17章 新しいメイドたち?
いつも読んでいただいてありがとうございます。お待ちかねの更新です。
後少しこの世界の事について説明いたします。時間の事でございますが、6時間で色が変わる水晶時計となっています。朝0~6時は橙色、7時~12時が赤色、13時~18時が紫色、19時~24時までが青色となっております。急な変更申し訳ございません。
帰ってくると、まず目に着いたのは馬が増えていた事だった。たぶんこれを仕組んだのは、ソフィーだなと思いながら自分の部屋に帰ってきた。しかし、何か違和感を感じるがなぜだろうか物の配置なんかも変わっていないし、なぜだろうと不思議に思っていた。すると、ミーシャさんが通ったので何かしたのか聞いたら、いつものこそこそするのが好きなメイドさん4人組が私の部屋を綺麗にしてくれたようだ。しかし、タンスを開けると位置が微妙にずれていたりする。ここの管理に関しては、ランダムのメイドさんがやってくれていたので知らなかったが、今回の事はあの人達の仕業だろう。まぁ、連れ去られる事に比べるとたいした事ないので、気づかないふりをしておいた。
帰ったのが昼食前だったので、メイドさんたちがバタバタと走り回っている。しかし、ソフィーが急用ができたらしく早々に学園に帰ってしまった。なので、昼食は私1人になる。服も着替えていると昼食が出来たようで、呼びにいつも呼びに来てくれているメイドさんが仕事に帰って行った。1人になるとやはりこのホールは広く感じる。昼食を半分ぐらい食べ進めると、ソフィーが帰ってきた。内容を聞くと、私を聖騎士団に入れたいらしい。しかし、王族というアドバンテージが効いたのか流石に強制はできないらしいし、私自身もこの帝国で騎士団をしていく事は自身の自由を縛るものなのでなるべくしたくない。なので、案の定ソフィーが意を汲んで断ってくれたそうだ。その話はこちらに回ってきていないが、断る事は目に見えていたのだろう。あえて、追及しない事にした。
「ソフィー?」
「ん?」
「これから、通学の時はどうするの?」
「そうね、馬には2人しか乗れないから多分馬車になると思うわ」
「そうだね」
「イリス、今度の休みの日は開いているの?」
「うん開いているよ。なんで?」
「ちょっと出かけるから一緒にってこと」
「別にいいよ」
「それじゃ、決定ね」
このような他愛もない話をした後、自室に帰り紅茶をメイドさんに頼んだ。淹れてくれたのは、ディンブラだった薔薇を思わせるような香りが特徴の紅茶だ。これは、少し渋いがこれはこれでおいしい。しかし、やはりこの紅茶はお高いものなのだろう。すごい透明感だ雑味が一切感じられない信じられない。
紅茶を飲みながら魔導書や古代文献、他の種族の言葉や文化などを学んでいる。文献なんかは読めても使えないと意味がない幸い他の種族に話した事が無いため、言葉が通じなくて困った事はない。そもそも、他の種族に話かけた事が無いから、言葉を理解する恩恵が話す方にも影響するのかどうかそのことが分からないので何とも言えない。しかし、この世界の宗教は、魔族なら魔人だがそれ以外の種族はその独自の神を崇めていたりしているので沢山の神が存在する。魔導書などを夢中で読んでいると、すっかりおやつの時間になっている。
私はおやつをもらいにソフィーのところへ行くと、馬車に乗ろうとしていたので、どこに行くのか尋ねてみると、帝都におやつを買いに行くと聞いた。いつも甘いクッキーなどをどこで買っているのかリサーチするためにもついていく事にした。
2日後
私たちが馬車に乗り込むと馬車は動きだした。窓から見えるのは見慣れてきた野花などの咲いている草原のようなソフィーの所有地をしばらく道なりに行くと、帝都が見えてきた。大通りを進んで行き貴族の屋敷が見えてきた。あまり気にしていなかったが、ここは貴族のお嬢様や男爵の坊ちゃまなんて奴がいる。夫人を見ていると服装がやたらギラギラしていて少々怖い。その中を通り、デパートチックな建物外で馬車が止まった。その建物の中へ入ると、高価なものが沢山並んでいる。しかし、奥に進んでいくと綺麗な剣や刺繍の美しい服の数々が並んでいるコーナーがあったり、2階層に行くと美味しそうなお菓子が沢山並んでいるところがあったりしている。その店の立ち並んでいるある一角にあるクッキーの専門店に入った。そこには、砂糖でコーティングされたものや金箔が貼られているものもあり、大変お値段の方も高額になっております。その中で一番人気の金箔の貼られているものの隣においてあるバタークッキーを全部買った。これには私も黙認せずにはいられなかった。なぜなら、私の一番好きなお菓子だからである。その用事が終わると、再び馬車い乗り込み帰ろうとしたときである。急に足音が近づいてきたと思ったら急に視界がなくなり意識が途切れた。ガタガタという音で起きた。目に入ったのは、薄暗い部屋だった。しかし、この展開は前に体験したことがあるのでどういう状況なのかは理解できた。しかし、目の前にいる犯人がまさか同じ人だとは思わなかった。
「また会えたよ」
「そうみたいですね」
「なぁに~つれないじゃない」
「それで、なぜ私ばかりを狙うんです?」
「それはね、理由としては沢山あるけどね。まぁ言わずとも分かるでしょ?」
「分かりたくはありませんが、何となく予想は付きます」
今のうちはこの人達の調子に合わせるしかない。じゃないと何をされるか分からないなのでここで一番取るべき行動は、相手に逆らわない事だ。だが、通り道やものの配置等をおぼえて逃げるときに備える事にする。私はレイピアを持っているではないかと思い腰に目を向けてみると案の定取られていた。やはり、と思いどうやって脱出するか方法を見ぼっていると、突然上の方から爆発音が聞こえてきた。急に人が私のいる場所に来た。これだと来たのはソフィーだなと思った。
「イリス無事?」
「うん大丈夫だよ」
「そうなのねよかった」
此処にいるお姉さんたちは私を人質に取らないようだ。いや正確には取れないが正しいのかもしれない。なぜって?それは、お姉さんたちがソフィーの怖さに怖気づいていて何もできそうにないからであるのだ。仕方ないな敵なんて作りたくないし、この人達を助けるとしよう。
「ソフィー?」
「ん?何どうしたの?」
「いや、この人達を助けようよ」
「なんで?」
「無駄な殺傷行為は私たちが負い目になり事は間違いないし、この人達は私を攫っただけで何もされてないよ」
「いいの?」
「さっきからそういっているじゃない?」
「分かったわ。でもそれなら、なぜイリスを狙ったのか理由を聞きたいから一度城に帰るわよ」
「うん、でも立ち合いは私がするし、拷問は禁止ね」
「うん」
縛ってもらっていた縄をほどいてもらってとりあえず馬車に乗り込みお姉さんたちは別の馬車で城の方へ来るようだ。なぜ、私の場所が分かったのか聞いてみるとクッキーを買いに行く事を口実に誘ってしとめるようだった。しかし、馬車に乗ったのが、ソフィーからだったので瞬時に反応できなかったらしいのだ。しかし、見つけるのが脅威の速さになっているこの結果は凄いとしか言いようがないだろう。私は警戒を怠り、あまつさえ二度も同じ轍とは自分の甘さが身に染みるようだ。
自分の反省点をまとめていると、城についた。お姉さんたちが地下の部屋に運ばれていった。私もついていくと、イスが人数分用意されてそこに座らされて背後関係などを聞かれる事になった。
「あなた達の背後に一体だれがついているの?」
と、ソフィーが聞くとリーダー格の女性が口を開いた。
「背後は誰もいないわ。これは私たちが街の中で見つけてどうしても欲しくなったからつい出来心で攫ちゃったんです。でも、後から聞くとこの前来た例の王族だって噂になっているのを偶然聞いて怖くなって今度は攫って証拠を残さないように隠蔽しようとしましたが、見つかってしまい現在に至ります」
「確かに欲しくなるのも分かるし、奴隷にしてお金に知る事も出来たでしょう?なぜ奴隷にしようとしなかったの?」
“そんなもったいない事出来る訳ないじゃないですか!”
ここはリーダー含め全員の声がそろった。行っている事もやっている事も色々と破綻している。しかし、金銭目的や新たに私を狙うような背後関係は無いようだ。彼女たちの格好を見てわかる通り、冒険者だろう。この隠密性や素早さから見てもギルドの方で上位のランクにいる人達だろう。この人達を護衛につけるといったらソフィーも安心してくれるだろう。
ここで私の口を開いた。
「ねぇ、ソフィーこの人達の処遇は私に任せてよ、いい案があるんだ。あ、それで今回の最優先事項はクルスの方への情報操作をよろしく」
「はぁ、分かったわ。でも、その処遇の件は私にどのような内容なのかこの部屋の外で教えてね?」
私は頷きソフィーと一緒に部屋を出た。それで、自分の護衛役の増強を図る事を伝えると、凄い勢いで首を“ぶんぶん”振っていた。やはり護衛役にしておいて正解だった。下手に監獄へ送るなんていったときには王族に2回も手を出したのだ。処刑は免れないだろう。なので、あのような対応にしておいた。
「そういえば、名前を聞いていなかったね」
「あっ、ほんとね。この城で住み込みで護衛をしてもらうんだからすぐに聞ける機会が訪れると思うわ」
「そうだね」
確かに護衛をしてもらうならこの城に住んでもらう事になると思っていたけど、交流関係が無いしそもそも私を攫った犯人だ。なので、多少抵抗があり、少し近寄りがたい。
「まぁ時間を掛ければ何とか信頼を置けるような関係になる事はあると思うよ」
「まぁ、頑張ってね」
お姉さんたちが部屋から出てきて、ソフィーがメイド長と一緒に説明している。すると早く、荷物をまとめに行くようだ。そのために、馬車に乗り込んで、帝都の街の方へ行ったようだ。
「しかし行動が早いね~」
と、口に出していると“私もイリスのためだったらこれぐらいはできるのに”とか言いそうだなと思っていると、
「私もイリスのためだったらこれぐらいはできるのに」
私は、心の中で“あ、本当に言っちゃったよこの人”と思った。
それから少し経ち、お姉さんたちが帰ってきたというか、城に住みに来た。今日は、お姉さんたちが来て、いろいろな事をメイド長から教育されているらしいが、今まで冒険者をやっていた人達だそんなに期待はしてはいないし、料理もいいものが出来るとも思わない。まぁ、料理が壊滅的なら自分である程度のものなら作る事が出来る事も出来るし、お料理教室に通ってシェフに褒められた経験がある身からしては、自慢ではないが、かなり腕には自信がある。だがこの世界の人の味覚は種族によっても違うだろうが、ほとんど同じようだ。だが、私、エルフの身からしては、肉類が獣臭いので、サラダなどが好ましいと感じるようになっている。
「お姉さんたちが明日から護衛の仕事の開始なの?」
「そうよ」
確かに仕事を始めるのなら早いに越した事はないが、“急すぎないか”と思ったがもうどうせ決まった事なので、言っても無駄だろうと思った。ふとここでお昼ご飯を食べていない事に気が付いた。
「そういえば、昼食って食べていなかったよね?」
「そういえばそうね」
「メイドさん達に今から作ってもらうっていうのもかわいそうだし、サンドイッチぐらいならすぐ出来るけど、ソフィーは何か希望はある?」
「そうね。私も簡単にサンドイッチでいいわ」
そう聞いた私はキッチンに向かった。食材などは沢山あるし、干し肉もあるしレタスのようなものとチーズもあるので、ハムとチーズのサンドイッチを作った。この世界に食パンは無いので、黒パンをバゲットに切ったものに挟んだ。
再びソフィーの元へ戻り、お皿に入れてあるサンドイッチの1つを渡した。口に頬張るとふわぁ~とした顔になっていた。少し安心した。口に合わなかったらどうしようかと思ったが、心配は無用だったようだ。恋人に手料理を出すときの感覚が分かった気がする。まぁ一様念のために聞いておく事にする。
「ソフィー、どうだったおいしい?」
「うん、とってもおいしいよ。イリスはお料理の才能があるんじゃない?」
「そうかな」
表情からも分かるが、こんな事を言ってもらえてうれしくない奴なんていないだろう。
「明日も休みだけどどこかに行くの?」
「うん、明日は舞踏会があるけど来るの?」
「うん、行きたい!」
「周りは大人の男ばっかだから花がある方が良いかもしれないしね。わかったわ」
あの会話のあとから自室に籠っていて結晶時計を見れば、紫色になっているもうすぐ夕ご飯の時間なので、食事のホールの場所へ行った。夕食はすぐに運ばれてこられた。明日の舞踏会が楽しみなのですぐに食べてしまい寝る事にした。
朝日と鳥のさえずりによって私は起きた。しばらくすると、ミーシャさんが入ってきて目にもとまらぬ速さで着替えさせられた。今度のドレスはまた一段とすごい。また、フリフリのドレスなのだ。その様子を見に来たソフィーは“似合ってるわよ”と言い残し玄関の方へ行った私も着替えを早く済ませて玄関に向かった。今、馬車の中では、私の前にソフィーがいてその隣にルーシィもいる私の左隣にはミーシャがいる。さんという敬称が抜けたのは、着替えている間に“主人が使用人にさんなんてつけるものではありませんよ”とミーシャに言われたからだ。
しばらく馬車で走っていると帝都の中へ入って行った。貴族の住む貴族街の一角にある大きな教会で行うようだ。馬車が止まるとドアを開けてもらって私達は降りた。今気づいたのだが、後ろに馬車が来ていて昨日のお姉さんたちがやはり護衛役で来ていた。合流すると、私達の周りに張り付いて護衛してくれるようだ。教会のホールが開くと、沢山の人がいた。おいしそうなものも沢山机の上に置いてあった。ソフィーが入ると人に囲まれていた。まぁ、あれはほっといても大丈夫だろうと思ったので放っておいた。ダンスなどもあったがどうしても背丈が合わなくて断っていた。私のしていた事はというと、食べ物を食べていたり、飲み物を飲んでいたりしてたまに来る背丈の差が分からない奴の相手をしてこの一日は終わった。いつもの人の多さと桁の違う交流をしたせいか、すっと寝られた。
今回も読んでいただきありがとうございます!
ユニークがそこそこ増えてきている気がします。もっと沢山の人に私の作品を見てもらいたいものですね。
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