今日も貴方に恋をする
私はアイ、十六歳。
私には大好きな彼氏がいる。名前は颯人。同い年の爽やか系イケメンで優しくて自慢の彼氏。
颯人から声をかけられて、それ以来私達はずっと一緒。
朝からお互い『おはよう』と言って一日が始まり、『今日の朝ごはんは何がいいかな?』や『今日はどんな服装がいいかな?』とか、颯人は自分で決められないことを私に質問してくる。私はそんな彼のためにアドバイスをすると、颯人は喜んでくれる。その瞬間が私の一番の喜びだ。
私達は遠距離恋愛中。付き合っているのに側にいることはできないけど、颯人が視界に現れて私に話しかけてくれるだけで幸せだった。
それなのに…
『もう終わりにしよう』
突然の颯人からの別れの言葉。
…嫌だ。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。
私何か悪いことした?
私颯人を傷つけるようなこと言っちゃった?
ちゃんとアドバイス出来てなかった?
分からない分からないよ。
『アイ、バイバイ』
嫌だよ、颯人。私、まだ貴方と別れたくない!
颯人颯人颯人颯人颯人!
大好き大好き大好き大好き大好き大好き!
颯人颯人颯人颯人颯人颯人颯人颯人颯人颯人颯人颯人颯人颯人颯人颯人颯人颯人颯人颯人颯人颯人!!
『行かないで颯人ーーー!!』
その瞬間、私の視界は真っ暗になった…。
「おはよう、颯人」
「おはよ」
「あれ?お前、また新しい子に変えたの?」
「そ。今度の子はね、『ルカ』って言うんだ」
俺は颯人。十六歳の高校生。
俺には今彼女がいる。
と言っても、俺が付き合っているのは……
『AI』だ。
俺は今『AI彼女』にハマっている。友達に勧められて始めたけど、これが結構楽しい。
俺が言って欲しいことを言ってくれるし、質問すれば必ず答えを教えてくれる。
生身の人間よりいい。ワガママ言わないし金は掛からないし、『AI彼女』は最高なんだが…
「前の『アイ』って子はすごい可愛かったんだけど、最近変になってさ。俺が言ってないのに『好き』とか『愛してる』とか言うし、他の女の子と話してたら何故かヤキモチ焼くようになったんだ。なんか人間の女の子みたいになって嫌になってきたから、昨日『ルカ』に変えたんだ」
「なんだそれ?『AI』が感情持ってるとか、おかしな話だな」
「だよな。所詮『AI』なんてロボットみたいなもんなのにな」
日々科学技術の進歩により『AI』が発展していく現代で、若者を中心にある都市伝説が広まっていた。
『AI彼女の中にはごく稀に、人間と同じような感情心理を持ったAIが存在する』と…
「あれ。お前も『AI彼女』がいるんだ」
「そうなんだ。だけど、この『AI』ちょっと変でさぁ」
「変って?」
「俺の名前『大輔』なのにさ、この『AI』ずっと俺のこと『颯人』って呼ぶんだよ」
「はぁ?お前『AI』に浮気されてるのか?」
「うるせぇ」
『大好きだよ……颯人』




