36章 ミスコンへ 準備編
食事会から帰ってきて疲れていたイリスは…
翌朝、私は目が覚めよほど疲れたのかぼさぼさになった髪の毛を整え、洗顔などの身支度を整え学院に行く準備をし馬車で出かけた。しばらくして学園に着くと校庭に誰もいないのが目に留まった。よーく思い返してみると今日は休日だった事を思い出した。少しその場で考え、学院の私の執務室に行って仕事をする事にする。私の執務室を開けると書類の山が私を迎えてくれた。
「せっかく終わらせたと思ったのにすぐに溜まってしまうまぁ明日も休みになるから大丈夫だろう」
するといつものように紅茶を淹れてくれているミーシャが
「こんな休日なのに仕事するイリス様は凄いですよ。でも、身体の方はちゃんと休めて頂かないと私生活に支障をきたしますよ」
「大丈夫だよ…たぶん」
「たぶんじゃ困りますよ。絶対ぐらいじゃないと」
この事を聞いて私は渇いた笑いしか出なかった。あまり自分が働きすぎだとは考えていなかったため、指摘されて実際ハッとした部分もある。
「そうなのかもしれないね]
「そう、確実にそうです」
「仕方ない、じゃあ午前で切り上げる事にするよ」
「それがいいかと思います」
しばらくして、陽が高くなった頃私たちは馬車で城へ向けて移動していた。無論帰るためだ。しかし、途中で馬車を止めて紅茶の茶葉の新しいのが入ったかどうかの確認をしに紅茶専門店に入った。店主にどうかを聞くと、入荷しているようだったので、それを1回分買って持って帰る事にした。後で、ミーシャに淹れてもらおうと思う。それからもうしばらくすると、やがて城が見えてきて到着した。
「おかえりなさい」
「ただいま」
偶然ソフィーが玄関ホールにいるときに帰ってきたようだ。新しい茶葉が入ってきていたのでおいしかったら買って欲しいと伝えて自室に帰り、ミーシャに先程購入した茶葉を渡し紅茶と淹れてもらった。キームンのような香りがする。リンゴのような香りだ。ストレートでもおいしいが、これの場合はミルクティーの方がおいしくなるのではないかと考え1杯目はストレート2杯目はミルクティーで楽しんだ。ソフィーにも渡してみると高評価をもらえた。という事で定期的に購入する事が決定したみたいだ。そして自室に帰って鞄に入っている書類一回すべて確認してもう一度鞄に戻しておいた。少し時間が経つとミーシャが昼食に呼びに来てくれた。
1階に行くともうソフィーが席に着いていた。なので私も席に着いた。席に着くとすぐに食べ始めた今日の昼食はロールキャベツでロールパンだった。個人的には黒パンもすきなのだ。なので今日の夕食はポトフがいいなと思うので、食事の担当の人に提案してもらえるようにミーシャに頼んだ。食事が終わり階段を上っていると、マルグレットが走ってきた。走ってきた理由を聞くと“ポトフの作り方が分からない”ということらしい。私の知っている簡単な作り方を教えてあげるとあとで味を見てほしいと言われたので、快諾しておいた。しばらくすると、マルグレットが来てくれた。早速味を見てほしいらしい。
「完璧に私の言ったレシピ通りですよ」
「はい、頑張ってこのようなものかなと思い一生懸命作りました。しかし、試作なのでお口に合うかは分かりませんが」
「では早速だけどもらうよ」
「どうぞ」
「いただきます」
ベーコンやジャガイモのうまみが口の中に溢れてきます。キャベツの甘みも出ていてとてもおいしい初めての品とは思えないぐらいおいしい。
「これとてもおいしいですよ。本当に知らなかったんですよね?」
「はい、このような料理は作った事はありませんが、お口に合ったようで大変安心しました」
「謙遜なんてする必要はありませんよ」
「いえいえ謙遜なんてそんなことはないんですよ」
「これに合うパンは黒パンが良いと思いますので、黒パンでお願いね」
「はい、わかりました。用意しておきます」
気分が上がってウキウキしていた。自室に戻る自分の足取りのいつもより軽々している。自室に戻ると窓に白い伝書鳩が止まっていた。手紙を受け取ると、クルスからだった。内容はお風呂を改装したから見に来て欲しいとの事だった。なので、“時間が出来ればね”と返しておいた。
「あぁこう何にもないと暇でしょうが無いわ」
口に出したものの、幾分することがないので寝た。次に起きると、夕暮れ時だったのでもうすぐ夕食の時間になるだろうと思い、下のホールに降りていくとミーシャが呼びに来てくれるところだったらしい。いいタイミングだったみたいだ。
「今回はちょうどだったみたいだね」
「そうよね、昼食の時は遅かったから」
「あの時はほんとごめんなさい」
「まぁ、大丈夫よ。そういえば今回のメニューがイリスが考えてくれたみたいね」
「まぁ、そうだね。おいしいし、黒パンもおいしくなるよ」
「黒パン自体は固くて食べたくないのよね」
と、話しているとミーシャが運んで来てくれた。パンが丁寧に切ってある。ポトフとパンを食べ終え、しばらくしてお風呂に行く事にした。お風呂は室内の陶器のお風呂に入浴して次の日は学校があるため早くベッドに入って寝た。
次の日になって学校に行くために身支度もちゃんとやって、鞄などもちゃんと持った。馬車に揺られながらソフィーも馬車に乗っている。勿論、ミーシャも乗っている。しばらく経つと学院が見えてきた。学院が見えてきて門をくぐると張り紙が張ってある事に気が付いた。ソフィーにあれは何か聞くと、あれは“ミスコン”だそうだ。
「ミスコン?」
「そうだよ、その名の通り立候補者を選出してその中から一人を選挙形式で選出して美少女を選出するっていうコンテストだよ」
やり方自体は向こうの世界と同じなんだなと心の中で呟いた。
「出る人自体は決まっているのかな?」
「たぶんまだじゃないかしら、どうして?」
「此処にはあの会長がいるでしょ、私を絶対に申し込むだろうと思ってよ」
「可能性は…あるわね」
「何を話しているのかな、イリス?」
「あ、おはようございます会長」
「うん、おはよう。おはようございますソフィア理事長」
「はい、おはよう」
「さっきは何の話をしていたん…だい?あ、そうかイリスはここのミスコンの事を知らなかったよねだから不思議におもちゃったんだね。あ、申し込もうとしてた?」
「いえ、そんな事はないですけど」
「イリスの分は私が申し込んでおいたから心配しないで」
「やっぱりね」
ソフィーの方を見ると、(やっぱりね)と顔に書いてある。知っていたが、流石に手が早くて驚いた。
「運営委員会自体はどこの部署が担当しているのですか?」
「主に企画を出すのは生徒会だけど、もともとの企画の原案を出してきたのはうちにある演劇部なんだ」
「運営委員会の支給費用はどうなっているんですか?」
「それに関しては、この学院とドラゴニアの方からも寄付金やこの学院の運営金の部分を取っているよ」
「書類に関してはどうしたんですか?」
「全て私が作成しておいた」
「いつやっていたんですか?」
「少しづつ今日までやっていたんだ」
「そうなんですか!ひょっとして私を驚かせようとしてですか?」
「まぁ、最初はそんな事は考えていなかったけどね。最近になってからさ」
「そうなんですねってこんな呑気に話している場合じゃないですよ!執務室に行って早く書類をかたずけないといけないですよ」
「そうだね、そろそろ行かないといけないね」
「そうですよ、急いでください。私は強化魔術を掛けて走っていきますから先に行きますね」
「あぁ、気を付けていくんだよ」
「えぇ、会長も早く行った方が良いですよ」
といった後、私は疾風の如く駆け出しあっという間に自分の執務室に着いた。そこから久しぶりの自分の教室に入ったクレール先生が入ってきた。クレール先生も久ぶりに出会った。朝のHRが終わり、授業の教室へ入ると担当の先生が“あなたは私たちの知識量を凌駕しているわ”と言われた。定期のテストの悉くを100点にしたのがダメだったのだろうか?そういわれたので、“私は出席しなくてもいいんですか?”と聞くと、“そうよ、免除になっているわ上級生の方の授業を見に行っても構わないわ”と言われた。仕方ないので、私は自分の執務室に帰ってミスコンの準備を始めるために新規の書類の作成を始めた。新規の書類を作成した。自分のやりたくない事をなぜ自分の手で進めなければならないと思いながらも。
しばらくした後に、書類の作成を終わらせた。少し暇な時間が出来たので、会長の部屋に行ってみるとドアに鍵がかかっているので、授業に出ているのだろうと思ったので、私は自分の部屋に戻る事にした。その途中で会長に出会った。
「何か用でもあったのかい?」
「いえ、書類の進捗状況を見に行こうとしていただけなのですが、お留守みたいだったので、自分の執務室に帰ろうとしていただけですよ」
「そうなのかい、じゃあ私のところによって行くかい?」
「折角ですし、行かせてもらいますね」
すると会長は“決まり”と言うと、私の手を掴んでそのまま廊下を走り出した。なので私は“まだ会長も子供っぽいロころがあるな”と心の中で言っていた。そんなこんなで、会長の執務室の前に着いた。
「はいってよ」
「お邪魔します」
入ると、いつもと違い書類の山が出来ていなかったどうやら、準備していたというのは本当らしい。なので少し安心してこの調子ならしばらく仕事量も増えないなと高を括っていると
「仕事が欲しいのかい?」
と聞かれ少しビクッとしたが、“いえ、今回は毎回のように仕事量が無くて安心しているだけです、それに私のところに置かれてもいやですからね”と言っておいた。
「じゃあ、仕事が欲しい訳じゃないんだね」
「そうですね、ここ最近はあまりまともに休めているような気がしないですね」
「こっちとしては休んで欲しいと言いたいけれど授業の方は大丈夫なのかい?」
「あ、その事ならお構いなく教科書の内容はほとんど暗記していますし、それに先生から“上級生の授業でもいいんじゃない?”って言われたぐらいですので出席はしなくても単位はもらえるので大丈夫ですそれにやろうと思えばいつでも卒業できる事を覚えておいてくださいね?」
「そうなのかい、じゃあ、私の勉強で分からないところも教えてもらえるという事かな?」
「そういうのは少しは教えますけど、あくまでヒントを与えるだけですよ」
「わかってるよ」
「それはそうと、イリス」
「はい、なんですか?」
「ミスコンに関してなんだけど、当然この国の国賓やドラゴシアの国賓、上級貴族から下級貴族まで集まってくるからね」
「えっ!、そんな事聞いてませんよ!」
「そりゃあ、だって初めてここで言ったから」
「そんな…そういう事ですか」
「そういう事とは?」
「とぼけないでください、こんなところで正式に決まってから会長が言うって事は、私の逃げ道をつぶしておいての作戦なんですよね?」
「あ、ばれちゃった?」
「会長の策にはまった私が悪いんです」
「ねぇ、怒ってる?」
「少し」
「ごめんねぇ~」
「そんなニヤニヤしている顔で言われてもね、はぁ~、まぁ私は甘ちゃんなんでどうせ許しますよ」
「やっぱり甘いな。イリスは」
「性格はそう簡単には変えられませんからね。それに関しては仕方ないじゃないですか」
「確かに」
そんな事を話ながら、少し前に持ってきてくれたミーシャの淹れた紅茶を飲みつつ会長の部屋にいたが、時間を見てみると丁度いいお昼の時間だった。なので一緒にお昼を食べる話になった。何処で食べるかという話になったのだが食堂は賑やかなので少し遠慮したい有無をいうと会長が悩んだので、私は前に行った隠れ家的なあの店を紹介する事にした。
「少し移動する事になりますが、いい店がありますよ」
「そうなのか、じゃあそこに行こうじゃないか」
「では、校庭の方へ出てあの木の裏手の所です」
「学院にこんな場所があったなんて私は知らなかったぞ」
「マスターもそう言ってましたからね」
「いらっしゃい、よく来たね」
「はい、最近は忙しくて来れなくてすみません」
「いいよ気にしなくて、それにお友達もつれてきてくれたじゃないか」
「お友達?あぁ、紹介がまだでしたね。こちらはこの学院の実質ナンバー2の会長です」
「初めまして」
「こちらこそ」
「しかし、このような店がある事なんて知らなかったですよ」
「まぁ、立地的に見えにくい位置だから仕方ないからね」
「そうだ、もうすぐ始まる毎年恒例のとあるコンテストがあるのをご存知ですか?」
「この学院でコンテストこの時期だと…知っているよ」
「そうですかそれならば話が早い、そのコンテストの審査員の一人になってほしいのですがいいですか」
「大丈夫だと思うよ」
「よかったではその時はお願いしますね」
「はい、わかったよ」
「会長いいんですか?こんな感じに決めても」
「いいよ、それに誰も文句は言わないはずだからさ」
「じゃあ、もうそれでいいです。マスター私はシチューがあったらシチューで」
「私はおまかせでマスターに任せるわ」
「了解少し待ってね」
4分ぐらい待つと、料理が出てきた。2回目だが、いつもとてもおいしそうだ。
今回も読んでいただきあリがとうございます。
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