#60 高鳴る鼓動(視点:文乃ver)
皆さん、こんにちは!アオです!
それでは「恋愛を成功させるには勉強を教えるのが一番です!?」をどうぞ!
「べっ、別に添削を手伝ったけどあれだけの演説を行ったのは
文乃自身なんだからそこまで俺をほめなくても」
イルミネーションを見ながらふと今年一年のことを振り返っていると
理久が私から視線をそらしてそう言う。
「あっ、あれもしかしててっ、照れてる?」
ほんの少しだけからかうだけのつもりだった……なっ、なのに
まさかきっ、キスするなんて思ってもなかったよぉ~。
そっ、そりゃあ好きな人とそんなことするなんて最高かもしれないけど
でも付き合っていない男女でそれは絶対に違うし。
何よりも理久にも迷惑をかけてしまっている可能性もある。
中学から勉強一本らしいから恋愛なんて微塵も興味なさそうだし。
でも今の私の状況は恥ずかしすぎる、もちろんあの後お互いが超気まずくて
帰り道もずっと無言だった。逆にあの状況で普通に話される方がおかしいか。
本当にどうしよう、あの時のことを思い出すだけで顔が真っ赤になって
体温が上昇しているのがすぐにわかる。めちゃくちゃ恥ずかしい。
誰かに言うのも恥ずかしいことだと思っていると電話がなる。
理久からかもと思ってしまってめちゃくちゃびっくりしたけどそんなことはなく
相手は鷹宮さんからだった。その名前を見て私はほっと胸をなでおろす。
「たっ、鷹宮さんどっ、どうしたんですか?」
さっきまでの状況にまだ緊張しているのか全く関係のない鷹宮さんとの
会話ですら私は自分の声が震えていることがはっきりとわかった。
「……一条さん大丈夫?とても声が震えているようだけど」
やっぱり鷹宮さんも気づいてしまうか。私がどう言おうか迷っていると
「もしかしてクリスマスデートで何かあった?」
"クリスマスデート"という単語にさらに胸がドキドキする。
あれはでっ、デートだったのだろうか。でもデートらしいことは……
いっそ、この際だからどうにでもなれ!の勢いで私は今日起こったことを話す。
「えっ!?そんなことがあったの!?そっか~二人はもうそこまで
進んでいる関係性だったのか~」
「だっ、だからち、違いますよ!たまたまそうなっちゃっただけで……」
恥ずかしすぎて後半になるにつれて徐々に声の大きさが小さくなっていく。
「たまたまね~、それで私たちよりも先に行くなんてもう告白したら?」
若干あきれているような雰囲気の鷹宮さん。
私が相談してからとっくに半年以上経っており確かに鷹宮さんから見れば
早く告白してキリをつければいいと思うかもしれないがそういうことではない。
「こっ……告白なんて無理ですよ、私……今の関係性が一番」
「本当にそれでいいの?」
私の言葉にかぶせるようにして鷹宮さんが言い放つ。
その声はいつものような凛とした声ではなく威厳があふれるようなものだった。
「前々から一条さんと篠宮さんが付き合っているんじゃないかって噂は
知っているわけでしょ。少なくとも篠宮さんの方はその噂を耳には
してそうだと思うけどね……それで恋愛感情がなくたとしても今回の
出来事があったなら嫌でも一条さんを女子さらにいえば恋愛対象と
してこれから見る可能性も大いにあるはずだわ」
恋愛対象……勉強一本だった理久がこの一件で私をそう見てくれるのだろうか。
私からの返事がなかったためか鷹宮さんがさらに言葉を付け加える。
「現状、一条さんはもともと好きということもあって今回のことを
めちゃくちゃ意識しているんでしょ?だから私が電話をかけたときも
その記憶が鮮明で声が震えていたんじゃないのかしら?」
まさに鷹宮さんの言う通りだ。
「……鷹宮さんにはかないませんね……たった数秒の出来事なのに
思い出すだけで恥ずかしすぎて死にそうなんですから」
「フフッ、やっぱりね。それならそれと同じくらい篠宮さんも意識
していると思うわ。恋愛経験ないって言っていたでしょ。そこに
あんな出来事があったら少しいや、だいぶ意識するはずよ」
第三者からの意見が入ると急に説得力が増す。
それと同時に私の鼓動もだんだんとうるさくなっていく。
「話を聞いてくださってありがとうございます。もう少し自分の中で
少し気持ちを整理したいと思います」
「それがいいわ。ただ勉強はしっかりとね、学生の本業は勉強だから」
さすが鷹宮さんらしい言葉だなと思いながら電話を終える。
少しして落ち着いた私はいつもより遅いがお風呂に入った。
湯船につかりながら考える理久はあの出来事をどう思っているのかな……
お風呂から出てメッセージを送ろうか迷っていた。
ただ迷っているだけで時間は過ぎて行き私はあきらめて眠りについた。
それから数日が経過してあっという間に一年の最後の日である
大晦日になった。あれから理久とは一度もメッセージのやり取りをしていない。
毎日毎日、何か送ろうとは思っていたけどやっぱりあの出来事が
頭の中に浮かんできてしまって思うように文章が打てなかった。
でも今年最後だからせめて声だけでも聞きたいなと思う感情がある。
大晦日なんてゆっくりすごしたいよね……
読んでいただきありがとうございました!
コメント(感想)をくださるとうれしいです!
それでは次回お会いしましょう!アオでした~!




