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行商人から王国騎士まで  作者: 割月
1章〜王都までの長い道のり〜
5/6

5話-ひとときの休息-

すみません!投稿かなり遅れました。

用事が色々重ならなければ……ぐぬぬ……!

次はまた3日後の投稿になりますので〜

今回は敵キャラ!出す予定でした。が次で出てきます!



--------------------




「貴様はこの程度か。全く期待ハズレだ」

「く、そがぁ!」


アルバートは鎧を纏い、殴りかかる。も、片手で止められる。

その手を掴むとアルバートを軽々と壁へと投げつけた。


「ッ!」


アルバートがぶつかった壁は四散し、土煙が舞っている。


----マズイ、このままだと……セシルが……



口の中には砂利と血が混ざりあって気持ちが悪い。吐き捨ててしまいたいがそんな気力もない上、全身を覆う痛みのせいでどうでもよくなっている。


---くそ、こんなとこで終わるのかよ……俺は……


ぼやけた視界が真っ黒に染まっていく。そこでアルバートの意識は途切れた。



--------------------



「クラウス、待たせたか?」

そうアルバートが椅子に座りつつクラウスと呼ばれる少年に声をかける。

相変わらず顔は整っており、金髪が陽の光に照らされ輝いている。

「そんなことないよ。ほんの2分程度さ」

「そうか。んでわざわざ呼び出しくらったわけだけど、何の用だ?」

「大したことじゃないよ。少し世間話をしようと思ってね」


そう言いつつカップに茶色の液体を注ぐと、アルバートへと差し出してきた。

アルバートは「さんきゅ」と、言いつつ受け取った。

特に液体の正体を気にする様子もなくカップを傾けた。普通にお茶だった。

アルバートは1拍置いて話を切り出した。

「で?何を話すんだ?」

「そうだね、"騎士試験" についてなんてどうかな?」

「……あぁ、今回急ぎで募集してるんだってな」

クラウス独特の雰囲気に呑まれ、少し言葉を返すのが遅れた。

「アルバート、君も受けるんだよね?」

「はぁー……なんで知ってんのか聞きたいところだが、そうだよ。騎士試験を受けるぜ、俺は」


クラウスは予想が的中したのが嬉しかったのか微笑えんでいる。

少しの間が空いて、真剣な表情になったクラウスは

「アルバート、騎士試験は諦めた方がいい」

ただ驚くことしか出来なかった。クラウスの事だからてっきり応援してくれるかと思っていた。

まさか諦めろと言ってくるとは。

「理由を聞いておこうか」

茶を飲んでいるクラウスに低い声でそう言った。


「そんな怖い顔しないでよ。なに、簡単なことさ。武術もろくに出来ない、力は強くない、戦いの場数も踏んでない君では無理なんじゃないかと思ってね」

「はっきり言ってくれるな。村の奴らもそんなだったが、俺は諦めないぜ?」

「何も強制してるわけじゃないよ。好きにするといいさ」

そう言ってクラウスはカップを傾け、音も立てずに茶を飲んでいる。


「何のお話してるの?」

険悪な雰囲気を打開したのはセシルだった。

「いや別に」

と、素っ気なく応えるアルバートに

「あ、アルバート」

「ん、なに?」

何やらポケットを探り、黄色のペンダントを渡してきた。

「廊下に落ちてたよ。これアルバートのだよね?」

「あれ、落としてたか。ありがとな」


セシルからペンダントを受け取ると、クラウスが逆さにしてあったカップをひっくり返し茶を注いだ。

最後の一滴まで注ぐと、微笑みながらセシルの方へカップを寄せた。


「あ、ありがとう。ところでアルバート、王都にはいつ行くの?」

「あー、もうちょいゆっくりしてから行くか。割と余裕あるし」

そう言つつクラウスを見やる。が、優雅に茶を嗜みこちらの事など微塵も気にしていない様子だ。


しばらくしてアルバートは茶を一気に呷り、カップを置いた。

そして置くと同時に平穏な日常は再び崩れ去った。


--------------------


-----無だった


ほんの少し、一瞬の静寂が包んだその時。


視界が闇に包まれ、次の瞬間には悲惨な光景が広がっていた。

建物は壊れ、人は倒れてもはや血の海と化している。

「は?……ぅあ」

目の前の光景が現実だと理解出来ると、耐え難い吐き気と嫌悪感に苛まれた。


「アルバート大丈夫?!」

「なんで……こんな、どうして」

「来て、しまったようだね……」


そう呟いたクラウスに掴みかかったアルバートは

「お前、何を知ってるんだ。何が来たんだよ」


「離してくれ」

「何が来たか聞いてんだよ!」

どこまでも冷静なクラウスに、まるで狂ったかのように怒鳴るアルバート。

そんなアルバートに失望したのか、それとも観念したのかわからないが、クラウスは嘆息すると静かに言った。

「……魔族だ」


「あ?」

「魔族だよ、魔族が来たんだ!」

「ぁ、魔族って……」

珍しいクラウスの怒りに気圧され、その上聞きたくなかった単語にアルバートは血の気が引いていくのがわかった。


そんなアルバートを見て、クラウスは頬をひきつらせて笑うと

「じゃあ---『お別れ』だね」

クラウスはそこに何も無かったかのように消え去った。


「っ!クラウス!……どうして」


非現実的なことが起こりすぎてこめかみがズキズキと痛む。

おまけに吐き気もセットだ。今ここで倒れてしまったらどんなに楽だろうか。そんなことを考えていた。

「んな事考えても仕方ないよな……!」

ずっと続いていた悲鳴や爆発音の中でも段違いの轟音が村の中心のほうから響いた。

「なに……?ぁ、アルバート……」

「セシル。馬車を使って逃げろ」

「アルバートはどうするの……?」

声を震わせながらセシルは問いかける。

「魔族倒してからそっちに行くから、な?」

「無茶だよ!一緒に逃げようよ!」


どのみちこちらに魔族は来るだろう。なら逃げるより退かせる方が賢明だとアルバートは考えた。


「大丈夫だって、後で追いつくから」


後半、語尾を強めてアルバートは村の中心へと走り出した。


「アルバート!なんで……!」

セシルの悲痛な呼び声に背を向け走る速度を上げた。






5話、どうでしたでしょうか

結構アルバートの気分などを入れてなかったので少し入れてみました。

やはり小説は難しいですね

最後に、改めて投稿遅れて申し訳ないです!

ネタは山ほど出てくるんですけどね……

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