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行商人から王国騎士まで  作者: 割月
1章〜王都までの長い道のり〜
3/6

3話-2度目の邂逅、そして逃亡-

新キャラ出ませんでした。次で出ます!

--------------------


「う、あ」

目を覚ますと心配そうなセシルの顔が見える。まさか3度目の朝を迎えることになるとは……もう昼だろうけど。

「あ、起きた。大丈夫?気分悪くない?」

「まあ、何とか」

そう言って酷くだるい体を起こした。


ふと思い出し腕を見るが何も無い。するとセシルが

「あの鎧?みたいなやつアルバートが倒れた後、すぐふわーって消えちゃったの」

「そうか…」

何かはわからないままだがきっとペンダントの力なのかもしれない。


ある程度落ち着いたところでアルバートは異変に気付いた。

「何でこんな静かなんだ…あれだけ騒いでたのに人ひとり出てこないなんて」

「それがね、おかしいなーって思って家を見て回ったんだけど…みんな、いないの」


「いない?」

「うん…」

セシルはしゅんとしてしまっている。アルバートはそんなセシルの頭を撫でながら。

「大丈夫、連れてかれたなら連れ戻せばいいんだ」

「うん……」

セシルのこんな顔は初めて見る、

「そんな顔するな、大丈夫だって」



「あれ、魔族なのかな」

「魔族だったとしたらやっぱり村のみんな連れていかれたかもしれないな」

黒い塊は一撃で消し飛んでしまったため、何が目的か分からないまま。ましてや正体などわかるはずもなかった。


「あれが魔族でみんなが連れていかれたとしたら嫌な言い方、だけどタイミングは良かったかもしれない」

「と、言いますと?」

「近いうちに騎士様達で魔族の大規模討伐を行うらしいの」

「マジか」

魔族は古くから人間達と対立してきた。今まで討伐編成は組まれたことはあるがこんな急な編成はなかった。魔族を近いうちに滅ぼさなければならない理由でもあるのだろうか。

だがセシルの言う通り、確かにタイミングはいいみたいだ。


アルバートは左手に握られているペンダントを見やり

「俺も戦えないわけじゃなさそうだしな、騎士になれば部隊に組み込んでくれるかもしれない」

「そしたらみんながどうなったかわかるかもね」

ようやく合点がいった。人手が足りないのはこのことだったという訳だ。こんな辺鄙な村に募集をかける程だ、よほど足りないのだろう。


「みんなが無事だといいけどな…」

「うん…」


不安を払拭するように、アルバートは自分の頬を両手で叩いた。

「よし!こんなくよくよしててもしょうがない、まずは王都に行くか」

「うん!」

そう言うとアルバートとセシルは王都へと向かった



--------------------


道中、魔物や例の黒い塊がわんさか出てきた。が構っている暇はない、全員無視して街道を走り抜けた


「あいつら多すぎねぇ?!」

「一応減ってはいるんだと思うけど!」

セシルは馬車の荷台から火や氷を飛ばして足止めをしている。そんなセシルを見て、色んな魔法を覚えたんだなとしみじみ思う。

だが問題は黒い塊だ。魔物達は魔法が効いているが、黒い塊は魔法がすり抜けていってしまう。

そのため、黒い塊が次に踏み込むであろう地面を破壊して、転ばせる程度しかできない。

だがそこまで黒い塊も足が速いわけではない。つまり魔物は倒し、黒い塊は時間を稼いでその間に逃げる。という方法しかない。


「魔物はもういないよ!後はあれだけ!」

「りょーかい、飛ばすぞ!」

残りが黒い塊になったのを確認し、馬車は街道を全力疾走した。


--------------------


「なんとか撒けたかな?」

そのまま馬車を走らせること30分程、完全に振り切ることが出来た。どうやらあの村周辺に現れたようだ。

とりあえずは疲弊した馬を休ませる為、近くの川辺へと馬車を止めた。

「とりあえずはなんとかなったけど、また出てきたらどうしようか」

「うーん、あの黒い塊魔法が全然効かないからなぁ〜」

そう言ってセシルは嘆息した。

「俺は触れるんだけどなぁ」


アルバートは蹴りを入れ、挙句には消し飛ばしたのだ。対処するにはアルバートしかいない。が、アルバートが対処しようにもセシルは馬車を運転することができない。

「次出てきたらアルバートに任せるしかないかぁ」

「あんま任されたくないな……」

「ねぇアルバート、この後はどうするの?」

「近くの村に知り合いがやってる宿屋あるし、そこに泊めてもらうかな」

と、アルバートが応じるとセシルは驚いた顔して


「アルバートって人とすぐ仲良くなるよね」

「まあ行商人やってたし、物を売るにはまず相手の懐にだな…」

「よし、じゃあそろそろ行こ!」

「懐に……うぅ…」

話を聞く気もないセシルにうなだれるアルバート。だがセシルはそんなことは微塵にも気にしていない様子だ。

先を急ぐべく、再び馬車を走らせるアルバート達。



そんなアルバート達を、森の影から黒いローブ着た2人組が品定めするかのように見つめていた。



「あれが例の……我らの悲願は必ず成さねば…報告に行くぞ……ステラ」

1人が低い声でそう言うと、もう1人がうなずき、黒いローブの2人組は静かに森の中へと消えていった。


ワンチャン4話すぐに投稿するかもです。

4話ではちょっとほのぼのします。

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