3話
こうして、私はエディタ、イレーネと一緒に勉強をする事になった。
イレーネは最初こそ動揺していたが、一人ではない状況と優しく教えてくれる先生に安心したようだ。
そして分かったこと。
まず、この世界は魔法とか使えちゃうし、精霊なんかもいる世界だ。
この世界の始まりは時の精霊であったと伝えられていて、魔法にも精霊の加護が宿る。
つまり、精霊の加護がないと魔法は使えない。
ただ、気まぐれな精霊が多く、気に入った人には加護を与える精霊も多いので、人族でも魔法が使える人は一定人数いる。
精霊に近い存在であるエルフや四大精霊の下位種族にあたる、サラマンダー、ウンディーネ、シルフ、ノームなどは目に見える存在ではあるが、魔法が使える。
加護を与える事ができる精霊は時の精霊のみで、時の精霊は全ての精霊の頂点に存在する。
その為、加護が与えられているなら、得手不得手はあるものの、どの属性の魔法も使えるようになるという事らしい。
肝心の判別方法は加護の瞳という魔眼を持つ人に見分けてもらうか、加護の杖という道具もあるらしいが判定するのに大金が必要になるとか。
将又、魔法が使える人を真似したら出来てしまった、何て言う偶発的に分かる人もいるんだとか。
判別方法が限られている所為もあってか、知らないで一生を終える人もいるらしい。
次に国についてだが、この国はルズベリー王国と呼ばれる王国で、他にペリオーラ王国とリュノール王国という三国が精霊の森という森を囲い、連合国として共存共栄している。
周囲に点在する国々とも戦争や内戦はなく、モンスターはいても平和な世だ。
さらにここはルズベリー王国ケイスター領といい、王都ルズベリーに行く街道沿いの宿場町として栄えている。
領主は私の父であるロワイエ・ケイスターだ。
パパ領主様だった。
家庭教師を雇うとか、お金持ちだな~とは思っていたんだけど、まさか領主だったとは。
各地にはダンジョンがあり、ギルドも設立され、冒険者を募っている。
一攫千金を狙う者や、街中の仕事を探す者もギルドに登録するのだとか。
冒険者を目指してみるのもありかも。
父様が許してくれるかは別だけど。
最後に言語については、元の世界のアルファベットに似た文字なんだけど、違った文字を使っているみたい。
そして聞く事や言葉を言う事、文字を読む事に関しては翻訳されているのか、不自由はなかった。
ただ、書く事に関しては練習しなければいけなかった。
…なんでそれだけは自力で覚えさせたの。ナハトさん。
しかし、転生時にナハトが言っていた『才能の種を付与する』というのは本当らしくて、周りの目を盗んで文字を書く練習をしていたら2~3日で覚える事ができた。
通常子供が文字を覚える早さを考えれば、異常に早い。
なんだかんだ『才能の種』という特典を確認できる事となった。




