのは、こっちチームが大所帯、且つ、物資も兵糧もたっぷり持ってるからこそ成り立つ作戦ってことになります。おわかり頂けますよね?
だから、火攻めにするか水攻めにするか、はたまた別の作戦にしちゃうのかってのは、こっちの陣営の人数とか、地形とか、戦争の期間をどれくらいの長さで見積もってるかとか、そういうことをしっかり考えて、ヨリお得な方法を選んでください、ってことで。
よりよいな選択が現場の将軍さんの任務ですからね。




