22章 学院祭 学院篇
練習も完全になったイリスは学院祭を楽しむために意気込むが…
当日になった準備も終わっているので、当日になって慌てる事はなかったが来年の事を考えると頭が痛い。なんたって、何かの発表か何かしらの店舗を出さなければいけないからだ。ちなみにこれは伝統らしいのだ。なので私たちが勝手に改変する訳にもいかないので、そのままの路線を行くことになってその準備の事を考えると、頭痛がする。
まぁ、今日はなんてったって学院祭だ。楽しまなければ、損をするだけだ。それにクルスに久しぶりに会うのだ、演説の時はちゃんとしていても、後からが少し不安だ。だが、歌という最終兵器があるので、無事に終わると信じたい。開会の時は出なくてもいい事になっているので、教室で待機している。ちなみに教室は、何やらカフェらしきものをするらしい。歌の講演が終わったら、すぐに行かなければ、ヘルプに入れない。なので急ぐ事にしよう。少しでもみんなの負担が減る様にしたいからだ。このカフェの提供するお茶などはカーミラ先生のこだわりで作られたものらしい。なのだから、実は私も飲みたい。しかし、“これもこの学院祭を成功させるため”と自分に言い聞かせて表情に出さないようにしていると努力したが、クラスに1人に指摘された。それがクラス全体に広まっていたようだ。
学校で開会式の終了を待っていると、門の方に沢山の馬車が見えた。多分貴族の人達の馬車だったのだろう。予想以上の数だったので、びっくりした。でも、直接私が話す機会も少ないと思うので、安心はしている。
窓の外を見ていると開会式の最後クルスの演説が終わって、生徒が学院の校舎の中へ帰ってきたと同時に貴族の人達も校舎の中に入ってきた。私は帰ってくる人を見た後、ソフィーの部屋へ行った。道中会長も見たので、何処へ行くのか聞いて見ると、会長もソフィーの部屋へ行くそうだ。なので一緒についていった。部屋に着いてノックをした後クルスが飛んできた。
「きゃっ!」
驚いて変な声を上げてしまった。会長の方を見てみると“仕方ない”と顔で言われた。何とも御し難いなので、会長も部屋に入って貰った。私の方の用は前に採寸したドレスが届いたので、それをもらって着るためにこっちに寄った。どうやら会長の方は、クルスたちと話があるようだ。私は奥の方で、着替えていたので分からないが、憶測なのだが私の護衛に関して話しているのだろう。どうせそんなところだろう。話声が終わったので、多分話がついたんだ。こっちはフリフリしたドレスを着せられている色は純白だ。まるで、結婚式に着る衣裳だ。
「あの」
メイドさんが不意に声を掛けてきた。
「なんですか?」
「実は、もう一着あるので来て頂いて、ひとまずこの衣裳でソフィア様達がおられる場所に行っていただいて、この衣裳を着てもらってまたソフィア様達の場所に行ってもらって、反応を確認したいのでお願いします」
「分かりました」
と言って奥の方からソフィー達がいるところへ行った。最初の声は“綺麗ね”とか、“可愛い”とかだった。とクルストソフィーが
「「もう1着あるんでしょう?」」とニヤニヤしながら聞いてきた事実なので私は心底残念そうな顔で頷いた。
奥に戻って、もう1つの衣裳を着させられた。もう1つの衣裳はというと、今度は正反対の黒の衣裳だったフリルの点は同じなのだが、バラが散りばめられている点がとても印象的だった。こっちの衣裳の方が個人的には好きだ。あ、あと補足事項なのだが、戴冠式の時に使うような冠が私の頭の上に乗っかっている。終わったようなので、再びソフィー達がいる場所へ行った。今度の感想は、“可愛い”や、“大人な雰囲気出ている”というようなものがあった。準備は整った。
「今回の衣裳はどっちが良い?会長が独断で選んでくださっても構いませんよ」
「いいのか私が選んで?」
「良いですよ」
「あと、この際だから言うが、敬語を使う必要は無い身分を考えて欲しい」
「そうですか。あぁ、兎にも角にもどちらのドレスが良いか選んで欲しい」
3人が話し合って決めているようだ。5分ぐらいが過ぎ、結論が出たようだ。
「どっちがいい?」
「白!!」
なので、白に決定してしまった。あ~黒が良かったな。まぁ自分が言った事だし、守らないとね。しかしねなんでこの色になってしまったのかは非常に気になるところではあるが、時間も差し迫っているので、白色の衣裳に着替えさせてもらって純白のドレスに着替えた私は、冠を落とさないようにしながら慣れないヒールを履いて転ばないようにしながら、走って会場を目指した。さっきから着いて来ているメイドさんはミーシャだ。
「ミーシャ、口調を変えるから、驚かないでね?」
「了解致しました」
「ミーシャ、会場への近道ってこっちなの?」
「はい、こちらで合っていますよ」
「分かったわ」
私は現在会場に向けて走っている。会場が見えてきて、安心した。この学院は広いので、近道した。後少し走って、会場に無事に着いた。会場の中に入って息を整えて、準備室に入ってメイクなどをしてもらい、メイクといっても軽く洗顔をし、ファンデーションを軽く塗るだけだ。鏡を見ていると、自分の顔が変わっていく様子は圧巻としか言いようがない。流石は化粧と言ったところか。それから少し時間が経って、私は完成した。
「わー凄いお化粧なんて初めてよ。こんなの初めての感覚だわ」
「いつもお綺麗ですが、今はさらにお綺麗ですよ」
「そうなんだ、褒められて悪い気はしないわね」
と話していると、垂れ幕の後ろの方から、運営の人が来た。
「次の人はここで待機してください」
どうやら私が呼ばれているらしい。行かなければ、それにしても本番前だというのになぜこんなに頭はクリアなのか今の私には、分からないが、緊張していないという事はテンパらずに済むという事に他ならないので、少しうれしかった。呼ばれたところに行くと、“垂れ幕が上がるとスタートなので”と色々な説明をしてくれた。“ありがとう”と言って、垂れ幕の方に向き直った。少しして垂れ幕が上がった。
「こんにちは、今日は私が頑張って練習した歌を聞いてもらいたいと思います。少しの間でも、耳を傾けてくれるととてもうれしく思います」
と、言って歌い始めた。皆はちゃんと聞いてくれているみたいだった。ちゃんと練習した成果が出たので、かなり嬉しかった。しかし、自分の世界の中に入り込んでいたため、声が聞こえなかったがまぁ、歓声は上がっていたようなので、良かった。
「はぁ、やり切りました。こちら側から見ていて、どうだっだかしら?」
「とてもよかったですね。歓声が上がっていて私としても嬉しい気持ちになりました」
「そう?よかったわ」
みんなも見ていてくれたら、後で聞いてみよう。クルスなら最前列に居そうな気がしたんだけどな。どこかにいたのだろうか、まぁいい。しかし、自分の出る物は終了したので、何か露天を回りたいのだが、会長の姿が見当たらない。キョロキョロしていると、1人の青年が声を掛けてきた。
「どうかされましたか?」
「知り合いとはぐれたようなの」
「そうなんですか?僕の探すのを手伝いましょうか?」
「いえ、迷惑でしょうから、結構です」
「そうですか」
とぼとぼと歩いて行った。気の精だろうか?少し残念そうに見える。その青年と入れ違いに会長が来た。
「どうかしたのかい?」
「迷ったのか尋ねられたので人を待っていると言って引き取ってもらいました」
「そうか何もなかったようでよかった」
「じゃあ、行きましょそこに隠れているクルスたちも一緒によ」
クルスは茂みの中から出てきた。気配があったので気づけた。隠密で隠されていたら流石に気付かないだろうがね。クルスは“やられた”といった感じの顔になっている。
「見つかってたの?」
「青年が来たあたりで気配が急に強くなったから見つけられただけです」
「そうなの?てっきり最初から気付いているのかと思っていたわ」
そんな事言われてもね、知らなかったんだから仕方ないね。まぁ、一緒に周るという話だったので一緒に連れて行った。因みにソフィーも着いて来ている。まぁ、護衛が増える事に越した事はないので、一緒に来てもらった。集合場所から出ていくと、あちらの世界では無い物が沢山出ている。
「最初から見ていたけど多くに店が出てきているね」
「えぇ、沢山の出費がこのために出るし、それに何よりも、個人の方からお金を提供してもやりたいという人もいるから余計にでしょうね」
そうなんだ。個人の方から出すなんてあっちの世界では考えられない。大抵は、この額と決められたお金がその学校の費用で出るから考えられない。流石お金持ちのエリート校だ。
「周りの人が貴族だから、庶民の暮らしに興味があるという意味でも、この催しは、とても重要なものなのだと思えるよ」
「そういってもらえると嬉しいわ。でもね、賛成派の裏には反対派もいるのよ」
「苦労する仕事だね」
「でもねやりがいはとってもあるのよ。皆の喜んでいる顔を見ていると嬉しくなるしね」
「そうなんだ」
歩いているとたまに人がこちらに振り向いて見てくるそんなに私の知名度は高くないはずだから、多分後ろの2人が注目を浴びているのだろう。しかし、こう見られては、困るのだが、“見るな”というのも情けない気がしてきたので、あえて言わない事した。
教室の中でやっている屋台と呼んでいいのかと思ってしまうぐらいのものをいくつか周って私が周れる時間が終了したので、皆と別れてからミーシャと一緒に教室に戻った。すると入れ替えになる様に他の人が出ていった。出る間際に1人に人が“無理はしないでね”といってくれた。かなり嬉しかったので、“はい!”と、元気よく言っておいた。
交代になってから、なぜか急にお客さんが増えた気がするのだが、気のせいだろうか?そんな事を考えていた時だったあいつが現れたのは、
店に入ってくると急にへたりこんで、私の方を見てきて、“一目惚れです結婚してください”と言って、跪いた。しかし、私は、勿論断った。しかし相手が悪かった。この頭がおかしい野郎は、このベルデン帝国の北東にある帝国の皇族の1人でだったのだ。幸いなことに私の素性は知らないみたいだし、つまみ出されていったので安心できたが、これを機に、様々な貴族や王族がダイナミック告白に臨んできたが、私の答えは決まっている。“できません”だ。これ以外に何も思いつかない。まぁ、あまりにもしつこいやつは退場させていかれるので、安心していたのだが、あまりにも数が多いので、決闘という形をとらせてもらった。ちゃんと許可も取ってあるので、後顧の憂いなしだ。中庭に出ると、私は“私に勝てれば結婚してあげるから、1人ずつかかってきなさいな”といって煽って、全員が私に触れる事無く、倒れ伏していく。本気を使う事はなかったが、そこそこ鍛錬を積んでいるとてもこれからの伸びしろの多い人ばかりだったが、またしても、あの皇帝の野郎が来たので、無言で返り討ちにしてあげた。前まではレイピアを使っていたのだが、こいつだけは、魔術でコテンパンにしてあげた。血の気の旺盛だった奴らもこの惨劇を見てからは、誰1人としてかかってくる奴はいなかったので、教室に戻ると、客はさらに倍増した。この後もこの仕事をやって一応完遂させた。
「疲れましたわね」
隣に居るのは会長だ。夕日を見ながら踊る行事があるので、それに参加しようと来たが、人がいなかったため、会長と今話している。踊ったらという意見はあるだろうが、それ以前に簡易的なダンスしか踊れないので、だいぶ前に教えてもらったが、会長をリードできるような腕前でもなくなってきているし、会長も踊れないというので、こうして一緒に話している。共通の話題が無いので、何も話せないというのが現実である。折角なので、この学院の派閥について聞いてみる事にした。
「この学院にもやはり派閥は存在するのかしら?」
「あぁ、確かに存在する。選挙の時期毎回のように決闘を行うような血気盛んなところから穏健な派閥もある。だから選挙の時は生徒がピリピリした雰囲気を出しているから何と言えない気持ちになる。ところは教師陣も参加していることろもあるから正直何とも言えないことろなんだ。」
「でも、それを行わないと、指導者を決めないといけないからみんなが真剣になっているんだと思っておけば幾分かはましになるんじゃない?」
「そうかもな、でも、抗争もとい決闘はやめてほしいがな」
会長は苦笑いで言った。私も苦笑いで返すしかなかった。
「さて、学院祭ももうすぐ終わるが、もうどこも行かないようなら、広場に行こうか?」
「はい、そうしますね」
広場に戻ると学院祭の閉会式が始まりかけていた。なので会長は急いで戻って行った。何か用事があるようだ。周りをキョロキョロしていると、壇上に会長の姿があった。
「これで学院祭は終了となる。準備ご苦労だった。次の日からは、街の方で学院祭の続きが行われるので、そっちに行ってもよし、休んでもよしだ。各自自由に過ごすがいいこれで会長挨拶を終わる」
と言って壇上を下りてそこから自由解散になった。
馬車に乗って城に帰ったが、来賓の人が来ているようだ。なので一応挨拶しておいた。食事をとりに行くためにホールへ行くと、クルスの他に2人の人が来ていた。食事はソフィーがすぐ来て始まった。食事が始まると、来ていた2人が話しかけてきた。
「私はこの帝国の東の辺境伯をしています、名をサジェスト・シークと言います。こちらは、私の息子のサジェスト・ドルイドと言います。以後お見知りおきをとそういえば貴女のお名前をお聞きしていませんでしたね」
「私の名は、ドラゴシア王国第1王女イリス・ドラゴシアです」
何か納得したようにうなずいている。
「貴女のうわさは辺境の私の領でも、うわさが届いていますよ」
「そうなんですか?」
「はい、とても美しい人がこの学院にいるという話を聞いていたので、気になってね領から出てきました」
内心その帝国大丈夫か?と思いつつ、話をして自分の部屋に行った。
ご愛読ありがとうございます!
PVが2000を超えていて、凄くありがたいです。ブックマークもまだまだ増えてくれれば、いいなぁ~なんて生意気な事を考えながらこの話を書いていました。でも、私の子の小説を読んでくださっている方なら優しい方ばかりだと思うので、ブックマークや感想を書いて下さると信じていますお願いしますね!




