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10章 イリス連れていかれる

 ついに帝都に来たイリスだが、買い物や食事に連れていかれる。

 そして、スクランブル交差点のような大道りを抜けると、煌びやかな町の風景がそこにはあったのだ。王宮のような綺麗さではない自然と人々の営みが一体となっているからこその綺麗な空間がそこには広がっていたのだ。これは偏見だと思うが、帝国と聞くとナチスを思い浮かべるがそんな環境ではなく見た感じはそこそこ潤っているように見える。


 しかし、やはり貧富の差はどこにでもあるようだ。学校のような教育機関に入れるのはよほど大金を持つ貴族か大商人ぐらいしか入れないような学校だ当然皇族も入る。皇族の場合はちょっと特殊で町の税金を使って入れるらしい。これは決まりらしいがどうも気になるのは、今向かっているのが、少年用の方ではなく、少女の方だという事だしかも、ここの学院長と親友らしいここまで言えば分かるだろう?


 裏でその学園長が糸を引いていたという事だ。実にいい案ではない。もともとこんな格好をしているのだけれど、流石に日常生活を送って行くうえで絶対ばれる可能性が必然的に出てくるものだ。そんな死地の中へ僕を笑顔で送り出そうとしているのだ。とうとう自我の崩壊ほうかいが始まるのではないかと言う先入観や前世での虐めが頭をよぎるだが、しかしこの世界の人は暖かく接してくれたので大丈夫だと自分に言い聞かせた。


 早くに宿に荷物を入れたが、宿に行くと今まで止まっていた宿が小さく見えるようなものだった。


 しかし、街の規模が馬鹿にならないほど広い道案内が無ければ迷ってしまうよ。実際東京に行ったときに迷って交番の警官の助けを借りた。もとは軍事大国だったらしいのだが、10年前に革命が起きて大きく改革されたそうだ。まぁ、それはそれでいい方向に動いているのでいいんじゃないかな。と思いつつ前にマルグレットが言ってくれていた事を思い出す。


 「ねぇ、クルス?」


「ん?どうしたの?」


「僕は思ったんだけど、クルスは僕と一緒に居たいんだよね?」


「そりゃあいたいわよ。でもね、国民のためにやらなければいけない事がたくさんあるのよ」


「僕、クルスといつでも会える方法知っているよ」


「え?何々?」


「空間の接続をすればゲートができて瞬間移動ができるようになるよ」


「そんな事、誰にもできるわけないでしょ。古い文献にさえ載っていなかったのよ」


「それができるんだよ!この魔法は僕が開発したんだよ」


「そ、そんな・・・す、すごいじゃない」


「でしょ!」


 やっぱり、自分でやった事を褒められるのはうれしい。頑張ってできた事を伝えるとやはり褒めてもらえるとうれしい現に6回は座標の固定を間違えて湖に落ちたりして線で空間を繋ぐものではなく、点でつなげるものだと失敗から学んだ。


「これでもっとイリスと一緒に居られる事が出来るね」


「そうだね。でも、仕事を投げ出すのは禁物だからね?」


「う、わ、わかったって」


「ちゃんと確認するからね」


「は、はい!」



 マリーさんが護衛について来てくれるのもここまでだ。しかしこの街にしばらく滞在するらしいせっかくなので、入学式にも少し期間があるので稽古けいこをつけてもらおうと思って言ったのだが、


「そんな!私が君に傷でもつけようものなら会員ゲフンフン私の友達が報復に来ちゃうよ」


 と、言って断られた。しかし、体をこのまま動かさないのはさすがにまずいと感じていたのだがその相手がいないのであれば当然一人でレイピアの練習をしなければならない。だが、ドレスぐらいしか服を持っていないので、


「クルスに服を買ってきて」


と頼んだ。


 少しすると、クルスが沢山の荷物を馬車の後ろに積んで帰ってきたのが窓から見えた。こんなに買って大丈夫なのかなと思いつつ迎えに行った。


「おかえり。すごい量の荷物だね」


「え、これでもだいぶ抑えたのよ」


「え?」


「まぁ、いいわ。流石帝都ね上質な服が沢山あったわ」


「イリス様、クルス様ったら店ごと購入しようとしていらっしゃるんですよ」


「へ?」


 思わず変な声が出た。しかし、無理もないだろう。なぜならもう少し少なく、“5着あればいいかな”ぐらいにしか考えていなかったのだから。でも、店ごと買う勢いでいたのだから想像のはるか上をいっているので仕方ないだろう。


「よくもまぁ、店ごと買うっていう発想に至ったものだと考えさせられるよ。でもまぁ、買ってきてくれてありがとうね。良しじゃあ、まず動きやすい服はどこにあるのかな」


「たぶんこれね」


 クルスが、おもむろに袋を開けると迷彩服のような周りの環境に適用できるようになった服だったしかも魔法で認識阻害まで施している。これだけの業物を作る職人や術師がいるなんて凄いと感じた。これはかなりの高等テクニックが要求される技術だと書かれていたのだ。

かなりの業物を見つけてきてくれてありがたく思った。


「こんないいもの見つけてくるなんてすごいね」


「そう?もっと褒めて!」


「着てみても良い?」


「もちろん、いいわよ」


 サイズもいい感じだ。体にフィットする感じがまたたまらない。こそこそと動いているクルスが恐ろしい物を取り出した。それは、PADだ。ブラに入れるタイプのものだ。これはと思い逃げようとした矢先、マリーさんに捕まえられた。PADがあるという事は当然ながらブラがあるわけだ。


「イリスこれからは女学院に入るのよ?これぐらいしなきゃいけないでしょ、ね?」


 それはいやと言ってしまった。前にもこんな事があったなと思い出しこれはまた新しいトラウマが増えた。これはしないといけないと言われ続ける毎日になった結局服を超えるようなトラウマになった。


 朝起きると、つけなければ普通に生活できない身体にされてしまった。まぁそれは別にいいのかもそれないと思う自分がいる事に対して恐怖心が出てきた。しかし、よりもよって女学院に入る事になるなんて思わなかったよ。いくら親友だからってOK出していいのか?とか思っていたら、ついに入学前の適正検査の日になってしまった。


 試験やテストの前になると皆緊張するように、僕も緊張していた。そのときは近くにクルスとルーシィ―と僕とで来ていたがしかし、緊張するなと言う方が難しいものだ。なので、今は手を握ってもらっている。やはり試験前とあってみんなピリピリしているが、精密な検査というのでそれが不安だった。


「ねぇ、クルス?」


「なに?」


「できればやりたくないんだあれ」


「そうね。でもあれをやらないと入学できないシステムになっているのよだから私が個人で何とか出来るような立場じゃ無いの」


「そうなんだじゃあ仕方ないね」


なんでこんな時に限って試験があり、なおかつパスできないなんてこんなシステムはなくなればいいのにと内心で思いつつも自分が思っている事とは関係なく検査待ちの順番がどんどん進んでいく。


 そして、ついに僕の番が来てしまった。仕方ないと思いとりあえやってみたすると結果はすべての属性が使えるようになるという診断がた。僕はやはりと思った。なぜなら、昔から特に何の違和感もなくできたし予想はできていた。さらに自分なりに作ったワームホールだってできたのだ。これぐらいでは驚かない。するとおもむろに立ち上がった職員がすごい勢いでどこかへ走って行ってしまった。僕たちはどうしたらいいのか話からなかったので、その場所にとどまっていた。すると、足音が近づいてきた。その正体は、


「学園長こちらです」


 答えを言い終わる前に言われてしまった。なので、少ししょんぼりしたが、クルスと学園長は何かの話をしている。目がやたらとぎらついている事以外は普通だ。しかし、何の話をしているのかが気になる。


「あ、あの~。どうかされましたか?」


「あぁ、君が全属性使えるだけだよ」


「ふぁ?!」


「私、何か変な事言った?」


「え、何も」


「そんな反応なの?」


「うん」


「じゃあ、珍しくないの?」


「いや、こんな事見たことないよ。ねえ?」


「うんないね」


「じゃあ、なんでそんな反応がうすいの?」


「だって空間を繋げるような魔法を自分で作るような才覚さいかくがあふれるような子だもの」


「そう、なんだ」


「「うん」」


 ハモッタよ。何このシンクロ感やばいじゃないですか。それからなんで、こんな事になっているのだろうか?


 あれから場所が変わり、さっき言った事の説明をするとだ。“久しぶりに会ったから食事をしよう”という話になった。それで案の定僕の服を選ぶという話になったのだが、クルスやマリーさん、さらにはルーシィ―、学園長までが服を選んでいる。もはやドレスだけでも12着ぐらいあるだが、学園長の持ってきたドレスが5着ぐらい持ってきてくれたが、クルスが今までで買った服から自分が選びたかったらしいがここで喧嘩けんかになった。長くなりそうなので、僕が選んだので納得したようだ。それから馬車に乗って移動しレストランに行った。この前いったような感じだけど、メニューがすごく高い。学園長は、皇族の御用達の店だからと進めてくれた店だ。


「ここのメニュー見てるだけで食べられないよ」


「どうして?」


「学園長さん。だって、ここのお料理がすごく高いからさ」


「だって皇族御用達だもんね」


「そうだよね」


「だから素材にもこだわっているみたいだよ」


「そうなんだ。かなり期待できるのは良いけど、価格がね見るに堪えないよ」


「大丈夫よイリスこの学園長に払ってもらえるわ」


「いいわよ。別に。経費で落ちるし」


 こんな感じで話をして料理にしたつづみを打ち、再び馬車に乗ってかえった。因みにマリーさんは王都のギルドに挨拶をしに行った。しかし、王都だけでこの規模なのだ。さぞ前はかなりの戦力を保持していた大国だったのだろう。


「ねぇ、クルス?」


「何?」


「入学式っていつだっけ?」


「あと大体1週間後よ」


「そうだっけ?」


「イリス自分の事よ。覚えておきなさいな」


「わ、分かったよ」


「それでよろしい」


「ところでなんで僕の部屋にいるの?」


「さぁ。なんででしょうか?」


「一緒に寝たいの?」


「そうよ。イリスと寝て癒されたいのよ良いでしょ?」


「別にいいけど」


「けど?」


「何か変な気でも起こしたらルーシィ―さんを呼んで来るからね」


「わ、分かってるわよ」


「本当に分かってるの?」


「分かってるって!」


「じゃあ、いいよ」


「やったー」


 一緒に寝られるとはしゃぐクルスは殺気からひっきりなしに話しかけてきていたのだが、いつの間にか寝てしまったようだ。すると、ルーシィ―さんが来てくれたのでジェスチャーで“OK”と見せたら帰っていった。


次の日朝日が顔に当たり目が覚めた。


 クルスは隣で寝ていたが起こさないように起きて行こうとしたが、布団の魔力には勝てなかったよ。それでどれぐらい寝ただろう。起きるとクルスが隣で寝てなくて、反対側を見てみると、クルスがニコニコ顔でこちらを見ていた。


「なんで、観察なんてしているの?」


「可愛い寝顔を見ていただけよ」


「そう、なんだ」


「うん。そうなんだよ」


 こんな日常的な会話を楽しんでいると、突然窓が割れて一人の女性が入ってきて、僕を抱き一瞬で逃げた窓は3階にあるはずなのにと思っていると、2つの可能性がある事を感じ取った。それは身体能力のを向上させるために使う強化魔法かもしくは、なんらかの付与魔法による身体能力向上だ。このローブから魔力が検知できるため、多分後者だろう。そしてしばらくすると急に止まったので、顔を上げてみるとお姉さんがたくさんいる部屋に行かされた。


「何この可愛い子」


「本当ね。すごくかわいい」


「ちょっと何勝手に触ろうとしてるのよ」


 よくわからない空気だったので目的が何か聞きたい。しかし拒絶反応を出したら、何をされるか分からない状態になっているので、慎重に聞いてみよう。


「あの~」


「何どうしたの?」


 お姉さんの1人が気付いて答えてくれた。


「なんで僕を連れてきたんですか?狙いは何なんですか?」


「そうね~、狙いはあなたよ。街で見かけたて可愛い連れて行こうとしてたのよ。でも、なかなか護衛が離れてくれなかったから苦労したわよ」


「僕をもといた場所に返してくれませんか?」


「ダメね」


「なぜですか?」


「なんでって、これからいろいろと楽しむのよ」


「えっと、僕はそんな返してくれればいいので放していただけませんか?」


「そんなに目で見てもダメよ。でも男や奴隷商につかまらないだけましよ?」


「なぜです?」


「売られて目的ごとに買い求めるからよ」


「それはよかったというべきなのでしょうか?」


「そう思っておいて損はないんじゃない?」


「そう、ですか」

 ブックマークや感想なども書いていただけるとかなりうれしいです。

皆さんに呼んで頂けて私はかなりうれしいです。

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