43章 NEW DORAGON
日乃本にやっとこさついたイリスだったが…
「行きなり歳を聞くのですか?」
「エルフなのだろうお主はでは見た目では判断がつかないのだ」
「年歳くらいに見えますか?」
「そういった質問には答えない主義なのでな」
「でも、歳は聞きたいんですね?」
「そうじゃ」
「それでは、まだ10代ですとだけ」
「まぁ、良いわ」
「年歳くらいに見えますか?」
「そういった質問には答えない主義なのでな」
「でも、歳は聞きたいんですね?」
「そうじゃ」
「それでは、まだ10代ですとだけ」
「まぁ、良いわ」
“いいのかよ”と心の中で呟いた。それから、私はその空間から出て朝起きた。朝起きてから、すぐに朝食を取り、冒険者ギルドに行った。冒険者ギルドにはあまり多くの人がいなかった。ギルド自体が少ないので利用者の人数が少ない事が分かるが、クエストのランクを見て驚いた。高ランク帯のものが沢山あった。ドラゴンや、危険モンスターの討伐や希少な植物の収集などがある。なので自分が受けられるクエストがあるのか聞いみた。
「では、こちらではどうでしょう」
見てみると近辺に群生している薬草の採取などが主となっている。その中でも討伐が一つだけあった。その内容が、あまりよろしくなかった。すばしっこく走り回る小型の犬のようなモンスターの討伐だった。モンスターの図が書いてあった。名前は“フーフィー”と書いてあった
「これの討伐のクエストを受けます」
「これですか、分かりました。では、気を付けてくださいね」
「はい」
そういうと、私はギルドから出ていき、出没地点である森へ向かった。森に行くと、すごく簡単に見つける事が出来た。フーフィーがこっちを確認すると、一目散に逃げていった。私にはあまり早くないように見えたなので、魔術でスローイングピックを作って急所に当てる事に成功したので見つけ次第獲っていたら、討伐数を超えていたので、そのままギルドの方へ持って帰った。
「このまま特定部位の回収はせずにそのまま持ってきました」
「はい、では確認致しますのでそのまま出してください」
「はい、わかりました」
複数体の死体をカウンターに出すわけにはいかないので、別のカウンターに出した。すると、あまりの数に驚いたのか大きな声を出していた。なので、こちらも少し驚いたがそれでも普通で通した。
「これぐらいですが大丈夫ですか」
「はい、このフーフィーのお肉はおいしくて精肉店に卸すこともあるんですよ」
「では、もう少し取ってくればよかったですね」
「いえ、40体もあれば十分ですよ」
「そうなんですか、では報酬金をいただけますか?」
「はい、分かりました。では、用意しますので、少しお待ち下さい」
少し待つと
「こちらになります」
「あれ、少し多くないですか?」
「こちらはギルドからの追加報酬となります」
「些か追加報酬の額が多いような気がしますが…」
「そんな事はないですよ。あの森は奥まで行かなければ、危険なモンスターが生息していませんが万が一という事も十分あり得ますので」
「分かりました。もらっておきます」
お金をもらってからクエストボードの方へ行って何かあるか見に行くと、手軽そうな者が無かったのでやめておいた。当初此処に来る目的は自分の中ではこの地特有の剣を見る事に重点を置いていたので、あまり長居をするつもりはないので大丈夫だ。就寝までにまだ時間があるので、これから鍛冶屋に行く事にする。鍛冶屋に行くと、職人が奥で剣を打ち客を相手する人が剣の値段などを教えて購入してもらうというシステムに関しては、どこも同じなのだなと思った。
「いらっしゃい。何をお探しで?」
「そうだね。自慢の一振りを見せてほしいの」
「女でも扱える刀で、自慢の一振りかい?」
「そうです」
「難しいね。此処にはあまり女が振れるような刀は…ち、ちょっと待っておくれ」
奥に行くとすぐに綺麗な袋に入れてある見事な業物を持ってきてくれた。
「これは、あたしが見てきた中でも特別いいものだよ。ただ、これに関しては魔術の付与がされている魔法刀で刃こぼれも一切しないよ。でも、デメリットが有って誰も扱えないんだよ。理由は分からないんだ」
見てみると確かに魔術の残滓が見える。ただ、その残滓は凄く少ない。しかし、この刀は解析してみると脆く貧弱のようだ。なので他の刀を持ってきてもらった。そして、購入に至った。購入して自分の手で持ってみて、切れ味抜群だが、重量感が凄く筋力が足りないように感じる。王国の禁書庫の中のエルフに関する書物の中に“筋力はあまりつかない”と書いてあった事を思い出した。ので、近くの鉱脈を探し、ミスリルを出して炎魔術で鍛冶し直し、不純物を取り除く事に成功した。すると刀の軽さは異常なまでに軽くなった。刻印を刻み込み、空間魔術の応用でどこにおいても手元に来るように細工しておいた。
「森にでも行くかな」
森に着くと私はやる気が満ち溢れ、自然と動きが軽くなった。狩りの途中で思い出したが、この辺りのあの空間の持ち主の龍がいるはずなのを思い出し、森の中を探し回り2時間が経過しただろうか。ついに発見した。途中に邪魔してきた魔獣は安らかに眠ってもらった。
「誰かいますか?」
私は苔が生えた大樹の空間の中に入り、大きな声を出して呼び掛けてみると、奥の方から例の龍があらわれた。
「お主はあの時の」
「はい、私です。ところで、貴方かは分かりかねますが、ドラゴンに討伐のクエストが張り出して有ったのを偶然目にしたので、“此処を離れた方が良いのでは?”との相談に来たわけなのですが…。貴方は勿論此処の守護者なのでしょうから、離れる訳にはいかないでしょう?」
「そうじゃな、お主の言う通り、儂は此処の守護龍である。儂とて、人間に狩られるのも面白くはない。しかし、此処に居っても見つかり反撃し、大群が攻めてくるだけじゃろう。だから、儂は考えた。“お主の中に入ればいいんじゃ”と」
「確かに、龍は私の中に2人ほどいますが無条件でいてもらっている訳ではというか、力を私に分けてもらっている関係になります。なので、貴方からも力の提供をしていただく事になりますが、いいんですか?」
「儂は構わんよ。それにお主の中にいた方が、何かと楽しそうじゃからな」
「分かりました」
そういうと、前に居た龍は私の胸のあたりに吸い込まれるように入っていき、私の体には今までにない癒しの力が満ち溢れてきた。
「いつも攻撃力を底上げしてもらっていたからこの力はありがたい」
“そうじゃろう?儂は戦闘系は嫌いでな、気付いたらこんな力が出てきたんじゃ”
「そりゃあ、ありがたいですね」
さて、ここでの目的は達成したので、日乃本からゲートで港町あたりに戻って、と思ったがイリスのいる城に戻る事にしたので、早速戻った。
戻るとメイドさんが私を見つけ凄い騒ぎになっていた。
「イリス帰ってきたの?」
「一旦帰ってきただけよ」
「また行くの?」
「うん、冒険者ギルドにも入ったから」
「ところでイリス?」
「ん?」
「この武器は何ですか?」
「私が買ったの」
「何故?」
「そりゃあ、私だって武器が欲しかったから」
「貴女のレイピアの腕前の凄さはあなたが思っている以上に凄いものよ」
「え、平凡じゃないの?」
「ソフィアは誰かを戦わせようとした事があった?」
「そういえば、なかったかな」
「そうでしょ、私が腕前を教えるとなんか変な声出して青ざめていたのよ」
「因みになんて言ったか教えてくれる?」
「うん、イリスはねドラゴンをすぐに倒せるような腕前でそこいらの人間なんてすぐに倒せるんじゃないかって言っただけよ」
「うん、確実に冗談入っているよね」
「全然、まったくもって本当の事よ。この国の守護龍から巫女に信託が来ていると言われたから」
「この国に巫女なんていたんだね。初めて知ったよ」
「そうなの?イリスも小さなときなら何度か会っているわよ」
「え、そうなの?」
「そうよ。かなりの歳だけど、なんややたら元気なのよね」
「そ、そうなんだ。取り敢えず寝てくるよ」
「お風呂に入ってからね」
今回も何とかなりましたが、まぁ読んでいただけるとありがたいです。




