#61 大晦日
皆さん、こんにちは!アオです!
それでは「恋愛を成功させるには勉強を教えるのが一番です!?」をどうぞ!
クリスマスから早くも数日が経過してとうとう年の最後である大晦日だ。
大晦日だからと言って何をするでもないが、たくさんある塾が唯一
休みとなる日なので家でまったりできる……はずだった。
クリスマスの出来事が起こってから数日経ってもあの時のことは
忘れられることができずずっと頭の中に残っていた。
集中して勉強が始められたと思ったらすぐにそのことを思い出してしまい
大晦日に来るまでずっと集中を切らす要因だった。
これじゃあ全然だめだな、なんでこんなに恋愛に振り回されてるんだろう。
一周回って、ここまで悩んでいる自分がバカバカしくなってきた。
あ~、やめだやめ。そう考えることを放置……できるわけがない!
あれからメッセージのやり取りはない。自分の方から何か送ろうかと
思ったがこっちから先に送るとなんか俺が意識しすぎているみたいで
変な感じになってしまうのではないかと思ってやめておいた。
まあ意識しすぎているからこうなっているのだが。
メッセージの通知音が鳴る度に反応してしまうのも仕方ないと思う。
こんな調子だし勉強も意味がないと思って今日くらいは何もしない日でも
いいだろう。そう思って俺はスマホの電源を落として眠りについた。
……どれくらい時間が経っただろうか、あたりはいつの間にか
真っ暗になっておりこんなに寝たのはめちゃくちゃ久しぶりだ。
夕飯を食べるためにリビングへ向かうとテレビがつけられており
紅白歌合戦がちょうど始まろうとしていた。
ちなみにうちでは大晦日だけが唯一オールを許されている日だ。
あれだけ寝たんだし夜寝れないだろうけど。
今晩は毎年恒例の年越しそばだ。麺をすすりながらテレビを見る。
本当にこれまで勉強しかしてこなかったためか勉強以外に
楽しいと思えるようなことがそうそうないのだ。
でもたまに勉強のお供として音楽を聴くことがある。しかし勉強の質を
下げるため単純な作業で終わるようなものだけだ。
それから時刻は十一時を過ぎていた。ここまで来ると深夜テンションと
言うべきか何もしていないのに楽しい状態になる。
するとスマホの通知を知らせる音が鳴る。何の躊躇もなくメッセージを
開いたがその相手はまさかの文乃だった。
楽しい状態から一気に鼓動が波打つ。
"起きてる?"
久しぶりのメッセージでさらにこれだけの文章量。震える手を必死に
抑え込みながら俺はメッセージを送る。
"起きてるよ"
……今の返信のタイミング早すぎてなかったかな。なんて早くも後悔してると
"何してるの?"
またしても緊張で文字を打つ手が震える。
"テレビ見てるところ"
"紅白?"
"うん"
"私も、理久って紅白見るの意外"
"意外ってなんだよ。一年の中でも結構特別な日だからな"
"そうなんだ。偏見だけど規則正しい生活を心がけてそう"
良かった、思ったより良い感じでメッセージのやり取りができている。
"勉強には絶対に睡眠が欠かせないからね。
気を遣っているつもり、文乃はどうなの?"
こんな感じでメッセージをしているけど大丈夫だろうか。
前の俺、メッセージごときでこんなに緊張していたっけ?
軽い雑談をしたのち、文乃がこんな時間にも関わらず勉強を
しているようでその手伝いもしていた。
良かった、いつも通りの感じで接することができている。
"なるほど!そうやって解くんだ!"
やり取りをしているとあっという間に時間は過ぎて行き日付が変わる
直前である、十一時五十七分になっていた。
"もう少しで年越しだね!"
"何回なってもこの瞬間だけはわくわくする"
"わかる!私も!"
そのメッセージを見て俺は微笑む。
"本当にこの一年楽しかった!理久のおかげだよ!"
目の前にいるのを想像してしまってスマホからも目をそらす。
"俺も文乃たちのおかげで楽しく勉強できた良い一年だった"
メッセージを送るのが気恥ずかしくて送信ボタンを押すのを躊躇した。
時計の針は五十九分を指していた。あと一分で新しい年か。
本当にこの一年振り返ってみても主に勉強面でめちゃくちゃ
自分の価値観が変わったような気がする。
秒針が動き十二時を指す。どこからか鐘の音が聞こえる。
"あけおめ!今年もよろしく理久!"
そのメッセージにドキドキしながら俺も返事をする。
"あけおめ!俺からもよろしく文乃"
"別にそんな辛気臭くなくていいのに"
"今の辛気臭かった?ごめん"
"ウソウソ、冗談だよ。理久って面白いね"
その面白いという一単語にどういった意味が込められているのか
俺が知るはずもない。でもたったその一単語に込められた思いを
探ってしまうのが恋愛というものではないかとふと思った。
あれだけリズムよく続いていたメッセージのやり取りも数分後に
途絶える……まあ会話が終わったから終えただけだろうけどなんだか
寂しい感じがする。結局その後、俺は眠気に耐えることができず
そのまま寝てしまった。
数時間後、体の節々が痛いがなんとか体を起こす。
深夜のメッセージを見返していると恥ずかしいな。
読んでいただきありがとうございました!
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それでは次回お会いしましょう!アオでした~!




