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-古びた駅- 続き

光はバチっという音と共に周囲を照らした。光の正体は蛍光灯だった。バチバチとブルーライトに虫が激突したような音を鳴らしている。


駅のホームのようだ。地下鉄だろうか。

落ちてきた先を確認するが無機質なダクトやパイプが張り巡らされているだけの天井だ。長時間落ちてきたとは到底思えなかった。

ダクトには風が抜けているようで唸り声のような音がする。壁という壁はどこもかしこも煤けている。シミの1つ1つが顔に見えて気味の悪さに拍車をかけた。

ホームから線路を見下ろす。錆び付いていて何年も使っていないように見える。蛍光灯に照らされた自分の影が揺れている。線路の先には闇が続いていて、降りる気にはならなかった。

「なにこれ…」

独り言は仄暗いトンネルにじんわりと反響した。


鉄パイプと鉄板で作ったよう無機質なベンチに腰掛ける。ズボンが汚れたがそんなことはどうでもよかった。

壁の標識には駅名が書いてあるようだが、かすれていて読めない。


異常な事態に滲むような不安が胸を満たした。

後頭部のあたりが冷たくなっていく気がする。

記憶を整理する。

放課後、学校の玄関を出た。一人だった。

その日は朝から晴れていて気持ちのいい日だった。太陽は出ていて雨雲も見当たらないのにどこからかさらさらと雨が降っていた。いわゆる狐の嫁入りだ。

そんな空を見上げていると眩暈がして、気を失った…のだろうか。

ここまでの経緯は分からない。空を見上げていただけなのに。

僕は死んだのだろうか。ここが死後の世界なら地獄で間違いないだろう。案内係くらいいてもいいのに。罪状を教えてほしい。

一生このままかと思うとぞっとした。

続くかな?

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