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Dr.イエローエンペラーはゴイスーなお方っす。

 オレ、考えたんですよね。


 遠征(ロードゲーム)して戦場(ステージ)まで来て布陣(セッティング)しようって時は、必ず斥候(スカウトマン)を出して、周りの様子とかをよく調()()()おいた方が良いんですよって話なんですけども。それ、これから語っちゃうんで、聴いてください。

 あ、(モチ)(ロン)調()()()ってのは周りの様子をざっくり見るって意味だけじゃない訳で。

 現地を見て地形が判ったら、その地形に合った行軍(マーチング)布陣(ポジショニング)の仕方を取らないといけないかなーてことまで含めて、の話になりますよ。


 例えば、いろいろ訳ありで、山の方に進軍しなきゃいけないって時、ありますよね?

 そういうときは、谷沿いに進んだ方がいいんですよ。

 谷沿いに、できるだけ高いところまで登っちゃう。そうやって、敵さんチームを見下ろす感じのポジションを取るのがグッド。

 逆に、敵さんチームが先に高いところに行っちゃってたって場合は、後から登ってって戦おうなんて思っちゃノンノン。

 相手より標高の高いところに陣取る。これが山岳地帯マウンタナスリージョン戦争(センソー)するときの心構えですネ。


 それから川とか池とか湖とかの水っ縁なんですけども。

 自分達のチームが川とか湖とかを渡るルートを取る場合は、渡っちゃったらダッシュで遠離って下さい。

 渡り終った直後の、水を背にした状態で攻撃されると、結構ヤバイんですよ。だって、動きづらいでしょ? 後ろに下がるのが難しくなる訳ですから。


 って事はつまり……そう敵さんが川を渡って来るって時は、攻撃のチャンスってコトです。

 あ、でも、渡ってるときに攻撃しちゃ壊滅的にダメなんですけどね。

 そう、大体半分くらいかな……それくらいが水から上がってきてから攻撃仕掛けた方が良いンですよ。

 ほら、渡り終えた連中は戻るに戻れないし、川の中の人達(ヒトタチ)も進むに進めなくなって、隊列が大混乱しちゃいますからね。

 そうなったらこっちはボーナスステージ突入です。


 ただ、いくらチャンスでも、気をつけないといけないこともありますよ。

 例えば、川の側まで行って迎撃しちゃう……これダメですからね。

 オススメは、上流から攻め込む方方法。そうすると水の流れをの勢いを、自分達に乗っけられちゃいますよ。

 逆に下流から、つまり川を(サカノボ)る格好で攻め込むのは、マジ(マズ)い。相手に水の勢いが乗っかっちゃいますもん。それに下流にいて水攻めされたら大変なことになっちゃいますからね。

 ってな感じのが、川の近く(リバーサイド)での戦い方のコツです。


 背水(ハイスイ)陣?(ジン) あれ、ダメ。ホント、ダメ。素人にはお勧めしません。

 相当な理由が無いとやっちゃ行けないヤツです。

 例えば、

「自分のチームが寄せ集め部隊で、訓練もちっともできてなくて、士気もグダグダだから、本気を出させるためには、わざと辛い状況に追い込んじゃう必要がある」

 とか。

「絶対な勝算がある【別の作戦】が同時進行してて、そこから敵さんチームの目をそらさせるための(デコイ)の部隊として、誰の目にも駄目な設営をしちゃう」

 とか。

 そういう「どうしてもな都合」「作戦上の理由」があるわけじゃないなら、ダメ、絶対。


 次。

 出来れば避けて通りたい沼とか湿地なんですけど、どうしてもそこを通ンなきゃいけないってこともありますよね。

 そういうときは、もう大急ぎで走り抜けちゃって下さい。立ち止まっちゃダメです。兵隊さんは足取られちゃいますし、資材を運んでる後方部隊(バックアップメンバー)(トラック)も重さで沈んじゃいますよ。

 万が一、湿()ケっぽいところで戦闘(バトル)開始(スタート)しちゃいそう、なんて場合は……うーん、そうですねー。

 池沼地帯から出られないなら、湿ケっぽい場所の中のできるだけマシなところに場所を移しましょう。

 綺麗な飲み水を確保できるところ。沼地の水分って、飲み水にはあんまり適してませんからね。兵隊(メンバー)さんの衛生管理(ヘルスケア)のためにも飲み水は大切なんですよ。

 草がしっかり生えてる草地。これね、お馬さんのご飯の確保ができちゃうでしょ?

 そンで、木がいっぱい生えてる林っぽいのを背にしたところ。これ、万一撤退するときに林の中に逃げ込んじゃえるし、なんなら伏兵も仕込めちゃう。

 そういうベターなポジションを選んで戦闘し(バトッ)てください。

 そうすれば湿地帯(ダンプエリア)でもどうにか戦えるんじゃないですかね。


 平地で戦うときは、できるだけ足場のイイ場所を選んで布陣しましょう。

 それで、ですよ。平地ってったって、多少の高低差(アップダウン)はありますよね。それ、よーく観察して下さいよ。小高い丘を右の後方にする感じにするのがベターなんで。

 んで、少しでも低い方を前に、ちょっとでも高い方を後ろ見る場所、これがベストポジションですね。

 って言うのが、平らな陸地(フラットランド)での戦い方のポイントです。


 こーいう感じで、山・川・沼・陸の四つの戦場で有利に戦って、伝説時代(レガシィ)な中華の国を平らげたのが、我らが偉大なご先祖様・Dr.(ドクター)黄帝(こうてい)ですよ。


 ご存じですよね、黄帝さま。

 元姓は公孫(こうそん)。後々姫水(きすい)ってとこの近くで生まれたってんで()に変えちゃって、氏は有熊(ゆうゆう)、号すること軒轅(けんえん)

 戦争がマジ強くて、化け物めいた鉄仮面軍団の蚩尤(しゆう)とかいヤツをぶっ倒して、その頃の天下を統一しちゃった凄い人。そのうえ、聖人(エライひとは)不治已病ビョーキになってからなおすんじゃない治未病ビョーキになるまえになおしちゃうんだよっていう、予防医学っぽい思想を始めたスーパードクター。

 多分、今から三千年ぐらい未来(さき)倭国(ジャパン)では、高級栄養ドリンク剤に名前を残しちゃってますよ。

 ゴイスーですよネー。マジ、リスペクトしちゃう。


 大体、戦争(センソー)の時っていうのは、高いところ(ハイ・ポイント)に陣取るのが良くて、低いところ(ローポイント)にいるのは良くないもンです。

 それから、日当たりの良いパーッと明るいところが良くて、日陰のじめっとした暗がりはダメ。

 あ、これはそーゆー土地だと戦闘の時に「地勢を知ってるチーム有利、知らないチーム不利」みたいなことが発生するからってこともあるンですけども、どっちかってーと兵隊(メンバー)さんや軍馬(おウマさん)とかの健康(ヘルスケア)のためってのが強かったりするんですよね。

 だってほら、兵隊(メンバー)さんがいなけりゃ軍隊(チーム)は成り立たないでしょ? 馬がいなけりゃ戦車は走れないし、荷物だって運べない。

 だから最低限、兵糧や飼葉(ゴハン)が確保出来る場所、モノが腐っちゃわない(トコ)を選んで陣地を作らないといけません。

 そうすれば、兵隊(メンバー)さんが病気になるなんてこともないし……これ大きな声じゃ言えないけど、おなかがすいて逃げちゃうようなこともないんじゃないですかね。

 なんにせよ、美味しいご飯と健康的な環境が大事。待遇を良くしてあげればみんな頑張って働いてくれますから。そうすれば必ず勝てちゃいます。


 ほら、さっきも高い丘を右後ろにしよう、って言いましたよね。

 丘や川の堤防とかそういう小高いところがあったら、それを右後ろにした陽当りの良い方、つまり小高いところの東南(サイド)に陣地を設営しちゃいましょう。

 こうすれば、兵隊(メンバー)さんたちは過ごしやす。なにより地形の助けられちゃいますからね。言うことナッシンじゃないですか。


 あ、そうだ。

 川の上流で大雨が降ったりすると、下流の方はちょっと遅れて水位が上がる訳じゃないですか。

 だから、もし川の水を観察して、

「ジャバジャバ水滴が()ねてるぞ」

 って感じで、水流や水位が()()()()()に見えたら、その時点で

待て(ステイ)

 です。

 どんなに渡りたくっても、流れが安定するまで止まれ(ストップ)ですよ。


 こういうとき、

「この辺では雨降ってないしー、そんなに濁流って感じ? じゃないからー、多分平気ー」

 なんて適当な判断で渡っちゃだめっすよ。水の勢いってのは見た目よりもずーっと強いんですから。

 思ったより流れが速くて足を取られてちゃったり、水が濁ってて深みと知らずに足を踏み込んじゃったりしたら、目も当てられない大惨事(アクシデント)発生、ですからね。

 おお、コワイコワイ。


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