16章 剣の試合
天界でいろいろな魔術を聞いたイリスだったが、これを果たして使う日はいつ来るのか。
私は、意識が離れて行ってから少しした後、ベットで無くキッチンに来ている事に気付いた。なぜ、こんなところに来ているのかは話からないが、少なくとも誰かがというのは無いだろう。ならば考えられる事は1つだろう“自分で来た”という事だ。巡回のメイドさんも明け方には外の監視に行っている頃だろうし、人はいないはずなのでこの結論に至った。
なぜキッチンに来ているのかは別にどうでも良い。しかし、夜明け方に起きてしまったのが問題だ。もう1度は寝れないので、仕方なく紅茶でも入れる事にした。紅茶は、アールグレイにしようかヌワラエリアにしようにしようか迷ったが、ヌワラエリアにした、勿論ストレートでいただく事にする。お湯を沸かし、ポットを用意したら茶葉を入れ、お湯を注ぐ。蓋をして蒸らす事180秒数えた後ポットの中に入っている紅茶をカップに注ぐすると途端にほんのり甘い香りがカップやポットから漂ってきた。外に向けて気配の察知を行うと4人ぐらいがいた。せっかくなので、足音を殺しながらドアに近づきドアを一気に解放したするとメイドさんたちがとたんになだれ込んできた。
「何してたんですか?」
「い、いえ。(何かいい香りがしたので起きてきましたとは言えない)今日はなんだか早く起きすぎた夜なんです。なので廊下を歩いて巡回をしていると物音が聞こえたので何かと思いしばし状況確認のために音を聞いていたんです」
「そうだったんですか?」
と聞き返すと4人ぐらいいたメイドさんが首を一斉にぶんぶん振った。なのでこの反応を見て、絶対嘘を言っていると感じたが言わない事にした。
「ところでイリス様はこの場所で何をしていたんですか?」
「あぁ、私も朝早くに起きてしまってね。紅茶を自分で淹れて飲んでいたんだ。すると何か外から気配がしたからドアを開けてみたんだ」
「そうだったんですか。ところでどの紅茶を淹れられたのですか?」
「ヌワラエリアを淹れました。香りもとてもよくリラックスで出来ますよ。良ければ一緒に飲みませんか?」
「ご一緒してもいいんですか?」
「はい、私は誘っているだけなので見回りがお済でしたらですけどね」
「先程見回りを終えたところですので」
「分かりました。淹れてきますので、ここで待っていてください」
内心では“絶対嘘だ”と思いつつも私がホストなので導いた。それから、新たに茶葉をポットに入れ、先の手順を繰り返した。そういえば向こう側のライトノベル小説に主従の禁断の愛というような感じの物があった事が頭をよぎった。この状況はそうじゃないのかと思った。しかし、主従の禁断の関係ンなんかなったところで、この世界の女性はショタおコンいや、小さくてかわいい物が好きなお姉さんが多いだけかと思って紅茶の葉が開くのを待っているとメイドの人が1人来た。手の方を見てみると、服はが展開は何となく分かった。つまりは、この手に持っている服を着てくれという事なのだろう。今気づいたように何気なく聞いてみよう。
「あの、どうかしましたか?」
「い、いえ、もしできたらでいいんですが、この服を着て給仕をしていただけないでしょうか?」
「まぁ、いいですよ」
よくよく見るとクローゼットの中に入れておいたメイド服だったのでこの短時間に私の部屋に入って服を取ってきた物だなと見ているとメイドさんは服を渡すをすごい速さで元いた部屋に帰って行った。なのでため息交じりに服を着替えた。ちょうどいいぐらいに紅茶も7出来あがたので、着替えてすぐに持って行った。
「お待たせ致しました。こちら入れたてのヌワラエリアでございます。淹れたてですので、やけどにご注意ください」
「「いただきます」」
というとみんなが目を大きく開けて驚いている。そのあとみんなはおいしそうに飲んでくれている。クッキーなんかがあればよかったんだけど、なかったからこれで我慢してもらおう。そんな事を考えていると日が明けてきた。山の稜線から太陽が出てきた。
「皆さまもうこちらはよろしいですか?」
と、カップを指しながら言った。するとみんなから“はい”という声が聞こえたので、カップとお皿を回収して、キッチンに持っていき、さっと洗い拭き綺麗に並べておいた。元いた部屋に戻ろうとするとひそひそ声で話しているのが聞こえた。悪いとは思ったが耳を澄ませて聞いてみる事にした。
「ねぇ、さっきのイリス様の格好見た?」
「見た見た、凄く似合ってたわよね」
「そうそう、可愛かったわよね」
「あそこであの服を断られて不敬罪で断罪されても文句なんて言えないのによく言ったわよね?」
「たとえ不敬罪で捕まっても、出来る事はしたのだから悔いは無いわ」
との会話を聞いていて恐怖を感じた。しばらくすると、ドアの方向に気配を感じたので、さっと離れて行ってドアの前にたちなおすとドアが開いた。太陽もちょうど高くなってきているので、このままソフィーを起こしに行くのだそうだ。とはいえ私も着替えなくてはならないなるべく迅速になので早く自分の部屋に帰り服を着替え恰好だけはいつでも学校にいけるようになっている。しかし、朝食がまだなのでそれを食べてしまえばすべての準備は終了だ。と思っていると、メイドさんが呼びに来てくれた。
「イリス様、朝食の準備が整いました」
「分かったよ、すぐ行くね」
と言うと、すぐに仕事へ戻っていった。多分今日の朝も一緒に馬車で行く事になるのだろうと思いつつ、眠そうなソフィーに元気よく“おはよ!”と声を掛けると欠伸をしながら、“おはよ”と返してくれた。朝食は簡単にサラダとシリアルのような物と牛乳だ。これは、簡単だと思うだろうが、このぐらいの量が私にはちょうどいいのだ。朝から肉を出されても困るし、かと言ってサラダだけでは何とも味気ない。なのでこれぐらいがちょうどいい。しかし、いつも思うが少し量が多い気がする。これの事を聞いてみると普通の子はもっと食べるのが普通なのだとか言われたが、“うちはうちよそはよそ”という言葉がこんなに持ってこいのところはないだろう。
朝ごはんも食べ終わり、登校時刻になった。前にも言ったと思うが、この世界には時計という概念は存在しないしかし、時間を12の色で示してくれる結晶があるので基本的には大丈夫だが、これはなれるまでに苦労した。なぜなら、今までなら1分1秒の時を刻むしか見ていなかったので、2時間ごとに変わる時計なんか不思議でしかないからだ。しかし、遅れそうだったので、ソフィーに早く学校にいかないといけない事を伝えた。
「大丈夫よ。馬なら用意してあるから」
「私乗れないよ。正確には、乗った事無いよ」
「そうなの?」
「仕方ないわね。私の背中にしがみつきなさい(これが狙いだったのよ)」
「そういえば、1人称の呼び方を“僕”から“私”に変えたのに違和感なく接してくるね?」
「そうね、最初な不思議に思っていたけど、雰囲気に合っているのだからそれでもいいんじゃない?」
「そうなのかなぁ」
「きっとそうよ」
私は自分で喜んでいいのか分からなかった。なので時間の話に戻した。
「そういえば、時間は次の色へ変化しかけているけど大丈夫?」
「そうなの?じゃあ、そろそろ出ましょうか」
「うん」
「じゃあスカートの下は何か穿いておいた方が良いんじゃない?」
「そうだね」
いったん部屋に戻りズボンを取ってきた。制服のしたにズボンておかしい気がするけどこの際気にしない事にした。ズボンは冒険者になろうと思った時に買ったものだ。腰にはレイピアがかけてある。このスタイルのまま元いた部屋に帰ると、ソフィーが用意をもう整えていた。なので外に出ると綺麗に用意されていた馬が準備されていた。馬に跨ると、上からの景色がまた違って見えて面白いしかし、仮に女の子の恰好をしていても、私は男の子だでも乗れない以上は後ろに行くしかないが、過去の事件があった事が伝わっていたのか、前に座らせられた。
「ソフィー、やっぱり前じゃないといけないの?」
「後ろでもいいけど落ちやすいし、連れ去られる可能性が高くなるけどそれでもいいなら」
「分かったよ。前でいいよ」
「分かればいいのよ」
なぜか、上機嫌になっていた。まぁ、町に出ると自分たちに視線が集まってくるのは分かっていたさでもねあからさますぎるんだよね。買い物途中のマダムもこっちを見ているんだ。しかも、それも頬を紅潮させながら見てくるんだ。何を考えているのかは大体分かるがその熱視線で見ないでほしい。この世界の女性はみんなショタコンの魂でも宿っているのかと思うほど反応がすごい。その道を進んでいると、やっと学園についたここまで来るのに凄く疲れた。主に視線だ。また、学園に入ってその視線がやむことはないむしろ、数を増していく一方だ。貴族の令嬢なんかは近づいてきて、“わたくしとお茶でも”なんて言ってくる始末だ。教室に入るとなぜか完成が沸く。何故かと理由を聞くと、ほかの王族もいるみたいなのだが、学校という機関に関心を抱いていないらしい。私は権力が使えないのも理由に入っているのではと思ったがあえて言わなかった。こういう場所ではカースト制度が厳しいからだ。だから、このような言葉が存在しているのだろう“子供の世界は残酷だ”なんでさらに権力は使えないと来た。さらには、この学校は親の権力を掲げて使えないのだ。それが、結論だ。
朝のチャイムが鳴り、先生が入ってくる。しかし、急に“学園長に呼ばれている”と言われたので仕方なく学園長室に行った。悪い予感はしなかったので少し安心した。部屋に入るとメイドさんがこちらを向いてソフィーの隣にたっていた。多分あの人がミーシャさんなんだろう。
「ソフィー、その人は?」
人ではないと思ったのは、まず耳だ犬などの形をしている。たぶん、獣人なのだろう。しかし、紫色の透き通るような瞳がとても美しいまるで精巧にできた人形のようだ。うっかり見とれた。気づかれただろうか、気づかれていたとしたらかなり恥ずかしい。
「あぁ昨日話していた同年代ぐらいのお世話係のミーシャよ」
「2年お暇をいただいていましたが、今帰りました。ミーシャと言います。出来る限りの事はなんでもやりますので、御申しつけください」
「じゃあ早速、今日は帰ってきたばかりでしょうから、お世話は良いので、部屋に帰り休んでいて下さい」
「それは…」
「いいじゃない貴女の体を案じているのよ。今日のところは休んでいなさい」
「分かりました」
と1言言うと、部屋から出るときにお辞儀をして出ていった。
「どう?ミーシャは?」
「どうとは?」
「なかなかいい子よ。真摯にお世話してくるし、隠密としても使えるのよ情報戦なら負けないわ」
「まぁいい人というのは分かったよ。でも、信頼というのはこれから築いていくものだからね」
「分かっているわ」
「授業が始まるから出ていくね」
「頑張りなさいね」
頷いた後ドアを閉めた。教室に戻ると、みんなががやがやと喋っていた。まもなくすると、先生が入ってきた。今日の1時限目は、校内の紹介だ。みんなは廊下に並んだ。地図を渡されて見比べながら進んでいるが、規模が大きすぎるので、覚えられる気がしない。まぁこれから順に覚えていけばいいのでその場は流しておいた。それが終わると、次は剣の授業だ。体操着に着替えてグラウンドに集合した。
「まぁ、私の名前は憶えているものがほとんどだと思うが、念のためもう1度名乗っておく。私の名はクレールだ。まずこれから剣の授業を行う上で注意点を教えていおく、試合になったとき等は、決して手加減をしない事だ。手心を加えられていると知ったとき相手は対戦相手を恨むだろう。しかし、殺してはダメだぞ
説明は以上だ。何か聞きたい事があるやつ実戦から学か、私に聞け!」
言いたいことは分かるのだが、適当すぎないか?と思っていると、女生徒が私に試合を申し込んできた。断る理由もないので快く受けたが忠告として1つ言った。“自分がどの程度の実力か分からないので、弱くても落胆しないようにして下さいね?”と、相手も返事をしてくれたので良かった。それから、1騎打ちの時は、自分の名前を言ってから剣を交えるそうだ。なので、
「私は、ドラゴシア王国第1王女ドラゴシア・イリスです」
「私は、このベルデン帝国のミリーズ子爵家ミリーズ・マルタです」
先生が急にきて剣を構えるように言ってきたので手を後ろに回し目線にレイピアの柄が来るように持ち構えた。相手は両刃の剣を出してきて、私に向けるようにして構えた。先生が手を振り下ろすとスタートがかかった。私は間合いを詰めるために剣を突き出しながら飛び込むととっさの事でだったのか相手は“ギョッ”っとしていた。なので、一気に距離を詰めて首元へ剣を添えたすると拍手が沸いた。あの後お互い“ありがとうございました”と言って別れた。すると先生に褒められた結構嬉しかった。そこで、授業が終わった。剣の調子を見ながら教室に帰って服を着替えて帰る準備をして、偶然出てきたソフィーに声を掛けて馬に乗って帰った。
16章出来ましたどうでしたか?
感想とかブックマークもお願いしたいです。あ、感想は時間があればですよ本当ですよ。