4/13
こっちでの俺の名前
「……んで?レイさんはなんでここに?」
疑問を投げかけた。するとレイは驚いた顔をして、「忘れちゃったの?」
と言った。いや、何を忘れたと言うのだ。俺はちゃんと「木崎千尋」の記憶あるぞ……こっちでの俺の名前は知らねぇけど。
「チヒロ?」
ん?なんで千尋って名前で困惑してるんだ。まさかこっちでの名前は千尋じゃないって言うのか。
「うん、チヒロじゃない。キミの名前、チヒロじゃない」
は?まじかよ。
「な…なんて名前なんだ?俺は」
「ノア」
あっうん、全く知らないわ。てかこっちで何歳なのかも知らねぇし、なんで俺ここにいるのかもわかんないんだけど。
「ノア、ホントに何も覚えてないの?ボクの事も自分のことも」
しびれを切らしたようにレイが聞いてきた。しかし、俺はその「ノア」の記憶がなく、「木崎千尋」の記憶しかなかった。
「悪ぃ、わかんない」
そう告げるとレイは悲しそうな顔をした。そして、「全部はあのくそ神の所為だ」
と呟いた。




