偉い人は、偉い人ぶるんじゃなくて、偉い人らしく振る舞うっす。
それはともかくとして。
プレゼントを持った使者がヘコヘコ頭を下げて謝ってみせるのは、本気で謝ってる訳でも戦争を終らせたいからだってだけでもなかったりします。
ただ『ちょっと休みたい』ってのが本音だったりもするんですよ。ぶっちゃけ、時間稼ぎですね。
ちょっと休んで、兵隊さんの気力体力が回復したり、休戦中に補給物資が到着しちゃったりしたら、途端に約束なんか反故にして、またすぐ戦うつもりですよ。
ご用心、ご用心。
敵さんチームが怒濤の勢いで攻めかけて来ておいて、実際戦闘開始しない、なんてことがあったら、これ、どうにも妙ちくりんなコトでしょ?
絶対に何か隠してる。間違いなく企んでる。
だから、要経過観察、です。
これそもそも論みたいなことになッちゃうんですが。
軍隊って、兵隊さんの数が多けりゃイイってもんじゃないんですよね。
数に任せて突っ込んで行くなんてのはタダの無駄。まるで要らないことですよ。
必要なのは、重要なところに戦力を集中させて、敵さんチームのことをよくよく観察して、よーく考えて行動すること。そうすれば、必ず勝利がゲットできます。
ちゃんとした分析も計画も考えも無しで、しかも敵さんチームを過小評価しちゃってるような人が戦争をおっ始めちゃったら、確実に取っ捕って、お終いです。
さっきもちらっと言いましたっけ?
兵隊さんがまだ全然打ち解けてくれてないっていう時期に、いきなり怒ったり罰したりする様な将軍には、誰も着いてこないですよ、ってオ話。
将軍が兵隊さんたちに尊敬されてなくて、親しみも抱かれてないって状態じゃあ、兵隊さんたちを動かすことなんて出来ませんって。
逆に、兵隊さんたちが将軍にしっかり懐いてくれている状態になっても、それだけで安心しちゃイケません。
ちゃんと叱るべき時には叱って、褒めるべき時には褒めてあげるようにしないと、かえってやる気が失せちゃいます。
だから、兵隊さんを「指導する」ときには穏やかに、「命令する」ときには威厳を持って行うことのが大切なんです。
そのやり方こそが「必取」なんですよね。
つまり絶対に目標達成する、必ず勝利する軍のあり方は、飴と鞭で作り上げるんですね。これ大切。
規律が常に徹底していて、当然王様や将軍自身も身を律していれば、兵隊も民もちゃんそれを学び取って、キッチリ付いてきてくれますヨ。
上の人がいつもちゃらんぽらんで、決まり事を守ろうともしない、都合のいい嘘ばっか吐いてる……なんてのが見え見えだと、兵隊や民に真面目にやろうっていう気は起きないです。
そもそも、そんな見るからに駄目な感じの偉い人なんて、尊敬できるわけもないじゃないですか。
上に立つ人が普段からちゃんと身を引き締めてないといけません。法律も軍令も正しく運用しなきゃダメです。
そういうちゃんとした偉い人にこそ、民衆は賛同してくれるんです。
いやこれ、マジな話っすよ。




