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異世界で、現代の知識を使って国を建てる英雄が僕な件?!  作者: 十六夜 瑞樹
イリスの学園生活
24/44

24章 大量のお菓子

 学院祭が終わったイリスは会長の元へ御礼の為の手作りのクッキーを持って行こうとするが……

 さぁ、今日から学院が始まる。

 会長にも、護衛役として来ていてもらったので、今日は感謝の気持ちとして私が作ったクッキーを渡しに来たのだ。だが、肝心のクッキーがどこかに行ってしまったようなのだ。いつもそばにいるメイドさんたちに聞いてみてもみな口をそろえて「知らない」という。別段心あたりが無いわけではない。が、信じたくないだけだ。しかし、真実はそこにあるのだ!だから信じない訳にはいかないだろう?真実とは、クルスが食べているのだから。ムシャムシャと音をたてていたのだ。仕方ないので、そのまま食べさせておいた。下手に手を出すと新しいものを要求してくるかもしれないからだ。


 そういえば、昨日に今日帰るような話をしていたのに荷物も準備せずに何をしているんだと思いながら、時間も差し迫ってきているので、馬車に乗り込みソフィーが乗ってきたので出発してもらった。しかし、クルスに食べられていたのが、念のためにと思い作っておいた物で助かった。じゃなかったら、流石の私も怒っていただろう。なので、良かった。いや、しかし、朝にクッキーを取りに行くとクルスが食べていたので、焦った。


 だが、学院に行ってちゃんと渡す事が出来たので、良しとしよう。まぁ、この後の時間の授業があるので、少し早めに帰ってきた。次の授業は座学だ。剣もやっておきたいが、今は魔術に専念しようと考えた。


 兵法の座学の時間になった。だが、帝国の事を教えてもらっても、どうなのだろうか?と思うところである。だが、単位を落とす訳にはいかないし。なので、仕方がないが受けるが、この国は人口がよほど多いのか神風特攻隊が真っ先に浮かぶ、しかし、もっと効率のいい兵法もあるのだが。まぁ、そんな事しなくても100年後ぐらいには出てきそうなものなのだが、しかし、むやみに文明のレベルを上げるのもダメだろうと思いやめておいた。


 座学の時間が終わった。ずっと座りっぱなしで、身体がかたまっているが、この場所で全力で魔力を放出したらこの学院は滅んでしまうのだろう。なのだから何もしない方が良いのだろう。なんて考えていると、予鈴のベルが鳴った。私は急ぎ次の時間の教室に行った。


 次の時間は、創作料理の時間だ。なので、教室に来た。


「今日は、自分の思う物を作って見てください」


 そう聞くとみんなは、ぞろぞろと食材なり、調理器具なりを取りに向かったが、私は何を作るか決めあぐねていた。なので、今私が食べたいものを作る事にした。なので、ジャガイモと人参とグリンピースなどを用意したここまで食材を言ったら流石に分かりますよね。


 そう、肉じゃがだ。久しぶりに家庭の味という物を食べたいときもあるのだ。でも、食べてもらえる人がいないと思っていると一人いた。会長がいるじゃないか。なら、食べてもらえるだろう。


「これでよし!」


 材料をもってきて、適度なサイズに切っていく。口のサイズを考えて切っていく。下準備を終わらせたころ、ルーシィ―が隣で何かしていた。


「何をしているの?」


「イリス様と同じものを作ってみようかなとおもいまして」


「そうなの?」


「はい、でも作り慣れているイリス様と違って不器用な私が出来る事は少ないですからね。でも戦闘面の駆け引きは得意ですから」


「そうですか、まぁ料理などは馴れもあるわ。それに、器用だろうが不器用だろうが、気持ちを込めて一生懸命に作れば思いは届くわ。だから、“不器用だ”なんて自分を卑下ひげしないで?料理だったら、作れるものだったらいくらでも付き合ってあげるからね」


「はい、ありがとうございます」


「分かってくれたようでよかった」


 なんてことを言っているが内心では、“なんでこんな恥ずかしいことと言わなければいけないんだ”なんてことになっていた。


 しばらく自分を落ち着かせて、調理を再開させた。調理をしている間はさっき言った言葉を考えないようにしながら会長の事だけを考えて調理したが、予想以上に早くできてしまったので、ほかの物にも挑戦した。今回挑戦するのは、マフィンを作る。卵や牛乳サラダ油などを入れ次に、ベーキングパウダーを入れ混ぜ、オーブンに入れ様子を見ながら20分加熱すると見事に出来上がった。色も良い焼き色をしているし、近くにいたミーシャに一つ食べてもらったが、少し溜めておいしいと言ってくれた。溜めた間が怖かったけど、喜んでもらえたようでよかった。しばらくして、授業の終わりの鐘が鳴ったので、出来上がったものを持って最初は、カーミラ先生のところへ持って行って食べてもらった。食べると口元が即座というぐらいの速さで、綻んできて最終的にはだらしない顔になっていた。


「どうですか?(まぁその顔見てれば分かるんだけどね)」


「そうねとってもおいしいわね行きつけのお菓子屋さん以上かもしれないわ」


「そういってもらえると作ったかいがあるという物だ」


 そこから、マフィンを持って会長の部屋に行ったすると雑務に追われていたようだ。なので手紙に“あまり根を詰めては体が持ちませんよ。よかったら食べてください”と書いておいた。しかし、この学校の事を一手に引き受けている会長の姿は何処か輝いているように見えた。


 まぁ、大丈夫かなと思いつつ部屋を出てこれでひと段落着いた。そのあとに残っていた授業も淡々とこなし、学院の授業がすべて終了した。なので、早々に馬車に乗って帰った。


 城に帰ると、クルスはもう帰ったという知らせを聞いた。クルス用に持ってきていたマフィンがあったのだが、捨ててしまうのも勿体ないので、ミーシャに渡してみんなに配ってもらえるように促しておいた。これでみんな仲良く食べてもらえないですね、圧倒的に数が足りませんわ。キッチンを借りて今から作るしかないですね。キッチンに行って材料の確認をして、分量はあったので、作り始める事にした。分量などは憶えているので、このまま進行させていく。


 1時間後出来上がったマフィンをオーブンから取り出してみると、いい香りが辺り包み込んだ。お菓子の甘い香りにつられて野生のメイドさんが現れたので、実験台にしてあげた。おいしそうな顔で満足して帰ってもらえたようでよかった。冷めて出来たので、みんなを中央に集めて紅茶を淹れたりして給仕みたいな事をした。


 メイドさんたちがぎょっとした顔で見ていたが、ソフィーに協力を求めておいて正解だった。当然、休みたい人もいたりするので、休んでもらう意味も持たせてこの山割を買ってでたのだ。最初反対していたメイド長だったが、やっと観念してくれたらしい。席に座って食べてくれている皆がとても幸せそうで、こちらも嬉しい。


 みんな何故か嬉しそうに黙々と食べている。“せめて、おいしいぐらいポロっと言ってくれても”と思いながら見ていた。かなりの量を作ったのだが、みるみる減っていくんだ。見ていて自分の目を疑うよ。そのぐらいすさまじい勢いで減っていくんだ。


 疲れていても流石に食べすぎではないのか?まぁ、なくなれば停止するだろうけど、でもあの勢いは鬼気迫る勢いがある。でもいいかえればそれだけ喜んで食べてもらえているということなのだろうから素直に喜べばいいのだろうか。まぁ、もうなくなったっぽいし、お皿を回収しているとなぜかじゃんけんの声が聞こえてきた。見てみると残ったマフィンを取り合っているようだ。しばらくあいこが続いていたが最期はあっけなかった。勝った方は勝ち誇り、負けた方は床に這いつくばった。


 そんな事を見なかったようにお皿を回収した。ゾンビになっていたメイドさんも復活して、みんなで私にお礼を言ってきた。“喜んでもらえてよかったです”と返すと、解散していったので、多分自分の元の持ち場に戻って行ったのだろう。私としては、もう少し休んでくれても別に何の苦にもならないのにと思いながらお皿を洗っていた。そこに、ソフィーが来て自分も欲しそうにこっちを見ていたが“材料がないの”と言ったら下がってくれた。わかってくれたみたいだ。作る気はあるのだが、流石に材料が無くては話にならない。私は、引き続きお皿を洗っていると馬のなく声がしたので、門が見える方向の窓を見てみると、馬に跨ったソフィーが、街の方へ大急ぎでかけていった。私は、なぜあんなにも急いだのか少し考えた。さっきの場面を振り返ってみると、“材料を買いに行く”という理由で出ていったのなら合点がいく。あの時間なら大体30分ぐらいで帰ってくるだろうと考え材料が届き次第作れるように準備だけはしておいた。


 しばらく経って、馬の足音が近づいてきた。多分ソフィーが帰ってきたのだろう。玄関ホールまで行くと、髪がぼさぼさになったソフィーが材料の入っているであろう袋を勢い良く私に突き出してきた。多分急いで作れという事なのだろう。なので、急いで作ってあげた。多少まぁ、焼きの時間が入ったりするのは、ご愛嬌という事で許してもらいましょうか。


「出来たよ」


「待ってたわ~」


 飛び込む勢いでマフィンにかぶりついた!何あれマシンか何かなのか?何かが乗り移ったような跳躍力でマフィンの上を行き素早く後ろに振り向き、ムシャムシャ食べている。ちょっと怖いですよ。凄い勢い魔力みたいなものが出ていると言われているが、そんな事はないと思いたい。自分でも知らないうちにそんなスキルが解放しているなんて私は信じないぞ!


「美味しいわぁ~」


「そ、そうなの?」


「うん、至高の財を以ってしても手に入れたいようなものよ」


「それは、言い過ぎだよ」


「いや、そんな事無いわ。おいしいお菓子屋さんのお菓子以上においしいものになっているもの」


「そういえば、学院の先生にも同じような事を言われたわ」


「誰に言われたの?」


「カーミラ先生だよ」


「そうなんだ」


 今までそんな事を聞いてこなっかったのに、今回はなんで聞いてきたんだろう?私は、不思議に思ったが、聞くと変なスイッチが入るといけないから聞かない事にしておいた。というか絶対に変なスイッチが入る。この話題には触れないようにしておこう。


「そうだ、今度のカーミラ先生の授業の時に今回みたいな授業があれば何か作ってあげるわ。リクエスト、何かある?」


「そうね、クッキーやマフィンも良いけど、私は、アップルパイが食べたいわ」


「分かったわ、ちゃんと覚えておくね」


「頼んだわよ」


「うん、任せて」


 大船に乗るつもりでいると良いと胸に手を置き、鼻息でふんと勢いよく鳴らした。“そういえば、会長のところに置いてきた肉じゃが、食べてもらえているよね?多分、いや絶対食べてもらえているって”と自分に半ば言い聞かせるように誰にも聞こえないぐらいの声でぼそぼそとつぶやいた。味見してみたときはおいしかったから味は大丈夫だと思うし、肉じゃがはあったかいに越したことはないが、それでも、冷めてもなおおいしいものが、肉じゃがであるのではないかと自分の中で完結させた。


 あの後部屋に戻って本を読んだ。結構分厚かったが、いつも読んでいるおかげか、早く読めた。だが、内容はあまり面白くはなかった。“まぁ、学術書なんてそんなものかなぁ~”と思う事にした。


「学術書に面白い物あったらいいのにな」


 でも、そんなものは漫画みたいになるから逆にこれはこれでいいのかもしれないと考え始めるようになってきた。しかし、自分の受験勉強をした時にそんな面白い参考書が無かったのが思い出だ。これは、実体験なのだ。


「この学術書はあまり利益が無いからいらないわ。しかし、馬鹿にはできないし昔の事を知ったりする事が出来るのは、こういう時代にしては良いのではないか?」


 そのような感じで、時間が過ぎていって夜になってしまっていた。いつもはこんな事はないのに、でも時間潰しには、丁度良かった。だから助かったと言えば助かった。何もすることが無かったらそれはそれで辛いので、本を読んでいて時間が過ぎてくれるのはありがたい事だ。何もする事が無かったらそれはそれで、ていたらくな日々に変わるだけだし、今日はいろいろな事があった。沢山お菓子を作ったりして少しだけ疲れたな。後はごはんを食べて寝るだけなのだが、ごはんの時間にはまだ少し余裕がある気がする。でも、下に降りておこう。下からいい香りが漂ってきた。ごはんの用意はもうできているみたいだね。先にホールに行って席についておいた。すると、ソフィーが来た。


「あら、いつもより早く来たの?」


「うん、本を読んでいて丁度読み終わったから下に降りてきたの」


「そうなの。まぁ、料理も着々と運ばれてきているし、早速戴きましょうか」


「うん、食べようか」


 それから、お風呂に入り、ベットに行き寝た。“今日も楽しかった”と心の中で呟き寝た。

 今回も呼んで頂いてありがとうございます!

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